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更新日:2024年4月15日

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第7章 PTAの組織

第7章  PTAの組織

   PTAの組織は、どのようなものでしょうか。また、組織作りの上で大切なのは、どんなことでしょうか。

1  運営のための組織
(1)   PTAの組織は、運営のための組織と活動のための組織に分けることができます。このうち、運営のための組織は、議決機関と執行機関に、活動のための組織は、学習活動のための組織と実践活動のための組織に分けることができます。







(2)   1967(昭和42)年の社会教育審議会報告『父母と先生の会の在り方について』では、「PTAは、会員の総意にもとづき、親と教師が、会員として同等の立場で運営されなければならない。したがって、会の運営や会務の処理等を一部の役員や学校の関係者のみにゆだねることは適切でない」としています。 
    1    PTAの組織は、運営の仕組みと活動の仕組みを一体として捉えることが必要ですが、活動を進めていく上では、議決機関・執行機関・監査機関を三権分立として分け、それぞれの役割分担や責任を明確にすることが、活動を活発化するために重要となります。しかし、実情はそのような関係が判然としない組織や運営がみられます。執行機関であるべき組織が、議決機関の役割を併せ持つようなことは、会員の総意を反映する点からも避けるべきです。 
   2    各単位PTAは、このような基本的な考え方を押さえた上で、それぞれの実態に即した組織を設定することが大切です。
    ・総会 … 全会員をもって構成される最高決議機関です。総会に当たっては、全会員に前もって議題や議案の内容を知らせておき、全会員が積極的な態度で臨めるよう工夫することが大切です。
    ・役員会…会長、副会長、書記、会計をもって構成され、会の運営や会務の処理等を総括する機関です。
    ・運営委員会 … 総会で決定した事業計画や予算を受けて、有機的な活動を展開する執行機関です。具体的には、
           ・総会から委託された事業の執行
           ・各委員会に関する事項の連絡調整
           ・総会に提出する議案の検討・調整  等があげられます。

    それぞれの実態に即した組織編制が望ましいことから、場合によっては役員会が運営委員会の業務を兼ねることもあります。
    ・監査委員 … 会計を監査し、その結果について会長に報告するとともに、総会で直接報告します。さらに、全体的な事柄についても監査の対象とし、PTAの活動が効果的に進むよう助言する立場も求められます。

(3)   会員の一人ひとりが、PTA規約に照らし合わせて組織や運営の成り行きを見極め、自らの役割を果たすためには、PTA規約について十分理解していることが必要です。また、規約については現状に合っているかどうか検討し、必要があれば改正の手続きに従って改めることが大切です。

2    学級・学年・地区PTAの活動

(1)学級PTA
    1      学級PTAは、子どもと最も直接に結びついた単位体であり、親同士、親と教師の関係が密接なことから、PTA活動の基盤となります。 
    2      学級PTAの活動には、以下のようなものがあります。
    (ア) 学級や子どものことを話し合い、問題を整理し、改善のため活動する。
    (イ) 会員のかかえる問題や意見、要望等を吸い上げ、各委員会等を通してPTAの全体活動に反映させる。
    (ウ) PTA全体の動きや現在の課題等を会員に知らせ、会員の意識を高め、協力し合える体制を作る。
    (エ) よりよい父母、教師となるために学び合う。 
    3     また、学級委員としての仕事には、以下のようなものがあります。
    (ア) 学級集会を開き、会員の意見や要望等をまとめる。
    (イ) 学級集会で問題となったことを解決するため、話し合いや勉強会等の場を設ける。
    (ウ) PTA活動の動きや各委員会の活動等を会員に知らせ、意見や要望を聞く。
    (エ) 学級から出された意見や要望等で、必要なものを各委員会や運営委員会等に提案する。
    (オ) 学級の広報活動、欠席者への連絡、資料の作成、会計事務、学級担任との連絡・調整等を行う。

(2)    学年PTA
    1    学年PTAは、一人ひとりの会員の要望を集約して、学年単位で活動します。とくに、学級PTAだけでは解決しにくい学年共通の問題、学級だけでは効率が低くなる活動に視点を当てます。 
    2    活動内容として、以下のようなものがあります。
    (ア) 会員のかかえる問題や要望に即したもの
        ・アンケート等により浮かび上がったもの、学級PTAで取り上げられたもの等
        ・進路に関する研修、視察等
    (イ) 会員の意識を高め、意欲をかきたてるもの
        ・学年の学習、研修会、広報紙等
    (ウ) 地域の実情や課題にかなったもの
    (エ) 全会員が、なんらかの形で関与できるもの
        ・学年集会(企画する場合は、学校側と連絡調整を取る。)
        ・学年レクリエーション等
    3   学年委員長、学年委員の仕事には、以下のようなものがあります。
    (ア) 学年としての問題点をまとめ、解決を図る。
    (イ) 学級PTA間の連絡調整をする。
    (ウ) 学級PTAと学校PTAとの連絡調整をする。
    (エ) 学年PTAとしての事業の企画運営に当たる。

(3)地区PTA(PTA支部会) 
    1    PTA会員は、家庭生活の充実を通して家庭の教育力を維持発展させるとともに、地域社会に生活する住民として、地域の教育力の回復に努めること等、家庭・学校・地域社会の三者連携の核の位置にあります。
    この意味で、地区PTAは、単に児童生徒の問題行動に対処するためばかりでなく、地域社会におけるさまざまな問題の解決をめざすことにより、社会連帯感を醸成し、児童生徒の健全育成にふさわしい地域づくりの役割が期待されています。 
    2   具体的な活動内容については、「地域活動」の項をご覧ください。 
    3   地区(支部)長の仕事には、以下のようなものがあります。
    (ア) 地区集会、地区の事業の企画・運営
    (イ) 地域の関係団体・機関(子ども会、子ども会育成会、自治会等)との連絡調整
    (ウ) 専門委員会、学校との連絡調整 
 

3    専門部委員会の活動
    専門委員会(専門部、常置委員会)の種類や名称、活動内容は、各PTAの構成や地域の実態、その年度の活動方針などによって異なります。ここでは、一般的な参考例を挙げてみます。

名称 主な活動内容
総務企画委員会 1    総会・理事会の企画や運営
2    各部の活動の連絡調整
3    収支予算の編成
4    他団体との連携
5    その他庶務的事項
研修委員会
(文化部)
(成人教育委員会)
1    会員の研修活動の企画・実施
2    地域における教育懇談会の開催
3    クラブ・サークル活動の育成・援助
校外指導委員会 1    地域における環境整備等の活動
2    青少年団体との連携・協力
3    交通安全・危険防止などの活動
4    地域における生活指導
保健厚生委員会 1    青少年の健康管理・保健・体力づくり
2    青少年の福祉厚生活動
3    会員のスポーツ・レクリエーション活動
4    学校給食に関すること
5    家庭の食生活の向上
広報調査委員会 1    資料の収集及び作成
2    速報・広報紙の編集・発行
3    調査の計画・実施
4    地域社会、関係機関・団体への広報
渉外連絡委員会 1    他団体・機関との連携・協力
2    地域の人々のPTAへの協力促進


4    特別委員会
    一時的に必要な活動や既設の委員会では対応しえない問題等に対処するために設ける委員会です。そのめざす活動が終われば、解散します。以下はほんの一例です。単位PTAの当面する問題、地域的特性、状況等により設置を考慮することが大切です。

名称 主な活動内容
選挙管理委員会 役員の選出等に関わる活動
いじめ対策委員会 1    いじめに関する学習会の企画運営
2    他機関・団体と連携した対応策の協議・活動
環境浄化委員会 青少年に悪影響を及ぼす店、看板、広告等の排除等の活動
地域安全委員会 地域における子どもの安全対策に関する活動

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