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更新日:2024年11月21日
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この資料は、県政記者クラブとの会見内容を広報課でまとめたものです。
日時:令和6(2024)年11月19日(火曜日)午後1時30分から
場所:県庁記者会見室
(話題事項)
1.知事あいさつ
(質疑事項)
1.6期目の抱負について
2.最も優先する政策について
3.今後の県政の課題について
4.国の経済対策への対応について
5.年収の壁(103万円)について(その1)
6.給食費の無償化について
7.年収の壁(103万円)について(その2)
8.知事選挙の投票率について
このたび、多くの県民の皆様から御支持をいただきまして、引き続き県政のかじ取りを担っていくこととなりました。
選挙の期間中、県内各地を訪れまして、県民の皆様と共に創るとちぎの未来への私の思いを訴えてまいりました。
多くの皆様から温かい励ましと御支援をいただく一方で、子育て、教育、医療・福祉、地域経済の活性化などに関しまして、切実な声をたくさん頂戴し、さらには、各地域におけるさまざまな課題について改めて認識したところであります。
県民の皆様や地域の声をしっかりと受け止め、県政運営に反映させながら、政策集でお約束した取り組み、さらには選挙中いただいた宿題の解決も含めて、着実に実行していかなければならないと、その責任の重さをこれまで以上に感じているところであります。
これからの4年間、「未来への投資~共に創る とちぎの明日~」として、県民の皆様にお約束いたしました施策を着実に推進し、「新しいとちぎ」の形を描き、誰もが未来に夢や希望の持てる栃木、豊かさと幸せを実感できる栃木、これらを県民の皆様と共に一丸となって実現していく決意でございます。引き続きよろしくお願いいたします。
記者:今回、県政史上最長を更新される、そして現職としては全国で最長の6期目ということになるわけですが、改めて、6期目を任されるという意味合いでの抱負を伺ってもよろしいでしょうか。
知事:6期目の抱負ですが、知事就任以来、「対話と協調」、「県民中心」、「市町村重視」を基本にして、現場主義を徹底し、県民の皆さんの思いや願いを真摯に伺って、何が今求められているかを見極めて、県民益の最大化を判断の基準にして、スピード感を持って県政運営を推進してまいりました。
6期目のスタートに当たりましても、こうした基本姿勢を堅持しつつ、これまで以上に説明責任を果たし、県民に距離の近い県政を目指していくほか、栃木の未来創生に向けて、国会議員、県議会議員、県内市町長とさらに緊密な連携をしながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
今回の選挙戦で、今後4年間に取り組む政策を5つの柱にまとめ、県民の皆様にお示ししました。いずれも未来創生には欠かすことのできないものと考えております。
御案内のとおり、1つ目の柱は「『人への投資』と少子化トレンドの反転」、2つ目は「『女性・若者の活躍』を全力応援」、3つ目は「『健康・安心なとちぎ』の実現」、4つ目は「『稼ぐ力』を伸ばして更なる『豊かな県』へ」、5つ目は「『X(トランスフォーメーション)』で『とちぎの未来創造』」であります。
未来への投資となるこれらの取り組みを通しまして、「誰もが未来に夢や希望の持てる栃木、豊かさと幸せを実感できる栃木」を県民の皆様と共に一丸となって実現し、次の世代に引き継いでいく決意でございます。
記者:今、5つの柱を挙げていただきました。そして、県民の方からいろいろ宿題もいただいているというごあいさつもありましたが、今知事が考える最も優先して進めていかなければならない取り組み・政策があれば教えてください。
知事:それは、1つ目の柱の「人への投資」が最優先課題だと思います。
人口減少問題の克服は、国はもちろん、県としても喫緊の課題です。「『人への投資』と少子化トレンドの反転」を掲げたところでありまして、さまざまな移住定住施策とともに、結婚したい人が結婚できる、子どもを産みたい人が産み育てられる社会を築く施策に最優先で取り組んでまいりたいと思います。
記者:ありがとうございます。
記者:先ほどもありましたが、知事が選挙の中で地域の方からいただいた宿題というのは、これまでの話の中であったかもしれませんが、具体的にどういうものであったのか。
それから、今の政策と知事の公約の中で、県民の方の宿題に応え切れていないとしたら、具体的にどのように応えていきたいとお考えでしょうか。
知事:今回は、農業、それから観光分野で話をいただいてまいりました。
農業については、これまで圃場の再整備では、田んぼ・畑の大きさは1ヘクタール以上ということで進めているはずですが、課題は、その圃場の周りの土手の草刈りが大変なのです。そこで、高根沢の農家の方からは、トラクターで今は草刈りができるので、トラクターが走れるような区画にすればいいと。今は恐らく50センチメートル程度で、それだとロボット型の引く草刈りとか乗用の草刈りというのはあるのですが、それは非効率的なんですね。手刈りなんていうのはもってのほか。ということを考えると、農業経営の効率化を高めていくためには、大規模経営は当たり前だけれども、加えて、草の処理はトラクターで全部刈れるようにすると。ついては区画の土手、いわゆる畦畔の幅をトラクターが走れるだけの幅につくって欲しいという話が1つありました。
それから、作物の定植時期。今年、トマトの植え付けを8月初旬にした人と中旬にした人、それはわずか10日ぐらいの差でした。しかし、初旬に植えた人は、1番目の花と2番目の花のいずれもとろけてなくなった。それだけでも大減収だ。わずか10日間で収量に大きな差が出ている。では県の役割は何かというと、気象条件等を研究しながら、作物の定植の時期は、最も収穫が望める被害を受けない時期を農家に情報提供できるような仕組みをつくる。これが2つ目。
3つ目は虫対策です。病虫害については、さまざまなメーカーが研究して今日まで取り組んできましたが、まだまだ十分とは言えないところがある。県内では矢板のリンゴ、日本全体ではミカンの産地。ミカンの産地はニュース報道で去年はカメムシ、今年はカタツムリということでした。栃木県は去年も今年もカメムシ。そのカメムシの大量発生はなぜ起きるのかということを、直売所で農家の方からただされました。私は、草刈りをしないで放っておくことから越冬できるようになるのかなという話をしましたが、そもそも暖冬で虫は生き残りやすい。そこに、虫にとっては高級ホテルみたいなものがやたらにそこらにあったりして、もぐり込んだら快適。翌年はそこから飛び立つ。そして、野焼きをやらないから虫は死なない。この3つの要素で、これからますますいろんな虫が大量に発生する時代になる。その一番先に出てきたのがカメムシでありカタツムリだった。県として、農家に、虫対策にどのように臨んでいけばいいのかということを明示していく。
さらに、観光業におきましては、調理人がいない。なので夕食が出せない。さらに朝食も、朝6時から食事を提供するためには、従業員が4時起きで5時前にはホテル・旅館に入っていないと朝食を提供できない。ということで働き手がいない。なので、夕食を出さないホテル・旅館が既に全国では出ているらしいけれども、栃木県もそういう課題が顕著になりつつある。
茂木町の道の駅の隣にホテルがあります。道の駅の社長は町長です。ホテルから、夕食1食1万円のものをつくってほしいと要望があったそうですが、そんな食事はつくったことがないからできないと言ってお断りした、ということがありました。そこで県として何かできないか。これは発注者側であるホテル・旅館と今後協議をしていかなければなりませんが、受け入れ体制ですね、地域の飲食店が連携しながらホテル・旅館が望む夕食・朝食の受け皿をつくれば、相互にメリットが発生するんじゃないのかと。できるかどうかは分かりませんが、やってみたいという人はいるかなと思います。ホテル・旅館の新しい形態については、地域の皆さん方との受け皿づくりなどもこれからの課題になるのではないかと考えました。
それから山については、ヤマビルが恐らく那須塩原あたりまで行っていると思います。どうにもならない、何とかしてほしいという切実な声を伺ってまいりました。イノシシとかシカとかサルは個体が大きいので対応策がありますが、ヤマビルについては何とも。栃木県農業総合研究センターで、重曹が効果があるというのは確認しましたが、山全体に重曹をまくことできない。ヤマビル対策について要望はもらいましたが、これを具体化してヤマビルを退治するのは難しいと思っています。何か工夫できないか、考えていかなければならないと思います。これも、冬場に木の葉をさらわない。その中にヤマビルがもぐり込むと越冬できてしまうので、死なないで翌年また元気に動き回る。こういうことの循環で今日まできていると思います。
そういった新しい課題が現場には出てきているということを、17日間の選挙で確認してまいりました。それらの対応で県ができることは当然取り組んでいかなければならないと思っております。
記者:国の経済対策は、現在報道ベースで出ている中ですと、半導体10兆円規模とか、低所得層への対策とかあります。まだ全容は見えませんが、知事の公約には、財政的な裏付けが必要なものも幾つもあると思います。経済対策についてどのように臨まれていくか、まずお聞かせください。
知事:具体的な内容について情報収集に努めていますので、補正予算の編成も含めて、明らかになり次第、対応策を速やかに検討してまいりたいと思います。
記者:こちらも国政の動きですが、年収の壁について伺います。
昨日、政令市でつくる指定都市市長会が、趣旨については手取りが増えるので分かる、ただ地方財源が痛まないようにしてくれという意見を取りまとめました。都道府県の中には、住民税、所得税の一部、地方交付税の原資になる分も含めて、地方財源への影響を試算しているところがありますが、本県についての影響と、今回の年収の壁の引き上げについて、知事の御所感を伺えますか。
知事:物価高騰が進む中で、基礎控除額の引き上げで可処分所得を増やし、経済的負担を軽減するという考え方については理解できます。
しかし、基礎控除額の引き上げは、国税(所得税)のみならず、地方税(個人住民税)の大幅な減収となります。恒久的な措置となった際には、地方自治体の安定的な財政運営に大きな支障を来すものです。
仮に基礎控除額が75万円引き上げられた場合、現時点で、県民税分が約280億円減収、市町村民税分が約420億円減収、県・市町合わせて約700億円の減収見込みとなります。
所得税が原資となっている地方交付税についても減収になっていくわけですが、地方交付税が全国で1.3兆円減りますと、県分が約110億円、市町分が約70億円、合計約180億円の交付税が、原資がなくなるので減る。
さっきの700億円プラス180億円、県内では880億円が減収となりますので、県民サービス、市町民サービスに大きく影響すると思います。
ですので、新たな制度設計をした上で壁をなくすことについて反対はしませんが、新たな制度をつくった上でないと移行には賛成できないということです。
記者:まさに今、人口減克服のさなかだと思います。人口が減ったり高齢化が進み義務的経費が増えていく中、税収が減ると未来への投資が圧迫されると思いますが、知事がこれからやりたい未来への投資への手当がされなかった場合の影響はいかがでしょうか。
知事:今やっていることさえできなくなるんじゃないですか。新しいことのみならず、現在行っている施策・事業で必要なものまで節約することになりかねない状態だと思います。
今、県税収入は2,600億円ぐらいなのでそのうち約280億円の税収が減りますので、これは大変なことだと思います。
記者:ありがとうございました。
記者:先ほどの御説明にあった公約実現に当たる財源の関係でお伺いします。
学校給食の無償化について、県全体で完全にやるとなると、年間約80億円必要という試算がこれまでにたびたび出ているかと思います。
昨日の一夜明けての会見で知事がおっしゃっていたので、確認です。今議論されていますが、国で仮に無償化の動きができなかったとしても、県・市町で学校給食無償化に取り組むようなニュアンスで昨日話されていたと思いますが、県・市町だけで学校給食無償化に取り組まれる御意向なのかどうか、改めてお聞かせください。
知事:既に取り組んでいる自治体があって、来年度から2分の1補助という自治体も出てくると聞いています。まずは幼稚園・保育園等の副食費も併せて考えて欲しいという要望もいただいておりますので、どこからどういう負担割合でこの問題に取り組んでいけるのか、市町・県で協議をした上で道筋を明示できればと考えています。
記者:今のところは、県・市町単独でやるかどうかも含めて議論していきたいという感じですか。
知事:県が80億円もって、みんなお任せでやりますからお願いしますと言われたときには、それはなかなか難しいと思います。ですので、市町も連帯して取り組むことが前提です。
だとするならば、各市町によっては準備期間が必要になるところも出てくるでしょうから、それらも勘案しながら、いつから、いきなり100%でいくのか、30、50、80、100といくのか、やり方は幾つか考えられると思いますので、各市町と県とで合意ができる仕組みを速やかに探っていくことになります。
記者:改めまして、当選おめでとうございます。
先ほど質問がありました103万円の壁について、発言内容の確認をお願いします。
制度設計した上で壁をなくすことには反対しない、新たな制度をつくった上でないと移行は賛成できないということでしたが、国に知事が求めたい制度の在り方とか、財政措置なのかもしれませんが、103万円の壁の引き上げをする場合に国に求めたいことがどういったことなのか、聞かせていただければと思います。
知事:減収分を国が補填するすべを持っているということなら、いいんじゃないですか。地方は、税収面での痛みは伴わないということが前提だということです。
記者:103万円の引き上げが178万円になった場合、どのような効果が経済にあらわれるとお考えですか。先ほどホテルの人手不足などのお話もありましたが、引き上げとなった場合どんな効果があると知事としてはお考えになりますか。
知事:消費の拡大などで地域経済の活性化に結び付く可能性はあると思います。
記者:ありがとうございました。以上です。
記者:昨日の会見でもおっしゃっていたと思いますが、改めてお聞かせください。
知事が出馬された知事選の中で、今回は最低の投票率であり、かつ、最も無効票が多い選挙になりました。この中には潜在的な多選批判もあり得るかと思います。こういった関心の薄い選挙で県民の信任を得られたと考えられるかどうか。どのような御見解でしょうか。
知事:30%をわずかに超えて、数字上ではワースト2位ということになりましたが、得票率などを勘案すれば、信任は得られたのではないかと思います。
今回低投票率になったところは、衆議院選の例えば足利のように茂木敏充代議士の当選が確実みたいなところは、それを応援する福田なので選挙に行くまでもないでしょうと、衆議院選挙は一生懸命頑張ったけれども知事選はお任せでいいんじゃないの、福田でいいよという人たちも存在し、投票率の減につながっていったことも想定されます。
つきましては、全体を考えれば信任は得られたと思います
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