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更新日:2009年5月3日
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父祖からの恵みを忘れず村の将来の発展を図っていくことを宣言するこの言葉は、茂木町逆川(さかがわ)地区(旧逆川村)に昭和26年に建立された碑に刻まれている。文は“緑化の父と言われた徳川宗敬参議院議員(当時)、書は同町出身の岡田周造東京府(※)知事(任期:昭和13~16年)の手によるものだ。
逆川村では、子孫の繁栄を願い、100年ほど前から村民一丸となって森づくりを続けてきた。苗木を植えたり下草を刈ったりと、長年にわたる祖先の血と汗は、徐々に村に豊かさをもたらしていった。そして努力の結晶である焼森山などの木材を使い、数多くの小中学校の建設や増築がなされた。全国森林品評会では一等賞を受賞するなど、「全国の模範:逆川村」として天皇より賞詞も賜ったようである。碑文からは森林と一緒に歩んできた「共生」の歴史が読み取れる。
焼森山から伐採した木材を用い、昨年12年、茂木中学校が県内最大級の木造校舎として生まれ変わった。12メートルにもなる無垢の丸太を構造材として活用した事例は関東地区には他にないそうだ。100年の森の恩恵をうけたのである。ぬくもり溢れる校舎の完成を記念し、惠澤洽著に記された子孫の繁栄を願う先人達の偉業を地域が受け継ぐことをテーマに、今月23日、栃木県植樹祭が同中学校の校庭で開催される。※「東京府」は東京都の前身として、明治元年から昭和18年まで存在。
「吹き竹」とは、かまどなどの火に空気を送るために使う竹筒のことです。吹き竹から吹かれた息により盛んに燃え上がる炎のように、栃木県も盛り上がってもらいたいとの願いを込めて名づけています。
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