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更新日:2024年2月16日
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この資料は、県政記者クラブとの会見内容を広報課でまとめたものです。
日時:令和6(2024)年2月14日(水曜日)午後1時30分から
場所:県庁記者会見室
(話題事項)
1.県立美術館における絵画の購入について
(質疑事項)
1.公益通報制度について(その1)
2.公益通報制度について(その2)
3.県立美術館における絵画の購入について(その1)
4.県立美術館における絵画の購入について(その2)
5.県立美術館における絵画の購入について(その3)
6.公益通報制度について(その3)
7.県立美術館における絵画の購入について(その4)
8.家事分担に関する意識調査について(その1)
9.家事分担に関する意識調査について(その2)
10.政治資金問題について
令和4年11月に開館50周年を迎えた栃木県立美術館では、県民に多彩な美術作品に触れていただくため、日頃から、優れた魅力的な作品がないか情報収集に努めております。そのような中、今般、購入に至ったのが、画面にあるとおりですが、アルフレッド・シスレーの「冬の夕日(サン=マメスのセーヌ河)」です。サイズは、縦が50cm、横が65cmのものでございます。
シスレーはフランス印象派の最重要画家の一人であり、県立美術館の美術作品収集方針「18世紀後半以降の世界美術史を理解する上で重要な美術作品」に合致するとともに、県立美術館が既に所蔵しているターナーやコンスタブルなどのイギリスの絵画とも関係性が深く、これらの作品と関連付けた展示も可能になるなど、新たな活動の展開が期待できるところでございます。
また、本県那須塩原市には、明治期に総理大臣を務めた松方正義の別邸がありますが、この作品は松方正義の三男:松方幸次郎のコレクション、いわゆる「旧松方コレクション」であったという歴史的背景もあります。
3月の県議会の議決を経て正式に購入ということになりますが、栃木県誕生150年の節目の年を締めくくるのにふさわしいタイミングであるとともに、現在検討を進めております県立美術館、図書館及び文書館を一体的に整備する「文化と知」の創造拠点について、多くの方の関心を高め、足を運んでいただくことにつながってまいるのではないかと考えております。
記者:公益通報制度についてお伺いします。
県職員などから内部通報を受け付ける制度が2006年度から始まっていますが、事務局の受付窓口である内部監査室によると、昨年度までの通報はゼロ件、今年度になって初めて2件受け付けたのみと、利用は低調です。知事は公益通報制度の意義をどう捉えているのでしょうか。そして、これまで利用が低調だった原因はどこにあったと分析されていますでしょうか、お聞かせください。
知事:公益通報制度についてのお尋ねでございます。
県では「公益通報者保護法」の施行を受けまして、平成18年度から職員による公益通報制度を適用しております。
この制度の周知につきましては、毎年度、庁内の会議で説明の上、各所属長宛てに、制度概要や通報方法、通報窓口等について通知を発出するなど、制度の理解促進に努めており、今年度2件の公益通報を受理いたしました。
この件数につきましては、通報範囲が自治体により異なるなど、単純な比較をすることが難しいところではありますが、これまでの制度周知の結果として、今年度初めて2件の通報となったものと考えております。
公益通報制度は、職員等からの法令違反行為等に関する通報を適切に処理するために、極めて重要な制度であると考えており、引き続き職員に対する制度の周知を徹底してまいりたいと思いますし、適正な制度運営に努めてまいりたいと思います。
記者:公益通報者保護法に関する国の指針やガイドラインは、通報者に対して不利益な取り扱いをしたり、通報者を探索したりすることを防ぐための措置をとること、そのような行為をした職員などに対しては懲戒処分など厳正な対処をとることを明確にする必要があるとしています。また、匿名の通報についても、実名での通報と同様に取り扱うこととしています。しかし、県の公益通報制度実施要領にはこれらの点について明確な規定がありません。
県の通報制度の実効性を確保するため、国の指針やガイドラインに沿って実施要領を改めたり、新たな内部規定をつくったりするお考えはありますでしょうか。
知事:2点目についてですが、「公益通報者保護法」の適正かつ有効な実施を図るため、お話がありましたように、国は「指針」や「ガイドライン」などにおきまして、事業者による懲戒処分等の措置や、匿名通報の取り扱いなどを定めているところでございます。
県の「栃木県職員公益通報者保護制度実施要領」では、「公益通報者を特定させる事項の範囲外共有の禁止」や「公益通報者に対する不利益な取り扱いの禁止」の規定はあるものの、懲戒処分や匿名通報の取り扱いについては言及しておりません。
懲戒処分、匿名通報の規定なし。関東では栃木と神奈川、茨城が同じような状況になっております。
この運用に当たりまして、国の「指針」や「ガイドライン」等を参考としているところでありますが、今後、実効性のある制度となるよう、実施要領について必要な改正を行ってまいりたいと思います。
記者:ありがとうございました。
記者:シスレーの絵画についてお伺いします。
購入価格は幾らぐらいになるのですか。
あとは、松方コレクションだったということですが、これは西洋美術館から買ったということですか。
知事:金額については、3億6千万円でございます。
昨年の夏に国立西洋美術館から情報を入手しました。そこでこの作品の存在が分かったところでございます。
昨年12月に、それを受けまして、外部有識者による評価委員会の審議を経て、今会議に取得についての提案をする予定でございます。
国内で確認できるシスレーの旧松方コレクションは、この作品を含めて2点のみという希少価値が高い作品であるということも、購入の決め手となったところでございます。
記者:同じくシスレーの作品について伺いたいのですが、収集方針とか、これまでの県立美術館が持っている作品との関係性などから購入を決めたというお話があったのですが、数ある印象派の中でなぜシスレーなのか、なぜこの絵だったのかをお伺いしたいのと、知事自身は作品を見られてどのような印象を受けられたのか。
あとは、美術市場が今高騰していて、3億6千万円でというのは結構低い値段なのかなと思うのですが、基金は5億8千万円あったと思いますが、5億8千万円ではなくもう少し下げた理由を教えていただきたいのですが。よろしくお願いします。
知事:金額については、代理人からの提示となります。
さらに、先ほど申し上げましたように、シスレーの旧松方コレクションは国内には2点しかない。1点はアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)、そして残りは栃木県で所有できる可能性が高くなってきたということになっております。
ついては、西洋美術館と県立美術館が今後連携を図ることにもつながっていくということや、那須塩原市に松方正義総理大臣の別邸があるということで栃木県との縁も深い。
これらのことから、評価委員会の審議を経て、絵画、そして絵画の価格等について適切であるというお墨付きをいただいたことから、購入を決断したところでございます。
私は素人ですけれども、技法・画法が非常に特徴的だと。遠近法というのに基づいて描くのでしょうが、これは葉っぱ1枚1枚がくっきりと全部見えるみたいな独特の技法・画法である。こんな説明を受けまして、県立美術館の目玉の作品としては大変良いものではないかと、素人ながら思いました。
記者:絵画について2点お伺いします。
まず、評価委員会はどういった方で構成されるのか教えていただきたいと思います。
知事:栃木県立美術館美術資料選考評価委員会というものが組織されておりまして、昨年12月22日に開催されました。
このメンバーについては、公立美術館の学芸員、大学教授などの美術の専門家7名により構成されております。茨城近代美術館、東京藝術大学、早稲田大学、金沢美術工芸大学等の方でございます。
記者:もう1点は、今現在所有しているのはどなたなのか。個人なのかどこかの博物館なのか、それを教えていただきたいと思います。
知事:契約の相手方がM&Iアート株式会社というところでございます。所有者に関しましては、先方の意向により公表されていません。
記者:ありがとうございました。
記者:最初の質問の関連です。今年度2件受け付けたということですが、その2件の概要というか、どのような法令違反なのか、可能な範囲で教えていただければと思います。
知事:2件の概要についてですが、職員の服務に関すること、それから業務に関すること、おのおの1件ずつでございます。
詳細については、公益通報の運用状況等はガイドラインの規定に則って、年度分をまとめて県のホームページで公表することになっておりますので、改めてホームページで公表することとしたいと思います。
記者:その関連なんですけれども、最初の質問で、周知をし続けた結果、今年度2件を受け付けたということで、適切に運用されてきたというお考えだと思うのですが、2006年度から始まって、17年間周知し続けてそれまでゼロだったということは、その間はやはり職員さんにとっては使いにくい制度だったんじゃないのかなというのが第一印象なのですが。この辺の反省というか、これまでちゃんとやっていたから2件受け付けたというのは感覚としてはどうなのかなと私としては感じるのですが、改めて、本当にこの17年間適切に制度が運用されていたとお考えなのでしょうか。
知事:先ほど冒頭で申し上げましたように、数が多いからいいのかということではない。日頃の業務の中で問題があると感じれば、積極的に公益通報制度を活用すればいいと思っておりますので、必ずしも今まで何かあったものがふたをされてきたというふうには捉えてはいません。
がしかし、それはあったかもしれないので、今後については、さらに通報しやすい環境をつくってまいりたいと思いますし、今月から県のホームページで職員等に対して制度の周知を実施いたしましたので、さらに職員にとって利用しやすい制度、障壁のないものにしていきたいと思います。
記者:ありがとうございます。
記者:絵画について追加でお伺いしたいのですが。
アルフレッド・シスレーの「冬の夕日」という作品で、タイトルがついているところで、夕暮れ時を描いたものなのかなとは想像できるのですが、具体的にはどういった場面を描写したものなのか、分かれば教えていただければと思います。
知事:夕暮れ時に現れる一瞬の光景を印象派の特徴的な技法を巧みに用いて色鮮やかに描いた作品、という解説です。あとは学芸員に聞いてください。
記者:昨日発表いただいた男女共同参画、家事分担に関する意識調査で、調査結果を一部抜粋すると、男女とも、女性が7~9割負担しているという認識が多かったり、全体の9割ぐらいの方が改善の必要性を感じるという御回答です。解決策で、男性の職場環境の改善が1位で、次いで男性の意識向上を促す社会運動が必要とお答えになっているようですが、この結果について、知事の所見を伺えますでしょうか。
知事:栃木県全体における課題が、改めてその数字で明らかになったということだと思います。
つきましては、男性育休については、令和5年度は県庁は相当男性育休は伸びると。県庁は率先垂範していますけれども、民間における取組がやはり重要になってまいりますので、家事・育児の役割分担の男性の占める割合を増やす。これらがやっぱり大きな課題だと思いますので、少子化対策緊急プロジェクト第2弾が4月から始まるわけですがも、その中で、男性の家事・育児のあり方、そして意識改革ですね、中小企業・小規模事業所においても育休などが取りやすい環境、そして「男性の育休取得」の「男性の」を取るところに早く結び付けていきたいと思います。
記者:ありがとうございます。
記者:関連してお伺いします。
アンケート結果から、男性の職場環境の改善が1位という結果が出ていますが、一方で、男性の意識向上を促す社会運動について、男性は有効と捉えていないという結果も出ています。
県としては、カジダンとか「とも家事」、いろいろ事業をやってきましたが、このアンケート結果から見るとその効果が出ていないように感じるのですが、そのあたりのお考えをお聞かせください。
知事:関係者だけが大きな課題意識を持って取り組み始まった。その関係者というのは、県であり市町村、あるいは公的団体までは、意識改革なども行き渡りつつある。
しかし、先ほど申し上げましたように、中小企業・小規模事業者は、残念ながら、若い人に休まれるのは困るという現実の問題もあって、なかなか経営者の皆さん方も難しい状況に置かれていると思っています。
それを何とか打破していくためには、社会全体や家族全体の意識が向上して、みんなでそれを支え合う環境が整わないと、一定数までは数字の上では伸びても、行き渡らないという懸念が大いにあると思っています。
どう解決していけるのか、これが大きなこれからの課題だと思います。
記者:もう1点お願いします。
アンケートに家事代行サービス利用について伺う質問がありました。その結果から見ると、男女共に、家事代行サービスに消極的な姿勢が見てとれるのですが、県としてこれを後押しするような施策等を考えていらっしゃいますか、お聞かせください。
知事:家事代行サービスについての中身を理解してもらうことが必要だと思います。他人の方に家に入ってもらいたくない、例えばそういう思いが強ければ、サービスを受けたくないということになるかもしれません。家事代行サービスとは何だ、何をやってくれるの、自分たちが懸念していることに対して、このサービスを受けることで不都合が出るの、出ないのとそれらをちゃんとサービスを受ける側が理解していかないと、私自身が子育て世代だと仮定しても、私も同じようにアンケートで答えるだろうなと思いました。
ですので、懸念を払拭して、自分たち夫婦のためにも子どものためにも代行サービスを使うことが家族にとってメリットがある、こういう環境をみんなで共有できるようにしていけば、今のアンケートの数字は逆転していくのではないかと思います。まだそこまで残念ながら至っていないと思います。
記者:ありがとうございました。
記者:国政に関することで伺いたいのですが。
自民党が昨日、派閥の政治資金パーティ裏金事件を受けた全所属国会議員アンケートの結果を公表しました。改めて知事、結果を公表等で御覧になったかもしれませんが、どのように御覧になったのか、御所感を聞かせていただけたらと思います。
知事:大勢いらっしゃるな、というのが第一印象です。
今後については、今、国会で論戦がなされております。そしてまた、各報道機関のアンケートなどで十分かどうかというのが今後どんどん数字で現れてくるでしょうから、それらを受けて自民党がどうするのか。そして、野党の皆さんもどこまで国民の声を代弁し追究できるのか。その結果どういう新しい方向に踏み出すことになっていくのか。誰もがそこに関心を持っているはずですので、国民を納得させる国会の議論であり、そしてまた結論を見出してくれることを期待したいと思います。
記者:関連ですが、当事者の国会議員の皆さんでなかなか自ら説明されない方もいらっしゃって、栃木県選出でいうと、簗和生さんはまだ取材にも明確な回答をしていないというようなこともありますけれども、その方に限らず、全体として、当事者の国会議員はどのような説明責任の果たし方があるか、もしくはどういったことをするべきだと知事としてお考えでしょうか。
知事:それは、政治家ですから自らが考えるべきだと思います。その対応が、有権者が次の選挙でどういうふうに行動するのかというところにつながっていくと思います。
記者:ありがとうございました。
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