重要なお知らせ
更新日:2013年11月26日
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ハンセン病の患者さんは、今日まで想像を絶する偏見と差別にあいました。
この偏見と差別は、主に社会にハンセン病に対する正しい知識が普及されていないことによるものと言えます。
患者さんや元患者さんたちに対する偏見や差別をなくし、人権が尊重される社会を実現していくためには、私たち一人ひとりがハンセン病を正しく理解することが大切です。
これからハンセン病について、一緒に学びましょう!
Q ハンセン病って、どんな病気なのですか?
A 「らい菌」による感染症です。
ハンセン病は、ノルウェーのハンセン医師が発見した「らい菌」という細菌による感染症です。
「らい菌」は感染力が弱く、非常にうつりにくい病気です。発病には個人の免疫力や衛生状況、栄養事情などが関係しますが、たとえ感染しても発症することはまれです。
現在の日本の衛生状態や医療状況、生活環境を考えると「らい菌」に感染しても、ハンセン病になることはほとんどありません。
平成18(2006)年:1人 平成19(2007)年:1人 平成20(2008)年:3人
平成21(2009)年:0人 平成22(2010)年:0人 平成23(2011)年:2人
平成24(2012)年:0人 平成25(2013)年:1人 平成26(2014)年:1人
平成27(2015)年:1人 平成28(2016)年:0人 平成29(2017)年:1人
Q 感染したら隔離しなければならない病気なんですか?
A その必要はありません。
「らい菌」の病原性は弱く、たとえ感染しても発病することはまれです。
いつも患者と接している国立ハンセン病療養所で働く職員さんでもハンセン病を発病した人は今まで一人も確認されていません。
このことからも、感染力・発病力の弱さは明らかであるといえます。
ですから、隔離する必要もありません。
Q ハンセン病は治る病気なんですか?
A はい、治ります。
プロミンに始まる化学療法によって治るようになりました。
現在では、いくつかの薬剤を組み合わせた多剤併用療法が広く行われ、早期発見と適切な治療で、確実に治ります。
今、療養所で生活しているほとんどの人はもう治っているのです。
Q なぜ偏見や差別が生まれたのですか?
A 人々の間に「怖い病気」として定着してしまったからです。
19世紀後半、ハンセン病はコレラやペストなどと同じような恐ろしい伝染病であると考えられていました。
ハンセン病と診断されると、市町村や療養所の職員、医師らが警察官を伴ってたびたび患者のもとを訪れました。
そのうち近所に知られるようになり、家族も偏見や差別の対象にされることがあったため、患者は自ら療養所に行くより仕方ない状況に追い込まれていったのです。
このような状況のもとで昭和6(1931)年に「らい予防法」が設立し、各県では「無らい県運動」という名のもとに患者を療養所に送り込む施策が行われました。
保健所の職員が患者の自宅を徹底的に消毒し、人里離れた場所に作られた療養所に送られていくという光景が、人々の心の中に「ハンセン病は恐ろしい」というイメージを植え付け、それが偏見や差別を助長していったのです。
Q 解決に向けてどのような取組みがなされたのですか?
A 熊本地裁判決を契機に、国は患者・元患者の方々に謝罪し、名誉回復、社会復帰支援策が採られています。
平成10(1998)年7月、熊本地裁に「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟が提起され、翌年には東京、岡山でも訴訟が提起されました。
平成13(2001)年5月11日、熊本地裁で原告が勝訴、政府は控訴をしませんでした。
これをきっかけに、同年6月には衆参両院で「ハンセン病問題に関する決議」が採択され、新たに補償を行う法律もできました。
国は、患者・元患者さんたちに謝罪をし、平成14(2002)年4月には、療養所退所後の福祉増進を目的として、「国立ハンセン病療養所等退所者給与金事業」を開始し、さらに啓発活動を積極的に行うなど、名誉回復のための対策を進めています。
Q 栃木県では、ハンセン病問題にどのように取り組んでいるのですか?
A 栃木県藤楓協会と連携し、ハンセン病に関する正しい知識の普及と入所者の”里帰り事業”などに取り組んでいます。
県民の皆さん一人ひとりがハンセン病の現状を御理解の上、ハンセン病に対する正しい知識を持ち、これらの方々が安心して社会復帰できるように、あたたかく見守ることが最も大切なことです。
栃木県では、「ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発」、「入所者やその家族への援助」、さらには「入所者の里帰り事業」、「入所者との交流事業」などを、ハンセン病の元患者に対する支援及びハンセン病に関する正しい知識の普及を目的として活動している栃木県藤楓協会と連携して行っています。
関連リンク
・中学生向け「私たちにできること~ハンセン病を知り、差別や偏見をなくそう」
・生徒向け「ハンセン病の向こう側」
・指導用「ハンセン病の向こう側」
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