那須地域におけるなし花粉確保対策について

1背景

那須地域のなし（JAなすの梨部会）は高品質果実の安定生産に向け、指導部による各種講習会を開催し基本技術の徹底を図るとともに、全戸調査を実施して生育等を確認し改善点等について指導している。特に、重要技術として自家採取花粉や輸入花粉などによる人工授粉を推進してきたが、令和5年8月に中国の花粉が輸入停止となったことから、令和6年産の開花初期の花粉が不足することとなった。そこで、花粉供給緊急対策事業を活用し、剪定枝等からの花粉確保の実証に取組むこととした。

2取組の概要

水稲育苗ハウスに剪定枝を搬入し、加温等によって開花を促進させ花粉を採取する手法について実証を行った。

3結果の概要

• 剪定枝を水稲育苗ハウス内で生育促進させることにより、露地より5日程度早く花粉採取可能となった。
• 豊水の剪定枝5,659 本から181gの純花粉を確保できた。
• 花粉発芽率は57％で、実用上問題はなかった。
• 剪定枝及び樹体から採取した花粉により、輸入停止による花粉不足を概ね解消できたとともに、産地内の人工授粉に活用することができた。

4今後の課題

• 花粉専用樹の新植（裁植様式や仕立て方等の検討）と、養成期間中の花粉確保
• 老木化した花粉専用樹の改植
• 花粉採取に係る労働力の確保
• 産地内花粉確保体制（生産者間融通のルール化）の検討

 

 

那須地域における花粉確保の取組（概要）（PDF：209KB）

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