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更新日:2023年11月30日

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令和5(2023)年11月28日(第12回知事定例記者会見)

この資料は、県政記者クラブとの会見内容を広報課でまとめたものです。

日時:令和5(2023)年11月28日(火曜日)午後1時30分から
場所:県庁記者会見室

(報告事項)
1.ベトナム・シンガポールにおけるとちぎの魅力発信事業の結果について
2.県庁男性職員の育休取得促進について

(その他)
1.栃木県民牛乳消費拡大月間「とちぎ☆冬ミルク」の取組について

(質疑事項)
1.ベトナム・シンガポールにおけるとちぎの魅力発信事業の結果について(その1)
2.日光キスゲ平の観光客マナー問題について
3.高病原性鳥インフルエンザ対策について
4.県庁男性職員の育休取得促進について(その1)
5.指定管理者の公募中止・再公募について(その1)
6.県庁男性職員の育休取得促進について(その2)
7.指定管理者の公募中止・再公募について(その2)
8.ベトナム・シンガポールにおけるとちぎの魅力発信事業の結果について(その2)
9.県庁男性職員の育休取得促進について(その3)

モニター用データ(PDF:1,170KB)

(報告事項)

1.ベトナム・シンガポールにおけるとちぎの魅力発信事業の結果について

 ベトナム・シンガポールにおけるとちぎの魅力発信事業の結果についてから申し上げます。
 11月16日から21日まで、県議会から佐藤議長、木村議員、池田議員、さらには関係団体、企業の方々などにも同行いただきまして、ベトナム及びシンガポールを訪問してまいりました。
 シンガポールでは、現地バイヤー等に対する県産農産物や日本酒の輸出促進に向けたPRのほか、先進的な企業支援機関の視察などを行いました。
 また、ベトナムでは、ビンフック省の投資環境調査や高度外国人材の確保及びグローバル人材の育成に向けた現地大学との意見交換に加え、クアン副首相やフォン国会副議長との会談、さらには県内企業のベトナム全域における経済活動を支援するための計画投資省と覚書の締結などを行いました。
 さらに、両国におきまして、現地政府や公的機関、民間企業等の要人を招待して本県観光地や県産農産物の魅力・実力を広く発信し、現地要人とのさらなる関係構築・強化を図るレセプションを開催するなど、多くの方々と交流を深めてまいりました。
 事業全体としては、政府要人等との会談の様子が現地マスコミにも取り上げられるなど、現地における本県のさらなる認知度向上につながったものと考えております。
 また、今回面会しました現地政府や公的機関、民間企業等の要人からの意見を踏まえ、県内企業の海外展開に資する施策を今後検討してまいりたいと思います。
 なお、今晩、都内において開催されます「日越外交樹立50周年式典」にお招きいただいていることから、ボー・バン・トゥオン国家主席に面会し、訪越のお礼とともに本県のPRなども行ってまいりたいと思います。
 今般のトップセールスの成果を一過性のものとすることのないよう、引き続き、関係団体などと連携しながら、企業の海外展開支援やインバウンド誘客、さらには高度外国人材の確保やグローバル人材の育成などに取組、「世界から選ばれるとちぎ」づくりを推進してまいります。

2.県庁男性職員の育休取得促進について

 県庁男性職員の育休取得促進についてでございます。
 県庁男性職員の育休取得促進に向けた取組方針について報告します。
 初めに、育休取得率の目標につきましては、令和6年度から100%を目指すこととし、育休等の取得に係る推奨期間につきましては、「育休を含む1カ月以上の休暇・休業」といたしました。
 なお、この1カ月以上はあくまでも推奨期間でありまして、職員の意向で短い期間となることはやむを得ないものと考えており、まずは「育休取得は当たり前」となる機運醸成につなげてまいりたいと思います。
 次に、具体的な取組でありますが、子育て支援制度の周知徹底や研修の拡充により、職員の不安軽減や取得意識の向上を図るとともに、所属長と職員による面談などを踏まえ、計画的な取得を促進するほか、所属長が積極的に業務分担の見直しなどの調整を行うことで、育休をとりやすい環境づくりを推進してまいります。
 引き続き、男女が共に仕事・育児・家事で活躍し、個々が想い描く理想のとも働き・とも育ての実現に向けて、まずは県庁が率先垂範して男性の育休の取得促進に取り組んでまいります。

(その他)

1.栃木県民牛乳消費拡大月間「とちぎ☆冬ミルク」の取組について

 栃木県民牛乳消費拡大月間「とちぎ☆冬ミルク」の取組についてでございます。
 本県産牛乳の消費拡大に向けまして、県では、消費が落ち込む8月と12月を「栃木県民牛乳消費拡大月間」に制定しております。
 この12月は、初めての「とちぎ☆冬ミルク」月間となります。宇都宮BREXと連携したPRを行います。具体的には、マスコットキャラクターでありますブレッキーを広告塔としたJR宇都宮駅発の路線バスラッピングや、JR宇都宮駅やLRT停留所などのデジタルサイネージへの掲出のほか、アンバサダーであります高島紳司選手によるSNSでの情報発信などを行って、多くの県民の方々へ月間の周知と県産牛乳の消費拡大を図ってまいります。
 また、机上にチラシを配布しておりますが、県産牛乳を規定量購入した方に抽選で商品が当たる「とちぎ☆冬ミルク」プレゼントキャンペーンを実施いたしますので、ぜひ、おいしく新鮮な県産牛乳を飲んでいただきたいと思います

(質疑事項)

1.ベトナム・シンガポールにおけるとちぎの魅力発信事業の結果について(その1)

記者:今回のシンガポール・ベトナム訪問についてお尋ねいたします。
 出発前の定例会見では、インバウンドの促進や県産農産品・工業品の販路拡大などを目指す旨、お答えをいただきました。また、現地では、政府要人との面会であるとか、教育機関の視察もされたと伺っています。訪問を終えられた今、知事が前進したと確信なさっている分野、そしてその内容を挙げていただけますでしょうか。
 加えて、県産品につきましては、この両国のどんな地域がどんなものに興味を持ったのかという手応え、お分かりになる範囲でお答えをお願いしたいと思います。

知事:まずベトナムにおきましては、先ほど申し上げましたように、クアン副首相、フォン国会副議長と面会しまして、県産イチゴの輸出実現を含め、今後の経済交流や人材交流に向けた協力を依頼いたしました。
 副首相からは、昨年、首相府でチン首相とお会いした際に、日本のイチゴをベトナムで輸入することについては前向きな発言をいただきました。その上で今年は副首相から、さらにわれわれも努力するといった趣旨の御発言がありました。
 併せて、日本で食べているライチがベトナムの5倍の値段だと。このライチはベトナムも主生産国になっておりまして、日本はライチを輸入して欲しい、こんな具体的な提案がありました。政府同士の協議に委ねることになりますけれども、ぜひ検疫条件の合意に至ってほしいと思っております。
 また、県内企業のベトナム全域における経済活動を支援するため、計画投資省との間で覚書を締結しました。今後、栃木県とベトナム企業におきまして活発な投資が相互に促進されるよう、計画投資省と協議を進めてまいります。
 また、現地教育機関の視察先として、今年5月に本県内に関連企業の拠点を設置しましたFPTコーポレーションが出資するFPT大学(幼稚園から大学までグループで15万人)、及び、ベトナム国内でトップレベルを誇りますハノイ工科大学の2大学を訪問しました。高度外国人材の本県への受け入れ促進に向けた意見交換を行ったところでございます。
 今回の訪問を踏まえまして、今後の協力や連携強化などに取り組んでまいりたいと思います。特に留学生の受け入れ・送り出し、さらには県内企業でのインターンシップといったことが課題として挙げられましたので、環境整備を行ってまいりたいと考えております。
 シンガポールにおける魅力発信プロモーションにおきましては、現地バイヤー等に県産農産物や酒、県内観光地の魅力を一体的に発信し、バイヤーからは、とちぎ和牛のおいしさ、ナシの甘さ、酒蔵ごとの特徴など、高い評価を受けたと感じました。現地のニーズも確認できたところでございます。
 特に県産酒につきましては、5つの酒蔵の参加によって現地バイヤーに向け試飲商談会を実施しまして、蔵元自らが日本酒等の試飲やPRを行ったところでございます。参加した輸入会社やレストランの経営者等からは好評が得られまして、今後の販路拡大が期待できる結果となりました。
 ベトナムでは、要人を招いたレセプションにおきまして県産品を提供いたしましたが、ここでも県産食品への関心の高さがうかがえたところでございます。
 両国におけるレセプションの開催やバイヤー訪問、商談会などを通じまして、県産酒やとちぎ和牛、とちぎの星(米)、イチゴ、にっこりといった農産物を関係団体等と連携してPRしてまいりました。質の高さを評価する声をたくさんいただきましたので、今後、現地消費者のニーズがますます高まることを再認識いたしまして、今後の輸出拡大へつなげてまいります。

2.日光キスゲ平の観光客マナー問題について

記者:先日、X(旧Twitter)に知事が投稿されていた内容について2点お伺いしたいと思います。
 今月中旬にツイートされていた内容なのですが、日光の霧降高原のキスゲ平園地というところがあるかと思いますが、ここに来るお客さんが激増している。ここに来る方々のマナーの悪化が問題になっているということで、管理者の方もツイートされていましたが、知事がその際に、「ルールを守れない人は来ないでほしい」というふうなツイートをされていたかと思います。これについて、どういう思いでツイートされたのかというのが1点。
 そして、ここに限らず、コロナ明けによるオーバーツーリズムの問題が、栃木県に限らず全国的に問題になっているかと思います。栃木県というのは観光地の多い場所だと思いますので、いろいろな県内観光地を訪れる方へ向けたメッセージをお願いできればと思います。よろしくお願いします。

知事:栃木県は、申し上げるまでもなく、雄大な自然の美しさ、加えて四季折々の繊細な変化が売りだとかねがね思っております。その大事な観光資源、商品とも言えますけれども、自然が荒らされてしまっていたり、あるいはごみが捨てられてしまっていては、大事な商品に傷がついてしまうわけですし、せっかく自然の美しさあるいは雄大さを求めてきた人に、栃木の良さを実感してもらえない。県民としてはこんな悔しい思いはないと思いまして、キスゲ平園地の方が投稿したものに対しまして、コメントを付けてリポストしたところでございます。
 観光地に通じる道路、河川、あるいは日常生活を営む場所においても、ごみや自然破壊がない社会を私たち栃木県としては築いてまいりたいと思っておりますので、道路に、レジ袋にいっぱいゴミが詰まったものが宇都宮環状線などに捨てられているのを見ますと、大変残念な思いをしております。県民の皆さんには、気がついたらごみを拾ってほしいと思います。そして、観光地も特に大事にしていかなければならない。貴重な観光資源でありますので、みんなで守り伝えていけるよう、県を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 オーバーツーリズムにつきましては、全国的な問題になっていますけれども、持続可能な観光地づくりの観点から、自然や文化といった地域資源を守りながら、観光への活用を図っていくことが重要だと思います。
 観光客の皆様方にも、そういった意識を持って、ルールを守って栃木県の観光地を楽しんでもらいたいと思います。

3.高病原性鳥インフルエンザ対策について

記者:茨城県の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されました。これを受けた県の対応を教えてください。

知事:今シーズンに入りまして、佐賀県及び茨城県の養鶏場で発生が確認されました。野鳥からも、これまでに6道県25件で検出されているようです。
 栃木県でも発生リスクは高い状況であると考えておりまして、高病原性鳥インフルエンザ発生予防のために、家きん飼養者に対しまして、飼養衛生管理基準の遵守徹底による農場へのウイルス侵入防止を継続して指導しているところでございます。
 また、農場からおおむね1km以内にあるため池などにつきましては、管理者の協力を得まして、水抜きや水位を下げる水位低下などによって、野鳥の飛来防止の取組を今シーズンも進めております。
 引き続き、緊張感を持って発生防止対策に取り組んでまいります。

4.県庁男性職員の育休取得促進について(その1)

記者:男性育休の部分で2つ質問があります。
 取得に向けて環境づくりの推進を挙げていらっしゃって、育休における人員配置を進めていくということが挙げられているのですが、代替職員の配置など具体的な取組が決まっていれば教えてください。
 もう1点ありまして、先月10月、県は労働局、経済団体と、男性の育休取得に向けた共同宣言を出されていますが、今回、県庁で100%取得を目指されるということですので、先頭に立ってどういった役割を担っていかれるのかを改めて教えてください。

知事:代替職員等の配置については、人事課と所属との調整により、必要な補充を行ってまいりたいと思います。
 共同宣言への取組につきましては、10月の署名式でもあったと思いますが、中小・小規模事業所で従業員が数名しかいないところで、1カ月以上も休まれるというのは、現実の問題として大変厳しいと。我々は代替職員でそれをカバーすることができますけれども、中小・小規模事業所にそれを求めることは酷な場合もあると思っております。ですので、全てが共同宣言に基づいて育休が取得できる環境にあるとは捉えておりませんが、社会全体として大きな流れをつくっていかなければならないと考えておりますので、できるところから取り組む。頑張れば取り組めるところにつきましては、9月の補正予算で、通算5日以上初めて男性社員が育休を取得した企業に10万円の奨励金を支給する事業をスタートさせたところでございます。こういった取組も併せて行いながら、全体的な取得環境の整備に向けて底上げをしていければと考えています。

5.指定管理者の公募中止・再公募について(その1)

記者:栃木県と県教育委員会が2020年と2021年に行ったライフル射撃場と防災館の指定管理の件で、応募資格がなかった企業が選ばれていた問題についてお伺いしたいと思います。
 この選ばれた企業というのは、応募資格の消極的要件に該当しないという宣誓書も出していて、それも確認しているのですが、この企業と県側が結んだ協定書を見ると、公募に際して虚偽の記載をした場合はこの指定を取り消すというような規定もあります。またその下に、応募資格を失った場合は必要な指示を行った上で指定を取り消すことができると書いてあります。それ以外に応募資格がないということが分かっても特段何も対応しないというのが県の今の対応だと思うのですが、なぜこんな対応をしているのでしょうか。先ほど知事、ルールは守ってという話がありましたが、恐らくこれは明確なルール違反ではないのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

知事:指定管理者の選定につきましては、県のガイドラインと総務省通知に齟齬があって、本来、総務省通知に県のガイドラインを合わせるべきところを怠ってしまって、御指摘のような事態が発生してしまったという背景があります。
 指定管理の選定に当たりましては、外部委員等による選定委員会の審査を経て、より適切な候補者が決定されていると思っています。
 今回の、選定委員会に諮る前の、事務局であります施設所管課の形式審査において、公募要領に定める応募資格の確認が不十分だった。結果として、応募資格を満たさない事業者が選定されていたことについては、大いに反省すべき点だと思っております。
 その時点におきまして、来年度以降の指定管理の募集を一切停止して、再度、ガイドラインを総務省通知に合わせた上で公募を開始するということで、今、作業が進められております。
 つきましては、指定管理者が公募を受けて申請した時点ではガイドライン違反ということになっておりました。しかし、国の通知は、それは問題ないという状況にあったわけです。全体的な状況を勘案しながら、そこで取消をし新たに出直すという判断よりも、指定管理者の指定期間を満了することで県民サービスの維持を図るという判断を、私としてはいたしました。

副知事:該当する施設が2施設ということで、先ほどお話があったとおりですけれども、取り消した場合、県民サービスへの影響がございます。それから、業務につきましては、当該行政委員の職務権限との関係性も確認したところないということ、指定管理を現在まで適切に行われているということ、それから総務省通知のとおり指定管理の指定時点では、自治法上は指定を受けることが可能であったこと等を総合的に判断しました。
 協定書にはありますけれども、指定管理業務を行わせておくことが社会通念上著しく不適当と言えないということもありますので、指定管理業務につきましては継続させるとしたところでございます。

記者:総務省通知を根底にされていると思うのですが、あの通知はあくまでも参考みたいな形で、あの通知を受けた上で、同じように兼業禁止規定を引き続き設けている自治体もたくさんあります。なので、あれを根拠にするにしては、協定書と比べると弱いのではないかと思います。その上で総合的に判断したということだと思うのですが、総合的に判断したのは誰が判断したのでしょうか。また、その判断は何に基づいてやったのでしょうか。教えてください。

知事:全国で31の県が総務省通知に則った対応をしているということで、ガイドラインを見直すことにしました。
 今回の指定管理2件については、労働委員に役員が就任されていたことを見過ごしてしまったというところが大きな誤りなのですが、しかし、今副知事から話がありましたように、労働委員の立場で何か県民益を害するようなことがあったかというと、ない。さらに、仕事もしっかりやってくれている。ここで取消して出直すことにより一旦県民サービスが低下することと、継続してサービスに努めていくことと、指定管理者をどう扱うかということを全体的に考えた上で、現状のまま続行すると判断をしました。

記者:知事が判断されたということでよろしいでしょうか。

知事:そうです。

記者:分かりました。その上でお伺いするのですが、今回、併せてガイドラインの改定は、総務省通知が来たという形でいわゆる兼業禁止規定を削除されていますけれども、なぜこの削除をしたのか。残しているところもあるという話でしたけれども、今後を考えると、例えば有力な議員さんが役員や社長を務めている企業とかが指定管理者になった場合、例えばそこが不適切な管理をしても、議員さんの顔色をうがってなかなか適切な指導ができないといったおそれがあるかと思います。そういったことに今後影響してくるように、なぜこれを削除したのかというところがあります。
 昨年来、スポーツ協会がカンセキスタジアムの芝管理のプロポーザルで、やはり不透明で公正ではない選定が行われたというところでマニュアルの改定などをしていて、ある意味、それと今回の指定の削除は逆行する話ではないのかと思うのですが、なぜそういった対応をされたのか、改めて教えてほしいと思います。

知事:全体的に捉えたとしても、議員や私がトップになっているところが指定管理になる。国はその辺を見越して、知事や政治家がトップになっていたとしても、それは指定管理の申請基準から排除するものではないという方針を出したということは、妥当な話だと私は思いますけれども。その上で、申請に際して厳格な審査をしていくということが私たちの仕事ではないかと思います。

記者:今回、2020年、2021年はそういった厳格な審査が全くできていなかったということだと思うのですが。そういったこともあって、総合的に判断して今回の対応に至ったということだと思いますが。その判断で今回登場している企業さんというのは、芝管理の件でも登場している企業さんでもあって、その際弊社の取材では、議員さんが当時の所管課に対して圧力をかけたというような報道もあります。そういった中で、私なんかは、この企業に迷惑をかけられないというか、この企業を選ばざるを得ないという流れというか忖度というか、そういったものが働いたんじゃないかと考えてしまうのですが、そういったことは全くないでしょうか。

知事:ないと思います。
 そもそもグリーンスタジアムをその企業が指定管理で受けたときに、芝の管理ができない業者が何でとるんだという意見が私のところにありました。その際に、芝の管理だけではなくて、施設全体の安全管理も含めて行っていかなければならないのが指定管理業務であって、ついては芝管理は一部であると。その仕組みを知って、芝管理が専門ではない会社に委託するいうことについては理解を示してくれたと思っております。
 今の制度上の問題として、指定管理制度という問題については、どこがトップになっていくのか、どういう企業がコンソーシアム(企業体)を組むのか、そちらが重要なことであって、たまたまそれが県内経済界を代表する企業であったとかなかったとか、それは結果論ではないかと私は思います。

記者:分かりました。
 最後に、資格がなかった企業が選定されたということを県側が把握したのはいつなのでしょうか。

副知事:今回の指定管理業務を当初、公募したときがありましたが、その時点で資格等々を確認する中でということですので、多分9月末あたりと報告は受けておりますけれども。

記者:ありがとうございます。

6.県庁男性職員の育休取得促進について(その2)

記者:県庁の男性職員の育休取得促進についてお伺いします。
 取得推奨期間を1カ月とした根拠についてお伺いしたいと思います。他県、例えば山梨県ですと、男性職員の育休取得期間を最低3カ月とする制度を夏から導入しています。山梨県も来年度、取得率100%を目指しているということです。
 栃木県としては、緊急プロジェクトと銘打つ対策として、先ほど知事がおっしゃったように、本人の意向で短くなる可能性もやむを得ないという御発言もありましたけれども、栃木県が取得推奨期間を1カ月以上とするのは若干インパクトに欠けるのではないかという印象を受けるのですが、そのあたりの所見をお聞かせください。

知事:推奨期間につきましては、現行の「栃木県子育て応援・女性活躍推進行動計画~県庁燦燦(さんさん)プラン~」において、育児に伴う休暇・休業の合計1カ月以上の取得を推奨しています。
 育休は、男性職員が育児や家事に向き合う重要な機会で、いわゆる「とるだけ育休」にならないように、一定期間取得することが望ましい一方、職員の意向などで短い期間となることはやむを得ないと考えられることから、現行の「燦燦(さんさん)プラン」に沿った「育休を含む1カ月以上の休暇・休業」を設定したところでございます。
 茨城も休暇・休業1カ月以上、群馬も同様、埼玉は2週間以上の育休を含む1カ月以上の休暇・休業。隣接県はそのような状況になっております。
 また、本日の庁議の場では、職員が「私は5日でいいです」と言ってきたときには、所属長はよくよく考えて期間を最大限延長できるようにする努力をしっかりやっていく。必要な手当ては人事課に求めることも含めてできるはず。そういうことを指示しましたので、短期間でという職員が出てきたとしても、1日でも2日でも多くとってもらうという環境を、ぜひ県庁全体としてはつくっていきたいと思います。

記者:来年度、取得率100%を達成した場合、育休取得期間を延長して山梨県のように最低3カ月にするとか、そういった構想はあるのでしょうか。

知事:今はありません。まずは来年度1年間の状況を把握した上で、1カ月以上を延ばすということは十分あり得ると思っています。
 現在の栃木県の男性育休取得率は40.6%ですが、平均取得日数は53.2日ですから、30日をはるかに超えています。これらを考えれば、まずは100%を目指すけれども、その先は取得日数を延ばす。次の段階に移行していくということは当然だと思います。

記者:ありがとうございました。

7.指定管理者の公募中止・再公募について(その2)

記者:すみません、さっき聞き漏らしてしまったことがありまして。
 今回、資格がなかったという状態に9月末ぐらいに気づいたということだったと思うのですが、協定によれば、応募資格をその後失った場合は、この管理者に対して必要な指導を行うというようなことがあります。これが分かった時点で、この企業さん側に何か指導といったことはされたのでしょうか。
 例えば役員の1人が労働委員を務めていますけれども、それを辞めてもらうとか退いてもらうといったことをすれば、こういった労力とかお金をまた改めてかけて、公募を全てやり直すということもなかったんじゃないかと思うのですが、そういった対応はされたのでしょうか。

副知事:その時点で、ほかの団体も含めて調査をしたところ、2つの施設が確認されました。当該管理業務と行政委員との職務権限を当然我々の段階で考えたときに、適切に行われているということと、関連性がないということがありました。それから、総務省の通知でも、指定時点当時から指定を受けることが可能であったということもありましたので、そういった点を考えて、協定書に基づいて指定管理業務を行わせておくことが社会通念上著しく不適当とは言えないと判断したところでございます。

記者:企業さん側には、対応とか働きかけとか、そういった指導は何もしていないということですか。

副知事:特段そういうことはしていません。

記者:分かりました。ありがとうございます。

8.ベトナム・シンガポールにおけるとちぎの魅力発信事業の結果について(その2)

記者:ベトナム・シンガポールの件で伺いたいと思います。
 現地でもかなりお忙しく過ごされたと思います。知事は帰国されてからもほぼ休みなく公務を続けていらっしゃると思いますが、体調面はいかがでしょうか。喉もちょっとお辛そうな様子とお見受けしますが。

知事:出掛ける1日前に風邪を引きまして。私の風邪は、発熱なし、咳が少々、喉にくるという風邪でして。喉はしゃべらなければ治るのでしょうけれども、話をしないと商売にならないものですから、シンガポール・ベトナムでもしゃべりっぱなしでしたので、いつになっても喉が回復しないという状態ですが、きょう1日だと思います。明日からは全快です、大丈夫です。

記者:良かったです。
 その状況でまた質問してしまって恐縮なのですが、知事からは、先ほど御説明の中で、昨年、ベトナムのチン首相からイチゴの輸出実現に前向きな発言をもらったとありました。今年、副首相からはさらに努力するとの発言があったということでした。言葉尻としてはまあ前向きなんだろうけれども、なかなか前進が見られないのかなと。検疫条件の点などでなかなか輸出の実現は難しいのかなとも受け取れると思うのですが、その辺知事としてはどういった御所感をお持ちでしょうか。

知事:検疫条件を設定することで輸出がかなうことになるのですが、われわれが直接検疫条件設定について協議できるわけではないので、政府間同士の協議ということになります。日本政府からベトナム政府に、イチゴの輸入となると、先ほど話しましたように、ベトナムからのライチの輸入の話が出てくる可能性が高い。それらに日本政府としてはどのように対応していくのかということをまとめた上で、受け入れ側のベトナム側は、イチゴについてはいい、いつでも協議に乗るという状態になっていると思っておりますので、日本政府の対応だと考えています。
 日本政府としては、農林水産物・食品の輸出は2030年までに5兆円でしたか、そういう目標を掲げていますけれども、イチゴは稼ぎ頭ではないんですよね。和牛などに比べたら金額がはるかに安いわけですから。ということで、貿易額を高めていくためには単価の高いものから順番にやる、こういうことなんだと私は理解しています。
 が、そろそろこの件についても決着をつけてもらうタイミングじゃないかと思っておりますので、県選出国会議員、さらには農水省などにも、折に触れてこの問題を積極的に訴えていきたいと思います。あと1,2年後には、何とか輸出の窓口を開けてもらえたらいいなと思っています。

記者:ありがとうございます。
 もう1点なんですが、本日の夜には、都内で日越の50周年式典に知事はお招きを受けて出席される、国家主席とも面会されるということでしたが、改めて、ベトナムとの現在の関係性について知事はどのように見ていらっしゃって、今後どのように進展させていきたいか、その辺のお考えを伺えればと思います。

知事:非常に国民性が似ているのが日本とベトナムだと思います。それは、誠実であり、手先も器用であり、そして仏教文化も共有していると思いますので、ベトナムについてはこれからもいい関係を築いていく必要があると思っております。
 きょうの国家主席につきましては、副首相にはお会いしていますけれども、主席は初めてお会いすることになります。イチゴの輸入に前向きな発言をしてくれた副首相も一緒においでになるものですから、お2人には栃木のイチゴを持っていって、日本で食べてもらって良さを実感してもらい、輸出の窓口を開けるそのきっかけになればと考えています。

記者:ありがとうございます。お大事にしてください。

9.県庁男性職員の育休取得促進について(その3)

記者:県庁の男性職員の育休取得のことで、追加で1点お尋ねしたいのですが。
 育休取得の推奨期間1カ月以上ということで設定があるようで、この取得に当たっての1カ月以上というのは累計ということなのか。何回かに分けて取得することについて、上限とか設定回数みたいなものはお考えとしてあるのでしょうか。

副知事:一緒にお子さんの面倒を見てもらうのに一定の期間は必要だと思っています。
 育児休業は、出生の日から子が3歳に達する日までに原則2回取得できます。
 それとは別に、子の出生後8週間以内に「産後パパ育休」として原則2回取得できます。

記者:つまり、今、育児休業は、分割して取得することが可能になってきているという制度変更が起きておりまして、累計で取得日数を計算することができるのであれば、かなり柔軟に取得することも可能なのではないかと考えられます。例えばお母さんが仕事をする期間、お父さんが仕事をする期間と、交互に入れ替えることも不可能ではないというのが実情としてあるかと思います。そうなると、計算については、基本的には累計計算ではなくて1回で1カ月以上となるのでしょうか。

副知事:推奨としては、育児に伴う休暇それから休業、合わせて1カ月以上できればお願いしたいということです。
 各職場のほうでもいろいろな形でフォローアップとかバックアップしますので、一定期間とっていただければそれなりにしっかりとした対応もできるのではないかと思っています。できれば1カ月以上の休業とか休暇をとっていただければありがたいということですね。

記者:分かりました。ありがとうございます。

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