住宅瑕疵担保履行法について(建設業者向け)
1.住宅瑕疵担保履行法の概要
新築住宅の建設工事を請け負う「建設業者(建設業の許可を受けた方)」は、住宅瑕疵担保履行法により、平成21年10月1日以降に新築住宅を引き渡す場合、資力確保措置 (「住宅瑕疵担保責任保険への加入」または「住宅瑕疵担保保証金の供託」)が必要となります。
ただし、宅地建物取引業者が発注者となり、建設業者から新築住宅の引き渡しを受ける場合、建設業者には資力確保措置の義務はありません。
住宅瑕疵担保履行法の一部改正により、令和3年から9月30日の基準日が廃止となり、基準日届出が年1回(3月31日)に変更となります。(改正に関するリーフレット(PDF:163KB))
2.資力確保措置が義務付けられる建設業者とは
建設業法の許可を受けた建設業者のうち、新築住宅の建設工事を請け負う方に義務付けられます
- 建築工事業・大工工事業の許可を受けた建設業者が、新築住宅の建設工事を請け負う場合が主な対象となります。
- ただし、それ以外の業種の許可を受けた建設業者が、新築住宅の構造上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分を施工する場合も対象となります。
(対象となる例)
- JVや分離発注方式により、とび・土工工事業の許可を受けた建設業者が新築住宅の基礎工事を施工する場合
- 建築工事業または大工工事業の許可を受けず、それ以外の業種の許可を受けた建設業者が、請負金額1,500万円未満の新築住宅工事または延べ床面積150平方メートル未満の新築木造住宅工事を施工する場合
3.適用される住宅の範囲
建築物のうち「新築住宅」が対象となります。
- 「新築住宅」とは、「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く)」をさします。
- 「住宅」とは、「人の居住の用に供する家屋または家屋の部分」をさします。したがって、戸建住宅や分譲マンションはもちろん、賃貸住宅(公営住宅、社宅等も含む)も対象となります。一方、事務所、倉庫、物置、車庫は、「住宅」ではないため、対象となりません。また、一時使用目的の住宅(仮設住宅等)も対象外です。
- 「家屋の部分」とは、「人の居住の用に供する家屋の部分との共用に供する部分を含む」こととされており、例えば、事務所と住居などが混在した併用住宅についても、住居部分のみならず、併用住宅全体の共用部分(壁や柱などの躯体部分)も「住宅」に該当することとなります。
4.住宅瑕疵担保責任保険とは
新築住宅の建設工事を請け負う建設業者が、国土交通大臣の指定する保険法人との間で保険契約を締結するものです。
保険に加入する場合、工事中の現場検査が必要となるため、建設工事着工前に保険法人への申込みが必要です。
5.住宅瑕疵担保保証金の供託とは
基準日(3月31日)から過去10年間にさかのぼり、引き渡した新築住宅の戸数に応じて法令で定められた算定式により計算した額の保証金を、建設業者が法務局等の供託所に預けておくものです。
※令和3(2021)年から、9月30日の基準日は廃止となるほか、供託の時期についても、従来は基準日までの供託でしたが、基準日から3週間以内に供託をすればよいことになります。
6.発注者への説明
発注者に対しては、発注者が取得する新築住宅が「保険」「供託」のいずれにより資力確保措置が行われているかを知らせておく必要があります。
【保険の場合】
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時期
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必要となる対応
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内容
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1
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契約締結時 |
建設業法第19条に基づく書面の交付 |
保険法人の名称
・保険期間
・保険金額
・保険の対象となる瑕疵の範囲 |
2
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保険法人から(保険証券と共に)付保を証明する書面の交付を受けた後、遅滞なく |
住宅瑕疵担保履行法第3条第2項に基づく書面の交付 |
保険証券またはこれに代わる書面 |
【供託の場合】
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時期
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必要になる対応
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内容
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1
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契約締結まで |
住宅瑕疵担保履行法第10条に基づく事前説明(書面交付) |
保証金を供託する旨
・保証金を供託する供託所の名称、その所在地
・共同請負の場合の瑕疵負担割合 |
2
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契約締結時 |
建設業法第19条に基づく書面の交付 |
同上 |
7.許可行政庁への届出
年1回の基準日(3月31日)ごとに、保険や供託の状況について、基準日から3週間以内に、建設業の許可を受けた行政庁への届出が必要になります。
※令和3(2021)年から、9月30日の基準日が廃止となり、基準日が年1回となりました。
なお、令和4(2022)年3月31日の届出から、基準日前1年間に引き渡した新築住宅の戸数が0である事業者は、当該基準日に係る届出手続きにおいては、住宅瑕疵担保責任保険法人から送付される保険契約締結証明書の添付は不要です。
届出時期 |
基準日から3週間以内(4月21日※)
※行政機関の休日にあたるときはその翌日 |
届出先
【主たる営業所の所在地が栃木県の場合】 |
建設業の許可を受けている行政庁
国土交通大臣許可の場合は、国土交通省関東地方整備局
栃木県知事許可の場合は、県土整備部監理課建設業担当 |
届出方法
【栃木県知事許可の場合】 |
郵送
【提出先住所】
〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20
栃木県県土整備部監理課建設業担当
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届出書類
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- 届出書
- 引き渡し物件の一覧表
- 保険法人が発行する保険契約を証する書面【保険の場合】 ※新築住宅の戸数が「0」戸である場合は提出不要
- 供託書の写し【供託の場合】
※令和3(2021)年1月より、届出様式への押印が不要となりました。
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届出部数 |
1部
届出書の控えが必要な場合には、届出書の写しと返信用封筒(必要額の切手を貼付し、あて先を記入したもの)を同封してください。
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8.注意事項
- 資力確保措置を講じていない場合やその状況に関する届出を行わない場合は、監督処分や罰則が適用されることとなります。
- 「供託」を選択した事業者には、供託金が不足したり超過した場合、供託所が変更になった場合に、許可行政庁との間で手続きが必要となります。詳しくは許可行政庁にお問い合わせください。
- 宅地建物取引業者として売買契約により新築住宅の引き渡しを行った場合には、別途、免許行政庁に対して売買契約により引き渡した新築住宅分についての届出が必要になります。詳しくは、栃木県県土整備部住宅課へお問い合わせください。