重要なお知らせ
更新日:2022年5月1日
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ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌による感染症です。県内では、年間約40~50例ほど報告があり、夏に増加する傾向があります。
腸管出血性大腸菌感染症の原因菌は、ベロ毒素(Verotoxin=VT または、Shigatoxin=Stx)を産生する大腸菌です。O抗原による血清型によって分けられ、代表的なものでは、O157、O26、O111などがあります。ヒトを発症させる菌数はわずか50個程度と考えられており、二次感染が起きやすいのも少数の菌で感染が成立するためです。また、この菌は、強い酸抵抗性を示し、胃酸の中でも生残することができます。感染経路は経口感染です。菌に汚染された食品や水などを摂取することにより感染します。ヒトからヒトへの感染は、患者の便や菌のついたものに触れた後、手洗いを十分にしなかった場合などに感染します。
症状は、無症候(※)から重篤な合併症を起こすものまで様々です。多くの場合は、3~5日の潜伏期間をおいて、激しい腹痛をともなう頻回の水様性下痢や、血便をおこします。また、嘔吐や発熱をともなう場合もあります。有症者の6~7%において、下痢などの初発症状発現の数日から2週間以内に、溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome=HUS)または、脳症などの重症な合併症が発症することがあり、HUSを発症した方の致死率は1~5%と報告されています。特に、小児や高齢者では重症化することがありますので、注意が必要です。下痢などの症状がありましたら、速やかに医療機関を受診しましょう。 (※感染はしていても全く症状があらわれないことで、そのような状態の方を無症状病原体保有者といいます。)
・食品調理する場合は、十分に加熱(75℃で1分間以上)し、二次汚染をしないよう取扱いに注意しましょう。
・小児や高齢者は特に加熱不十分な食肉を食べないようにしましょう。
・ヒトからヒトへの二次感染を予防するために、食事前、トイレの後、排泄介助の後などには石けんと流水で十分に手を洗いましょう。流水での手洗いの後にアルコールなどの擦式消毒剤を使用することもお勧めします。
・菌に汚染された可能性のある場所(水洗トイレの取っ手やドアノブなど)は、アルコールなどの消毒薬等を用いて、適切に消毒することが大切です。
腸管出血性大腸菌感染症は、三類感染症に定められており、診断した医師は、直ちに最寄りの保健所に届け出ることが義務付けられています。
家庭内での消毒についての知識を得て、必要な範囲での消毒を行います。また、二次感染予防のために、日常生活での患者さんへの接し方についての知識を得て、正しく実行することが大切です。保健所の職員が指導いたしますので、分からない点がありましたらご相談ください。
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感染症対策課 感染症対策担当
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