重要なお知らせ
更新日:2025年1月9日
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カワウは 1990 年代から栃木県で確認されるようになった大型の水鳥です。1 日に 500g の魚を食べる大食漢で、深刻な漁業被害を与えています。県内の河川湖沼における被害量はH29年の調査で約200トンと推定されており、これは全国有数の漁獲量を誇る那珂川のアユ漁獲量(R4年の釣りと網の漁獲:102.7トン)をはるかに上回っています。
被害軽減に向けて、漁協や猟友会により年間 1,500 羽前後を駆除していますが、県外からの移入が多く、県のカワウ管理指針での目標羽数である 1,000 羽に抑えることができていません。目標羽数の達成及び被害軽減に向けて、ドローン、GPSロガー、アプリなど、最先端技術も活用してカワウ対策の効率化を目指しています。
カワウ対策の効率化には、カワウの行動をよく知る必要があります。そこで、GPSロガーやカワウ飛来報告アプリ「カワウ110番」を活用して、カワウの行動の見える化や予測に挑戦しています。
これまで、飛行データの収集には高価かつ不便な海外製のGPSロガーに頼らざるをえない状況でした。
そこでデジハブ事業を活用して、国産・安価でかつ位置情報が自動的にクラウドにアップロードされるような小型GPSロガーを開発しました。
ロガーを装着したカワウ
カワウは、ねぐら(夜休む場所)やコロニー(繁殖する場所)を無計画でかく乱すると、ねぐら等の分散を招き、被害が減少しないばかりか、かえって被害を拡大させることもあります。そこで、ねぐら等をどこに置いておくのか、また、どこにあるねぐら等を除去するのか、目標とする分布状態の実現に向けて「ねぐら等の分布管理」に取り組んでいます。
また、除去できないコロニーにおいては、個体数を増加させないように、巣へドライアイスを投入して卵のふ化を防いでいます。
・那珂川南部漁協|釣り竿によるヒモ張りでねぐらを除去(PDF:163KB)
・鬼怒川漁協|ドローンによるヒモ張りでねぐらを除去(PDF:171KB)
・鬼怒川漁協|ドローンを使ってカワウの巣へドライアイス投下(PDF:445KB)
・那珂川北部漁協|木登りによってカワウの巣へドライアイス投下(PDF:245KB)
銃器による駆除がメインですが、猟友会の高齢化と人手不足や銃器が使えない漁場での駆除のために漁協自らが釣りによって駆除する例も増えています。
・西大芦漁協|釣りでカワウ10羽を駆除したらアユが釣れるようになった!(PDF:249KB)
飛来防止対策としては、物理的遮断(テグス張り等)や追い払い(巡回、花火、案山子等)を地域の実情に合わせて順応的に実施することが重要です。
・黒川漁協|流程17kmに30kmのテグスを設置してアユを守る(PDF:198KB)
・鬼怒川漁協|徹底した追い払いでアユを守る(PDF:807KB)
・渡良瀬漁協|アユ放流エリアにヤマメ成魚を放流して釣り人を呼ぶ(PDF:275KB)
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水産試験場
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