重要なお知らせ
ホーム > 県政情報 > ようこそ知事室へ > 知事記者会見 > 知事記者会見目次【令和5(2023)年度】 > 令和6(2024)年2月8日(令和6(2024)年度 当初予算記者発表)
更新日:2024年2月10日
ここから本文です。
この資料は、県政記者クラブとの会見内容を広報課でまとめたものです。
日時:令和6(2024)年2月8日(木曜日)午前10時00分から
場所:県庁記者会見室
(発表事項)
1.令和6(2024)年度当初予算案の概要について
(質疑事項)
1.令和6(2024)年度当初予算案について(その1)
2.令和6(2024)年度当初予算案について(その2)
3.令和6(2024)年度当初予算案について(その3)
4.令和6(2024)年度当初予算案について(その4)
5.令和6(2024)年度当初予算案について(その5)
6.令和6(2024)年度当初予算案について(その6)
7.令和6(2024)年度当初予算案について(その7)
8.令和6(2024)年度当初予算案について(その8)
9.令和6(2024)年度当初予算案について(その9)
10.令和6(2024)年度当初予算案について(その10)
11.令和6(2024)年度当初予算案について(その11)
12.令和6(2024)年度当初予算案について(その12)
13.令和6(2024)年度当初予算案について(その13)
14.令和6(2024)年度当初予算案について(その14)
それでは、1ページを御覧願いたいと思います。まず予算規模についてでございます。
一般会計予算の規模は、9,328億円であり、新型コロナウイルス感染症対策経費の減などによりまして、令和5年度と比べ458億円、4.7%の減となりました。なお、当初予算としては3年連続の減でございます。
特別会計は2,180億4,992万円で0.1%の減、企業会計は255億5,300万円で7.5%の減となっています。
次に2ページ、予算編成の基本的考え方についてでございます。国は、歴史的な転換点の中、先送りできない課題に挑戦し、変化の流れをつかみ取る予算として、賃上げの実現に向けた処遇改善や、こども・子育て支援の充実等に取り組むこととしております。
地方財政計画では、一般財源総額について、前年度を上回る額が確保された一方で、引き続き臨時財政対策債の発行を抑制するとしております。
本県の令和6年度当初予算につきましては、この後御説明を申し上げます。
次に、3ページの予算構造の歳入についてでございます。定額減税による個人県民税の減収が影響し、県税は70億円の減となりました。定額減税分については全額国費で補填されるものの、地方交付税と臨時財政対策債が合わせて30億円の減となること等により、引き続き財源不足が生じたため、県債管理基金の活用などにより所要財源の確保を図りました。
基金の状況につきましては、後ほど資料4を御覧願いたいと思います。
なお、令和6年度末の県債残高は、右下に記載のとおり1兆1,422億円となる見込みでございます。
次に、4ページの予算構造の歳出についてでございます。目的別では、教育費が全体の約2割を占めており、商工費、民生費がこれに続きます。性質別では、職員費や医療福祉関係経費等の義務的経費が全体の6割となっています。
次に、5ページの投資的経費でございますが、単独事業が前年度並みである一方、補助・直轄事業は、河川の改良復旧事業の減等により減少し、全体では4年連続で前年度を下回りました。
次に、6ページの消費的経費についてでございます。まず、義務的経費につきましては、医療福祉関係経費が増加するほか、公債償還費や退職手当についても増となります。
その他の経費につきましては、新型コロナウイルス感染症対策費が減少したことにより、大幅な減となりました。
次に、7ページの栃木県財政の推移についてでございます。ひし形の折れ線グラフで示している予算規模につきましては、新型コロナウイルス感染症への対応のために令和3年度から大幅に増加しておりますが、ここ3年は連続で減少しました。
また、県税については丸形の折れ線グラフで、県債残高については棒グラフで表しております。青色で表示した臨時財政対策債を除く県債残高の令和6年度末残高見込みは6,953億円となり、県債残高全体の約61%を占めます。
なお、7年度以降の県債残高のシミュレーションにつきましては、後ほど資料5を御覧願いたいと思います。
次に、8ページから、「令和6年度当初予算の特徴」について申し上げます。
Iの「令和6年度政策経営基本方針に基づく重点事項の積極的な展開」、IIの「『とちぎ未来創造プラン』及び『とちぎ創生15戦略(第2期)』の着実な推進」を2つの柱といたしました。
新規事業を中心に、特に重点的に取り組む事業を次に記載しております。
9ページでございます。「令和6年度政策経営基本方針に基づく重点事項の積極的な展開」について説明します。
1つ目は、「とちぎ少子化対策緊急プロジェクトの推進」でございます。合計特殊出生率が3年連続で過去最低を更新するなど、深刻さを増す少子化に対応するため、昨年8月に当プロジェクトを取りまとめ、早期に実施可能なものについては、第1弾として、令和5年度9月補正にて予算化し実施いたしました。その後、できる施策は全て行うという観点で、さらなる検討を経て、今般、プロジェクトを資料10のとおりといたしましたので、後ほど御参照願いたいと思います。
令和6年度も引き続き、結婚、妊娠・出産、子育ての各ライフステージに応じた切れ目ない支援を行っていく考えであります。具体的には、赤字で記載の「縁結びムーブメント創出事業」をはじめとした4つの柱により取り組んでいくこととし、黒字で記載の第1弾実施事業に加え、青字で記載した第2弾実施事業を新たに行ってまいります。
主なものを次のページ以降で説明してまいります。
10ページをお願いします。本資料におきましては、令和5年度9月補正で予算化した事業であっても、令和5年度当初予算で計上していない事業は、新規事業として◎もしくは○で表記しております。
①が、若者の出会いや交際、結婚を後押しする取り組みでございます。アで、若者のライフデザインの支援を行うほか、イで、未婚男性の家事力アップを図るとともに、ウで、本県の地域資源を活用した県内外からも注目される婚活イベントを実施してまいります。さらに、エで、結婚支援センターを通じて交際が成立したカップルを対象に、観光施設等の入場券を配布するなど、交際進展を後押ししてまいります。
また、②が妊娠から出産、子育てを県全体で支援していく取り組みであります。アで、子育て用品の提供等、子育てを応援する民間企業の増加に向けた取組を行うとともに、エで、国が推進する「こどもまんなか社会の実現」に向け、こどもの意見を聴き県の施策に反映するほか、子どもの権利擁護の充実強化にも取り組んでまいります。
なお、ウにつきましては、第2弾実施事業の中で金額的にも大きな事業ですが、次のページで触れてまいります。
11ページをお願いします。③で、理想の数のこどもを持てるよう、所得に関わらず子育て世帯の経済的負担を軽減するため、認定こども園等に通う第2子のうち、3歳未満児の保育料を免除する市町に対し助成を行います。
また、④で、産科・小児科医等を含む専門医の確保・育成・定着等を図り、安心して出産や子育てができる安定的な医療体制の確保に取り組みます。
さらに、子育てには男性が関わっていくことが重要であることから、⑤で、男性の育休取得の促進など、企業における仕事と子育ての両立を支援してまいります。特に、ウに記載の奨励金につきましては、令和5年度9月補正で既に制度を創設しておりますが、より多くの企業での実施を後押しするため、支給額を10万円から20万円に拡充してまいります。
また、⑥で、子育て等の将来的な経済負担を少しでも軽減するため、地元産業界の協力を得ながら、県内企業へ就職した者に対する奨学金返還支援の対象を全業種に拡充の上、実施いたします。
とちぎ少子化対策緊急プロジェクトの当面の対応としては以上となりますが、本県における少子化対策につきましては、引き続き検討を進め、必要な対策に機動的に取り組んでまいります。
次に、12ページをお願いします。2つ目の重点事項である「G7大臣会合を契機とした女性活躍の推進」について説明いたします。
昨年6月に日光で開催されました「G7栃木県・日光男女共同参画・女性活躍大臣会合」を契機として高まった男女共同参画・女性活躍推進の機運を維持しながら、課題解決に向けた施策を展開し、これらを加速してまいります。
具体的には、G7大臣会合の成果文書である「日光声明」において取り上げられた課題を踏まえるとともに、昨年11月に開催した記念シンポジウムにおいて採択された「輝くとちぎ宣言」に盛り込まれた思いを受け止めながら、主として、「女性の経済的自立」、「女性の家事負担の軽減」、「社会全体の機運醸成」の3本を柱に、各種施策を展開してまいります。
次のページ以降で具体的事業を説明いたします。
13ページをお願いします。①のアで、社外メンターの活用により女性管理職の育成を支援するほか、キャリア・マネジメント講座の実施等により、企業等における女性のキャリアアップを支援します。
また、イで、家庭内での家事分担や家事時間短縮をより一層浸透させていくため、県民の日イベント等において「とも家事」の普及啓発に取り組むほか、家事代行サービスの利活用を促進するとともに、多くの企業等と連携したキャンペーンを年間を通じて展開してまいります。
さらに、ウで、本県の未来を担うこどもたちに対し、男女共同参画・女性活躍推進に関する学習等を通じて、こどもの頃からの理解促進を図ってまいります。
次に、14ページです。本県でより多くの女性が生活基盤を築く上では、女性が求める仕事や望む働き方ができる雇用があるということが重要です。その点に着目し、令和6年度は、女性や若者にとっての魅力ある雇用や産業の創出に向けて、主に次の事業を行います。
②のアで、県内ものづくり中小企業に対し、女性が働きやすい環境づくりに向けたコンサルティングやセミナーの開催等を行ってまいります。
イで、県内女性を積極的に雇用する企業が立地する場合には、オフィス賃借料や通信料等の経費について助成してまいります。
また、ウで、ワークシェアリングの手法を活用して、女性の自由度ある働き方を実現できるよう支援してまいりますとともに、オで、女性にとって魅力ある雇用を生み出すスタートアップ企業に対する支援も行ってまいります。
なお、「日光声明」を踏まえた対応事業の全体像につきましては、資料11にまとめてありますので、御参照願いたいと思います。
次に、15ページでございます。3つ目の重点事項である「積極的なグローバル展開による地域経済の活性化」について御説明いたします。
長期にわたりコロナ禍の影響を受けた県内経済の回復を確かなものとし、持続的発展につなげていくため、積極的なグローバル展開により地域経済の活性化を図ってまいります。
令和6年度は主に3つの柱により施策を展開します。
1つ目は、県内企業の海外展開支援の強化です。ベトナムとの経済交流や高度外国人材の活用に一層力を入れます。
2つ目は、経済安全保障に関する動きを踏まえ、特定重要物資に位置付けられた半導体等の新たな成長産業の集積等に取り組みます。
3つ目は、インバウンド強化です。外国人富裕層等の高付加価値旅行者の受け入れ体制強化や、新たなテーマツーリズムの推進に取り組むほか、農村におけるグローバルビジネスの創出に取り組んでまいります。
次ページ以降で具体的な事業を説明いたします。
16ページをお願いします。①のアで、県内企業等からなる経済交流ミッションをベトナムに派遣するほか、イで、県内企業の同国への進出等を一元的にサポートする拠点の設置等を行うともに、②で、ベトナムの大学生等を高度外国人材として県内企業への就職等の支援を行い、経済交流を一層促進してまいります。
また、③で、経済安全保障に関する国の動きを踏まえ、本県ものづくり産業における対応を促す取り組みを展開してまいります。特にアで、成長が期待できる半導体や蓄電池関連の企業の立地動向・意向動向を踏まえながら、誘致・集積を促進してまいります。
なお、これらの企業の立地に際しましては、立地補助金の補助限度額について現行の30億円から70億円に引き上げることとし、全国トップクラスの限度額としたところであります。
イでは、特定重要物資の開発・技術向上や生産体制強化・販路開拓の支援等を行ってまいります。
次に、17ページをお願いします。インバウンド面におきましては、④で、高付加価値旅行者をターゲットとした誘客を図るため、高付加価値旅行デザイナーによる県内観光事業者等に対する伴走支援や、観光コンテンツの磨き上げの支援を行い、満足度の向上につなげてまいります。
加えて、本県が優位性を持つ観光資源である温泉、ゴルフ、イチゴ、G7レガシー等を効果的に活用しながら、滞在時間や宿泊増につながる新たなツーリズムを推進してまいります。
また、⑤で、日光国立公園の魅力向上を図る取り組みの一つとして、「日光国立公園認定ガイド制度」を構築し、より質の高いガイドによるインバウンド高付加価値旅行者の受け入れ体制強化とブランド力の向上に取り組んでまいります。
次に18ページです。⑥のアで、農村地域におけるグローバルビジネスの創出に向けて、「農村プロデューサー」を設置し、モデル地域の掘り起こしからグローバル化計画の作成・推進までの伴走支援を行うとともに、インバウンド受け入れ体制の整備に対する支援を行います。また、海外にいながら、「とちぎならでは」の農村ツーリズムを疑似体験できるオンラインイベントを開催し、本県農産物等を含め、農村地域で創出されたビジネスのPRを行ってまいります。
また、ウで、農村体験イベント等の情報発信や、デジタルスタンプラリーなどの参加型プログラムの開催により、誘客促進に取り組みます。
また、⑦で、2025年に開催される大阪・関西万博に本県としても出展し、本県の認知度向上やインバウンド拡大等を図ってまいります。令和6年度は出展に向けたデジタルコンテンツや展示物等の制作を行います。
次に、19ページをお願いいたします。4つ目の重点事項である「DX・カーボンニュートラルの実現に向けた取組の加速」について説明します。
まずDXです。コロナ禍を経て、テレワークやオンライン会議が普及・定着するとともに、チャットGPTをはじめとする新たな技術の登場等により、本県においても、デジタルの活用があらゆる場で広がっています。一方で、デジタルの利用ができない人や、苦手な人への対応などの課題も生じています。
そこで、全ての県民がデジタル技術による恩恵を享受し、便利で快適に暮らし続けることのできる“とちぎ”の実現に向けた基本姿勢を明らかにするため、2月の県議会通常会議におきまして「栃木県デジタル社会形成推進条例」案を提出します。この条例に基づき、令和6年度は、インフラ整備やソフト的取り組みなど、各種施策を展開してまいります。
次ページ以降で、具体的事業について御説明いたします。
20ページでございます。①②③の3つは関連事業です。各種データやシステムを相互に連携させることで、県民がより便利に各種情報を入手したり、サービスを得やすくする社会基盤を構築するものです。
うち、①が、各種システムをつなぐ、いわば大元の基盤を構築するものであり、②が道路・河川等の情報に関するシステム、③が防災情報に関するシステムであります。いずれも6年度はシステムの整備・構築に向け調査等を行うものであり、①②が令和7年度、③が令和10年度の運用開始を予定しています。
加えて、④のアが、重要河川の河川区域図のデジタル化を進めるものでございます。
また、⑤のアで、引き続き、文化資源のデジタルアーカイブ化に取り組むほか、イで、県立博物館におきまして、エントランス展示のリニューアルや敷地内に文化体験施設の整備等を行います。
このほか、⑥で、中小企業等のDXを推進するため、リ・スキリングの導入を支援してまいります。
21ページをお願いします。⑦のア、イで、県庁のデジタル化を一層加速させ、働き方改革や業務改革を推進してまいりますとともに、ウで、県民が各種の行政手続において利便性を享受できるよう、コンビニ収納機能の導入等を進めます。
加えて、⑧で、収入証紙で収めておりました手数料について、キャッシュレス化が進むよう、令和6年10月から納付システムの運用開始を予定しております。
さらに、⑨のアで、県立学校におきまして、採点支援システムの導入を拡充するほか、研究校を対象として生成AIの導入を行い、教員の業務負担を軽減してまいりますとともに、イで、教員のオンライン学習の受講や資格取得への補助を行うことで、DX人材の育成にも取り組んでまいります。
また、⑩のアで、市町におけるDX推進体制の強化を支援するとともに、イで、高齢者や障害者等が取り残されることのないよう、デジタル利用を支援してまいります。
次に、22ページでございます。カーボンニュートラルの取り組みについて説明します。
本県では、令和4年3月、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた各分野ごとの取り組みの行程表となるロードマップを策定いたしました。さらに令和5年4月には、「栃木県カーボンニュートラル実現条例」を施行し、ロードマップに定める取り組みを牽引・加速する4つの重点プロジェクトを戦略的に展開してきている。令和6年度におきましては、新たな事業の実施も加えて、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速させてまいります。
次のページで具体的な事業について説明いたします。
⑫のアにつきましては、これまで「COOL CHOICE とちぎ県民運動」として実施してきた取り組みの一部を見直し、新たに「カーボンニュートラル実現に向けた新県民運動」として、県民の行動変容を強く促す取り組みの周知等を展開いたします。
また、イで、地域のレジリエンス強化を図りながら、EV・PHVの導入を促進するため、災害時における電力供給の協力等を条件に、県内中小企業等を対象として、EV・PHV購入を助成してまいります。
さらに、ウで、企業局の県営水力発電収入を原資として活用しながら、市町が取り組む脱炭素化の事業を支援していくほか、エで、県庁自らが率先して脱炭素化に取り組むものとして、PPAモデルによる太陽光発電設備を導入いたします。
また、⑬は、事業費の4倍近い経済効果・脱炭素等の効果が期待できることから、今まで支援のなかった小規模非住宅建築物の木造化・木質化を新たに促進してまいります。
次に24ページをお願いします。ここからは、「『とちぎ未来創造プラン』及び『とちぎ創生15戦略(第2期)』の着実な推進」について説明するものであります。各重点戦略に掲げるプロジェクトの推進に向けた各事業のうち、主に新規事業や一部新規の事業を取り上げてまいります。
はじめに、とちぎ未来創造プランの重点戦略で第1の柱に位置付けている、「人材育成戦略」であります。
まず、「とちぎの未来を担う人材育成プロジェクト」についてですが、③で、グローバル化やデジタル化の進展、生徒数の急激な減少、さらには学習ニーズの多様化などにも的確に対応するため、第三期県立高等学校再編計画に基づき、より良い教育環境を整えてまいります。具体的に、令和6年度は、各統合新校の施設整備の設計等を行ってまいります。
⑦で、多様な学びの場を拡充していくため、県立夜間中学を栃木市にある学悠館高等学校に設置することとし、令和8年4月の開校に向け準備を進めます。
次に、「スポーツ推進、歴史・文化芸術振興プロジェクト」についてですが、①で、地域社会全体で文化財を支えるため、文化財保護のための資金調達方法の普及・促進に取り組むほか、文化財の活用促進等に向け、活用計画を策定した保存・修理等に対し助成してまいります。
また、⑤で、整備構想の策定に向け、引き続き検討委員会での検討のほか、PFI等導入可能性調査も実施してまいります。
次に、25ページをお願いします。2つ目の重点戦略「産業成長戦略」について申し上げます。
まず、「とちぎの明日を創る産業成長プロジェクト」でありますが、③で、経営者自身の保証に依存しない融資慣行の確立をさらに加速させるため、国において保証制度が創設されることを踏まえ、新たに「経営者保証免除型」の融資メニューを創設いたします。
次に、「活力ある農林業実現プロジェクト」ですが、①で、超低コスト生産及び県産米の高品質化に取り組み、収益性の高い米づくりを進めます。その中でも、「とちぎの星」につきましては、更なる認知度向上に取り組んでまいります。
また、③で、「とちあいか」の知名度向上に一層取り組み、半世紀以上にわたり生産量日本一の座にある「いちご王国・栃木」をさらに発展させてまいります。
⑥で、高病原性鳥インフルエンザや豚熱の発生時の経済的影響等を限定的にとどめるため、家畜生産農場の分割管理を推進してまいります。
次に、「国際戦略推進プロジェクト」でありますが、①で、令和6年5月に開催が予定されておりますアメリカ・インディアナ州でのグローバルエコノミックサミットに私が出席し、一層の交流を深めてまいります。
次に26ページ、3つ目の重点戦略「健康長寿・共生戦略」です。
「人生100年健康いきいきプロジェクト」についてですが、①で、県民一人ひとりが生涯にわたりいきいきと暮らしていけるようフレイル予防を啓発するとともに、県民により近い市町が取り組む予防施策の効果検証を行うほか、加齢性難聴に関する普及啓発等にも取り組んでまいります。
次に、「生涯安心医療・介護プロジェクト」についてですが、①で、新興感染症対策に平時から取り組むほか、②で、国際医療福祉大学の医学検査学科の新設に係る施設・設備整備への助成を通じて、臨床検査技師の養成を支援してまいります。
また、③で、本県の救急医療の方向性や必要な対策を検討してまいります。
次に、「多様な人材活躍推進プロジェクト」についてですが、①で、若者の新しいとちぎづくりへの参画を推進するため、とちぎ若者応援団を結成するほか、若者の活動を支援するメンターの育成等に取り組みます。
次に、「誰一人取り残さない地域共生社会づくりプロジェクト」についてですが、①で、ケアラー支援の普及啓発をはじめ、相談機能の強化や、全国でも先進的な取り組みとして、医療的ケア児等及び難病患者まで網羅したレスパイトケアの提供など、総合的な支援を推進してまいります。
次に、27ページ、4つ目の重点戦略「安全・安心戦略」です。
「危機対応力強化プロジェクト」についてですが、①で、県総合運動公園内に設置を検討している新防災教育施設に関し、令和10年度の供用開始を目指して調査・設計を行ってまいります。
②で、バナー広告を活用して避難知識の啓発を行うことで、県民の災害時の避難行動変容を促進してまいります。
次に、「県土強靱化プロジェクト」についてですが、①及び②で、豪雨災害や大規模地震等が発生した場合でも県民の命や財産、日々の暮らし等を守ることのできる社会資本の整備・保全に取り組むほか、⑤で、民間住宅やホテル等の特定建築物の耐震化を引き続き促進してまいります。
次に、「暮らしの安全・安心向上プロジェクト」についてですが、①で、信号機の新設・更新を計画的に進めるほか、道路標識・標示の更新等を行い、交通事故のない社会を目指してまいります。
28ページをお願いします。5つ目の重点戦略「地域・環境戦略」です。
「ふるさとの魅力向上プロジェクト」についてから申し上げます。①で、令和7年に植樹開始から400年を迎える日光杉並木街道の魅力や保護・育成の重要性を啓発していくほか、杉並木を活用した地域振興を日光市等と連携しながら進めてまいります。
②で、とちぎ創生アイデア会議での意見等を踏まえ、地域おこし協力隊員間の交流促進を図るほか、隊員の活動充実・定着を促進してまいります。
③で、移住先として本県の魅力をアピールするほか、県内広域エリアの現地アテンド等を担う「移住促進コンシェルジュ」を新たに設置するとともに、子育て世帯を対象とした移住体験ツアーを実施するなど、本県への移住・定住の促進や関係人口の創出に取り組んでまいります。
次に、「環境にやさしい持続可能な地域づくりプロジェクト」についてですが、①で、令和5年9月に操業を開始した県営処分場の運営を適切に進めていくほか、那珂川町内の施設と連携した環境学習を推進してまいります。
以上で、新規事業を中心とした令和6年度に特に重点的に取り組む事業の説明を終えますが、その他の主要な事業については、資料3に部局ごとの一覧表を掲載しておりますので、後ほど御確認願いたいと思います。
次に、29ページからは、「とちぎ未来創造プランの推進に向けて」です。
まず、「1 中期的な視点に立った財政運営」ですが、県債につきましては、引き続き適切な発行に努めてまいります。
次に、「2 歳入確保に向けた取組の推進」につきましては、県税について、収入未済額の減少に向け全力で取り組んでまいります。
また、民間提案型ネーミングライツを推進するとともに、ふるさと納税を促進するほか、使用料・手数料の新設・改定等を適切に行ってまいります。
次に、「3 事務事業の見直し等」についてですが、各部局の主体的判断に基づく事務事業の見直しを進めてまいります。
次のページの「4 公共施設等の適正管理と総合的な利活用」についてですが、「栃木県公共施設等総合管理基本方針」に基づき、施設類型ごとに取り組み状況を適切に進捗管理してまいります。また、未利用財産の処分など、県有財産の総合的な利活用も推進してまいります。
最後に、「5 効果的・効率的な県政運営の推進」についてですが、DXによる業務の省力化や効率化を引き続き進めてまいりますが、令和6年度事業としては、AIを活用した採点支援システムの導入などにより、年あたり約18.9万時間分の労働時間、約4.7億円相当の削減効果が見込まれます。このうち新年度の新規・拡充事業分は、12.5万時間、約3.1億円相当の削減効果となる見込みでございます。
このほか、将来に向けた投資として、システムのクラウド化を進めていくなど、令和7年度以降に削減効果が発現する事業についても積極的に取り組んでまいります。
詳細は資料6を御覧願いたいと思います。
また、様々な行政課題に対し効率的かつ効果的に対応するため、組織改編を行うこととしました。改編内容の詳細につきましては、後ほど人事課長から説明いたします。
さて、これまで予算の概要を説明してまいりましたが、令和6年度当初予算の特徴を一言で申し上げますと、「こどもの笑顔 と とちぎの魅力 フル加速予算」と命名したいと思います。
この命名に至った理由でございますが、とちぎの未来の鍵を握るのはこどもたちである中、少子化が深刻さを増す本県にとって、少子化の進行は待ったなしの課題でございます。重点施策の積極的な推進により、結婚から妊娠・出産、子育てに至るまでのさまざまな場面での支援を充実させるだけではなく、生活や仕事、地域資源などの付加価値を高めることで、大人もこどもも、とちぎで暮らし、笑顔が輝く、魅力あふれるとちぎづくりをフル加速させてまいります。このような思いを込めたものでございます。
以上、説明を終了します。
記者:説明ありがとうございます。
今回の予算案は、知事の今の任期では最後の予算編成となります。そのことを踏まえた上で、新年度予算で重視した点や、知事自身が思いを込めた事業などがあればお聞かせください。よろしくお願いします。
知事:令和6年度の当初予算につきましては、10月に公表した政策経営基本方針に基づくとちぎ少子化対策緊急プロジェクトの推進など、4つの重点事項に取り組むこととしたところでございます。
そこで、今申し上げましたように、栃木県の少子化対策は喫緊の課題だということから、緊急プロジェクトの第2弾について、現在考え得る県・市町共同で取り組めるものについて網羅し、予算化したところでございます。
つきましては、最も重視したのは、少子化対策、そして緊急プロジェクトの第2弾だと考えております。
加えて、G7の大臣会合は、開催地としての責任もあります。「日光声明」を具現化していくことが課せられた責務だと思っております。「日本の取り組みは、やってはいるけれどもスピード感がないよね」という御指摘をイギリスの代表から直接いただきましたけれども、それらを今後指摘されないよう、栃木県が全国をリードをするぐらいのつもりで、男女共同参画・女性活躍にしっかり対応してまいりたいと思います。
こどもサミットのときに、「カジダンとか、とも家事とか、そういう言葉がない社会を築かなければならない。それは当たり前のことなんだということに早く移行していかなければならない」という参加者の発言がありました。
今その過程にある、途上にあると思っていますので、「男性の育休を推進しましょう」とか「男性の」という言葉が出ない当たり前の社会、これをぜひ令和6年度の予算で目指していきたいと思います。
記者:ありがとうございます。
記者:少子化対策についてお伺いします。
資料の10にもあるのですが、本県の少子化の現状は、他県と比べても厳しい状況にあると思います。さらに、2023年の出生数も前年を下回る可能性が大きくて、県が目標とする、25年に合計特殊出生率を1.59とする目標が非常に厳しい状況にあると思います。
ここで、改めて、少子化対策に臨む知事の決意をお聞かせください。
知事:1.59の目標は、絶望的とは言いませんが、大変厳しい状況にあると思います。
そこで、昨年のG7会合以降、さまざまな会合などで、女性活躍の大切さや家事・育児への男性の参加について、多くの方々に訴えています。
我々から上の世代につきましては、「そうは言ったってなぁ」という言葉も出てきます。しかし若い世代では、「積極的に家事・育児に携わるようになってきていますよね」ということもお聞きしております。相半ば、混濁状態。これを真っ白にしていく、あるいは真っ赤にしていくこと。目標は遠のいていますけれども、次なる目標としても1.59以上を目指していくことになると思いますので、その目標に向かってのスタートラインに令和6年度の予算や各種事業はしていきたいと思っております。県民の理解が何より大切だ、家庭内での理解も必要だと思いますので、あらゆる機会・イベントなどを通じまして、少子化対策への危機感、そしてまた、育児・家事などの大切さを訴えていきたいと思っております。
小学校から、育児・家事について学ぶ機会を新年度から提供してまいりますが、それらも含めて、家庭内でお父さん・お母さんと子どもたちからも意見が出るような取り組みを進めて、少子化対策の転換点に令和6年度はしてまいりたいと思います。
記者:知事に1点お伺いしたいのは、新規事業として大阪・関西万博の対応費用が上がっています。県として、もう少し具体的にどういうものを想定しているのか。これが1点。
2点目は、関西万博に関しては、運営費がかなり膨らんでいることもあって、開催自体に賛否も出ていると思いますが、このイベントについて知事はどのようにお考えなのか。この2点をお願いします。
知事:万博については、さまざまな課題を抱えているというのは承知しています。
がしかし、一方で、県庁に挨拶に来られる日本を代表するような企業の方々からは、「私のところのパビリオンは順調に工事が進んでいますよ」という話もお聞きしていますので、進んでいるところもあれば滞っているところもあるというのが現実ではないかと思います。
そんな中、予定どおり開催するという方針を堅持されているわけですので、栃木県といたしましても、出展することとし、そして、展示内容等について詰めてまいりたいと考えています。デジタル技術を活用した参加型の展示を行うなど、栃木県の認知度向上とかインバウンドの拡大につながるような出展の内容にしてまいりたいと考えております。
日本国際博覧会協会の審査がまだ通っておりません。新年度になってから出展の可否が示される予定でございますので、その上で、決定すれば、栃木の情報発信の基地としたいと思います。
記者:ありがとうございました。
記者:半導体・蓄電池関連企業の誘致に関してお伺いしたいのですが、新規事業でマーケティング調査を実施されて、その結果を県政にどのように生かしていくお考えなのかお伺いしたいのと、もう1点は、企業の誘致に当たって、受け皿となる産業団地だったりとかの確保も課題になるかと思うのですが、その点について知事の考えをお伺いします。
知事:栃木県経済が持続的に発展していくためには、成長が見込まれる新たな産業の振興を図ることが重要です。今後市場拡大が期待されるものの中に、経済安全保障上極めて重要な産業もあると思います。
そこで、今後の経済安全保障の特定重要物資に関わる県内企業の実態調査の結果も踏まえて、新たな成長産業の集積等に向けた取り組み方針を3月までに作成します。作成中でございます、今。
そこで、特定重要物資に関わる投資を行う企業を対象とした企業立地補助金の補助率の引き上げに加えて、半導体や蓄電池関連企業に対しまして、補助限度額の引き上げとか設備投資等の意向を把握するためのマーケティング調査を実施するなど、戦略的な誘致活動を行って、さらなる成長産業の集積を促進してまいりたいということで事業を行う予定でございます。
その上で、今度は誘致に当たっての産業団地の環境整備ということになりますが、5年度は今200ヘクタールの整備を進めているところですが、さらに、それ以外の市町からも新たな産業団地の造成等についての提案をもらっているところですので、引き続き協議を進め、具現化できるところについては速やかに取り組んでまいりたいと思います。200ヘクタールプラスアルファを進めてまいりたいと思います。
記者:ありがとうございます。
記者:説明ありがとうございました。
知事から今御説明いただきましたが、3ページなどで歳入・歳出など説明をいただきましたが、今回、来年度は定額減税なので、県税収入に大きく影響して減というようなお話もありました。
財源不足の中で、財源を確保しながら、新たに県としていろいろな取り組みに挑戦していくということもあると思います。限りある予算の中で、知事は今回どのような思いで予算編成をされたか、この部分についてお伺いできればと思います。
知事:財政調整的基金も潤沢にあるわけではない。さらには、税収も次年度は減額を考えている。こういう中で、将来に向けての予算を組み上げていかなければならない。知恵と工夫が、私も含めて職員一人一人に求められたと考えています。
そんな中、廃止をした事業が100事業、見直しをした事業が53事業、両方合わせて50億円余の財源を生み出す。さらには、ネーミングライツは県営本球場なども含めて新たに取り組みをしたところでございます。
歳入の確保、それから県税未収額の解消といったものを一体的に進めていきながら、財源の確保と必要な事業予算の確保ということで、89億円の財源不足で予算を何とかまとめることができた。こんな状況です。
記者:御説明ありがとうございました。事業について2点お伺いいたします。
まず1点目、保育料の免除について。3歳未満の子どもに免除している市町に対して、県が実施額の半分を助成するという項目がございます。現在の実態としては、必ずしも全部の市町でそのような免除がなされているわけではないのですが、この助成というのは、まだ現在3歳未満の保育料免除を実施していない自治体に対して、今後そうしやすいように促すという意味も含まれているのかどうか。その辺お伺いします。
知事:第2子の保育料免除事業については、現在3市町で実施しております。それは市町単独事業となっています。そこに、市長会、町村会からおのおの無償化についての要望が出されました。所得制限なしが先月で、昨年から今年にかけて各市町足並みがそろって、県も応援しろという体制が整いましたので、具体的な検討に入りました。
そこで、県としては930万円の所得制限を設けて実施することで、県も各市町も負担を軽くすることでさらに事業がしやすくなるのではないかという判断をしまして、実際に協議を開始したところでございます
がしかし、全市町とも所得制限なしにしてくれという話になりましたので、所得制限なしで、第2子については県・市町一体となって取り組むことにしたものでございます。
実施時期につきましては、所得の捕捉が7月ごろ、そしてまたシステムの改修などがあるらしいということですので、準備期間を設けまして、10月からスタートさせるということで、各市町に概ねご理解いただいているところでございます。
記者:ありがとうございます。
記者:先ほど、ベトナム進出のための企業をサポートする拠点の設置という御説明がございました。これまで知事がトップセールスでベトナムを訪れたりされているのですが、改めて、数ある国の中でベトナムへの誘致に力を入れてサポートされていらっしゃるのはなぜかというところと、設置場所はホーチミンなのかハノイなのか、具体的な場所がありましたらお伺いできればと思います。
知事:人材不足が、栃木県はもちろんですが全国で叫ばれております。そんな中にありまして、優秀ないわゆる高度人材を確保しやすい、さらには日本との親和性、そして勤勉さ、さまざまな項目の中で、ベトナムというのは非常に魅力のある地域だということで交流を深めてきたところでございます。
昨年の秋、FPT大学、ハノイ工科大学を訪問し、人材の交流などについても意見交換をしてまいりました。向こう側からすればインターンシップ、そして、その後の就職ということも視野に入れながら交流を深めたいという提案もありました。
昨日、日本を代表する自動車関連企業がおいでになりまして、具体的にそういったことについてアジアの国と進めているという話をお聞きしまして、ぜひその中にはベトナムも含めてほしいというお話をしましたところ、1つの国だけではなくて、ベトナムも含めて複数の国からということも可能性として考えられますねと。こんな話もいただきましたので、企業側にとってもメリットがあり、そしてまた、就職する学生にとっても、インターンシップの後は、日本で働くという夢を叶えることができる。そういうことにつながっていくこと。
さらには、ベトナムには3つの邦人会・県人会が組織されて、栃木県の企業が3地区で既に県人会を組織して活動していますので、そういう点では、これからも栃木県からベトナムに行く企業も想定されるということで、ベトナム計画投資省からもビンフック省からも、ぜひ拠点をベトナム国内に構えてほしいというお話がありましたので、ハノイを中心に、県庁職員を派遣するというわけにはいきませんので、まずは現地で日本のことについて精通しているところがあれば、そういうところに任せることも含めて、新年度は考えていきたいと思います。
記者:ありがとうございました。
記者:2つ質問があります。
まず1点目ですが、財政の部分で、近年減少傾向が続いていた財源の不足が、新年度は前年度を上回る89億円ということです。この要因についてどのように見ていらっしゃるのか。
もう1つは、今後の財源の不足についてどのように見通していらっしゃるか。この2点をお願いいたします。
知事:税収の見込みから申し上げますが、令和5年度につきましては、物価高を反映した消費の落ち込みで地方消費税が低迷している。故に、当初予算から40億円減で2,600億円程度を見込んでいる状況にあります。
新年度につきましても、定額減税で個人県民税の減収が見込まれますことから、令和5年度当初予算から70億円減の2,570億円を見込んだところでございます。
定額減税の60億円については、全額国庫で補填されることにはなっておりますが、いずれにしても、厳しい税収状況にあると思っております。
しかし、一方で、医療福祉関係経費など義務的経費が毎年増えていくという状況にありますので、財政調整的基金が細る可能性もありますし、財源不足も当然発生してくると思っております。スクラップ・アンド・ビルド等に努めながら、先ほど申し上げましたようなネーミングライツや県税収入未済額の回収など、さまざまな方法を講じまして財源の確保に努めてまいりたいと思いますし、事業についても、優先順位をしっかり見極めた上で、内容の濃いもの、そして効果的なものに絞って取り組みを進めていきたいと思います。
財政状況の認識についても申し上げますが、財源不足額については、編成方針時と比べて圧縮できたものの、前年度に比べて増加しました。こんな中にあっても、新年度に必要となる事業の財源として基金を積み立てるとともに、県債残高全体としては圧縮するなど、財政の健全性を確保してきたところでございます。引き続き、中期的な展望のもとに、財政の健全性の確保にも努めながら、持続可能な財政基盤の確立を図ってまいりたいと思います。
また、令和6年度の財源不足の状況についても申し上げますが、先ほど来申し上げておりますように、前年度から4億円増の89億円の財源不足を見込んでいるわけですが、引き続き、歳入規模に見合った歳出構造への転換を進めて、収支均衡予算の編成を目指すなど、財政の健全性の確保についても取り組んでまいりたいと思います。
記者:御説明ありがとうございました。
医療に関する件で伺いたいのですが。救急医療で検討会を立ち上げるとありましたし、救急科医の確保にも努められるということでした。
改めて、県内の救急医療の現状だったり課題について、知事はどのように受け止めていらっしゃるのか、その点を教えてください。
知事:新年度、高度救命救急医療にどう対応すべきかといったことも含めて検討会を立ち上げて、状況の確認をしながら、あるべき姿を見出したいと思っています。
保健福祉部長に、今の栃木県の現状と、高度救命救急センターが関東では唯一栃木県にない、他県との違いはは何かあるの、どういうことなのと聞きました。量と質、救急救命については両方必要だと。栃木県の課題は量、質は大丈夫。量、即ち救急救命に携わる医師・看護師の確保がこれからの課題だ。それが満足されれば、救命救急も含めてさらに万全な体制になるという話を担当部長はしていましたので、それらも含めて、今後どう人材を確保していくか、検討会の中で議論してもらえればと考えています。
記者:今知事がおっしゃっていただいたように、関東では唯一、高度救急救命センターがないと指摘されていますが、その辺も検討会で議論されていくことになるのでしょうか。
知事:そのことも含めて議論をすることになると思います。そのことをもって尊い命が失われているかというと、そういうことはありません。今申し上げましたように、高度救命救急センター的機能も含めて、県内2大学病院、済生会等で十分質は備えている。あとは、量は医師の数、看護師の数といった人的な問題ですから、それを拡充することで、将来も含めて懸念される状況を克服していくことにつながっていく。そのための議論を始めるということでございます。
記者:資料の冒頭の方の国の予算のところで、「経済の好循環の起点となる賃上げの実現に向け」とありまして、先ほど知事も読んでいただいたと思いますが、今回の県予算で、今、国民・県民の一番関心が高いテーマの一つだと思われる賃上げに関して、県がコミットする部分というか、今回の予算で賃上げに関する部分というのはどこかにありますでしょうか。
知事:全体について申し上げますけれども、まず、物価上昇を上回る賃上げを中小企業に波及させていかなければならない。価格転嫁を通じた賃上げの原資の確保が重要であります。
そこで、望ましい取引慣行の遵守に向けたパートナーシップ構築宣言のさらなる推進、価格転嫁の促進を図るため、昨年9月に、経済団体、労働団体、行政機関での「パートナーシップ構築宣言の推進と適切な価格転嫁の実現に向けたとちぎ共同宣言」を行いました。
また、経営改善に取り組む中小企業に対しましては、専門家を派遣し、経営上の諸課題の改善が図られるよう支援するほか、企業の生産性向上を図るため、「とちぎビジネスAIセンター」を拠点として、AIやIoTの導入、利活用の促進、企業内のデジタル人材の育成等に取り組むとともに、ものづくり企業のAI等を活用したスマートファクトリー化に向けまして、専門家による導入計画の策定支援や導入に対する助成などにも今事業として取り組んでおります。
引き続き、労働団体、経済団体、行政等からなる「とちぎ公労使共同会議」等での協議を行いながら、県内企業が継続的に賃上げできる環境整備に取り組みますとともに、産業労働観光部を中心に、中小企業の経営の効率化や価格転嫁がしっかりできるように支援をしてまいりたいと思います。
記者:最初の代表質問とも重なるのですが、知事、任期5期目では最後の予算編成となりますが、今後、知事の任期以降も知識した予算編成だったのでしょうか。その辺、先ほどの代表質問では余りお答えがなかったようなので、最後の予算編成というところを意識して、今回の予算を御説明していただければと思います。
知事:どなたが知事であっても、令和6年度の予算を実行していくことで、栃木の将来は、先ほど申し上げました「こどもの笑顔 と とちぎの魅力」がフル加速される予算だということですので、事業を実施できれば、成果を上げることができれば、このタイトルどおりになると思います。
記者:ありがとうございました。
記者:1点、今回の予算配分に関するお考えについて質問いたします。
今回の全体予算の中で、各重点プロジェクトの配分ですが、G7大臣会合・日光声明関連予算については、10億7,516万円という全体の予算規模観が明記されていると思いますが、ほかの例えば少子化対策だったり、経済のグローバル展開による地域経済の活性化、DX・カーボンニュートラルの取り組みについては、今回特に規模に関する数字はなかったと思います。
なので、全体の中で各プロジェクトがどう数字上配分されているのかというのが少し見えづらかったので、知事として今回どのように各プロジェクトに予算配分したのか。予算配分の割合の数字はないですが、どのように今回配分したのかお聞かせいただけますか。
知事:全体予算の中で何割を各プロジェクトごとに占めるのかという予算編成の在り方もあるかもしれませんが、G7大臣会合関連予算10億7,500万円につきましても、あるいはDXにしてもカーボンニュートラルにしても、これまでやってきた事業、そしてスクラップ・アンド・ビルドで新年度やらなければならないもの、緊急性の高いもの、それらについて十分各部局で練り上げたものを、私と副知事で目を通しながら予算化を認めて事業を認める。こういうやり方として結果として積み上がったものが今回の予算編成になるという予算編成の仕方をしておりますので、プロジェクトごとの施策・事業については、必要なものについて全て盛り込まれていると認識しております。
その額が総額で幾らか、それが全体に占める割合が何%かについては、結果でしかないと思っていますので、お尋ねの件につきましては、財政課の方で、おのおのの事業ごとの全体に占める割合については確認してもらいたいと思います。
記者:分かりました。ありがとうございました。
記者:今年の元旦に起きた能登半島地震の関係で、避難所のトイレとか、さまざまな防災対策の課題が見えてきたと思うのですが、能登半島地震で見えてきた課題を踏まえて、新年度予算に何か盛り込んだ事業といったものはあるのでしょうか。
知事:まず、「地震防災対策特別措置法」という法律に基づいて、「栃木県地震減災行動計画」というものを定めています。この栃木県地震減災行動計画につきましては、今つくっているのは平成27年から令和6年度が計画期間になっていまして、3年ごとの計画見直しをすることになっています。
そこで、25年の時点で東日本大震災の際の被害状況を拾って、必要な火災警報器の設置とか、消防ポンプ車の整備とか、耐震化率とか、家具の転倒防止とかということを定めております。
令和6年度が3年ごとの見直しの時期になりますから、能登半島地震を受けて、この栃木県地震減災行動計画をどのように見直すかは、速やかに令和6年度に対応することになると思います。
記者:分かりました。ありがとうございます。
記者:御説明ありがとうございました。
新年度予算案で、男性育休がかなり推進されているかと思いますが、全国の自治体を見ますと、男性の3人に1人が「取るだけ育休」となっている実態があります。「縁結びムーブメント創出事業」では、未婚男性を対象にした家事力アップ事業がありますが、合計特殊出生率や有配偶出生率を上げていくためには、既婚男性の家事力アップが求められてくると思います。その点「とも家事」を推進されていると思いますが、先ほど知事の御発言でも「できることは全てやる」と。あと、男女共同参画については、G7会合開催地として栃木県がリードするという御発言がありました。
それを踏まえて、男性の家事時間をどこまで延ばすことが目標なのか、最低でも全国平均を上回ることが目標なのか、そのあたりの展望をお聞かせください。
知事:時間の目標設定はしていませんので、11月22日の「とも家事の日」を見据えながら、既婚男性の家事の在り方について、栃木県として現状の把握と今後理想とする姿を見出して、とも家事の日までには、具体的に行政としてどういう事業を行い、既婚男性の家事時間を増やすヒントとなるようなものをまとめられればと思います。
しかし、栃木県男性の家事・育児の時間が少ないということで、共通認識が県民の間に図られれば、各家庭において男性が何をすべきかというのはちょっとは考えてくれるんじゃないか。我々は実践していると思っていますので、私を含めて。県民の皆さんも、啓発活動をすることによって能動的になってくるのではないかと思いますので、目安みたいなものは提供するにしても、各家庭で男性に頑張ってもらえるように、啓発活動も併せてしっかり4月からやっていきたいと思います。
記者:ありがとうございました。
お問い合わせ
広報課 報道・放送担当
〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館3階
電話番号:028-623-2164
ファックス番号:028-623-2160