品種ができるまで
いちご研究所で行われている品種の作り方を簡単に紹介します。
いちごの交配
- いちごの品種は、異なる種類のいちごを交配して作ります。
- 交配は毎年70組み合わせ程度行います。
- 2月から3月に、母親にする花の雄しべを取り除き、父親にする花の花粉をつけ交配します。
- 交配後は袋をかけ他の花粉がつかないようにし、4月に成熟した実から種子を採取します。
- 1果から300~500粒もの種子が採れます。
実生の選抜(1年目)
- 5月に種子を播き、育てます。
- 7月にセルトレイに鉢上げし、9月に1万株を定植します。
- 1月になり実が赤くなると、一株一株、形や味を確かめて、良い株を300種類程度選抜していきます。
- 同じ親同士の組合せから生まれた株でも性質はみな異なり、同じものは一株もありません。
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発芽したいちご |
セルトレイに鉢上げ |
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定植したほ場 |
選抜の様子 |
品種になるまで
- 2年目
1年目に選抜された実生株を、ランナーで4株に増やして特性を調査し、30種類(系統)程度を選抜します。
- 3年目
前年選抜した系統をさらに詳しく調査し、5種類(系統)程度に絞り込みます。
- 4~5年目
試験の規模を大きくし、収量・糖度・酸度・耐病性など、詳細な特性調査を行います。この段階で優れた特性を持つ系統に「いちご栃木○号」という系統番号を付けます。
- 6~7年目
系統番号を付けた種類(系統)の現地試験を行い、総合的に評価します。
- 7年目以降
現地試験の結果、優れた特性が評価されると品種登録を申請します。その後、登録審査を経て、初めて新品種として登録されます。
(2024年8月)