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更新日:2020年10月5日

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ジビエ(野生鳥獣の肉)はよく加熱して食べましょう

ジビエ」とは、狩猟の対象となり、ヒトの食用とするシカやイノシシ等の野生鳥獣、又はその肉のことです。

近年、ジビエ料理を提供する飲食店や加工品を販売する店もみられ、ジビエは身近なものとなっています。

しかし、シカやイノシシ等の野生鳥獣は、E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌、サルコシスティスなど、食中毒の原因となる様々なウイルスや細菌、寄生虫を保有していることがあります。

ジビエによる食中毒の原因となるウイルス及び細菌、寄生虫

E型肝炎ウイルス

主な原因

E型肝炎ウイルスが常在する地域では、水が主な原因と考えられています。国内では、ブタ、イノシシ及びシカなどの肉及び内臓の生食、または加熱不十分な状態での喫食が原因となる恐れがあります。

過去には、北海道で市販されていた豚レバーの一部からE型肝炎ウイルスの遺伝子が検出され、加熱不十分な豚レバーから人への感染も示唆されています。

主な症状

E型肝炎ウイルスは、主に経口感染し、肝炎を起こします。平均して約6週間の潜伏期の後に発熱、悪心、腹痛等の消化器症状、肝腫大、肝機能の悪化が出現し、大半の症例では安静により治りますが、まれに劇症化するケースもあります。妊婦や高齢者が感染すると、劇症肝炎を発症し、死亡する率が高いという研究結果がありますので、妊婦及び高齢者は特に、野生動物の肉等を生で食べることを避けましょう。

予防のポイント

  •  豚レバーを含む豚肉並びにシカ及びイノシシなどの野生動物の肉(内蔵を含む。)は生で食べないようにしましょう。
  •  豚肉並びにシカ及びイノシシなどの野生動物の肉は中心部まで火が通るよう、十分に加熱して食べましょう。このような加熱はほとんどの危険な微生物を死滅させることが確認されています。また、他の動物の肉については、若齢者や高齢者など抵抗力の弱い方は生肉の摂取を控えるようにしましょう。 
  •  加熱調理を行う肉類は生焼けにならないよう中心部まで十分に火が通るよう、十分に加熱しましょう。 
  •  生の肉類と加熱済みの肉類は分けて取り扱いましょう。

 

E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A(外部サイトへリンク) 

平成26年度に、国の調査により、野生シカ及び野生イノシシのE型肝炎ウイルス等の病原体保有状況が把握されました。

野生鳥獣肉のE型肝炎ウイルス等の保有状況(外部サイトへリンク) 

腸管出血性大腸菌

主な原因

動物の腸管内に生息し、糞便等を介して食品、飲料水を汚染します。

菌に汚染された生レバー、加熱不十分な肉や肉製品、生サラダ、水(未殺菌又は殺菌不十分な井戸水や湧水)などが原因食品となります。

主な症状

腸管出血性大腸菌(O157、O111など)は、感染から3~10日で、激しい腹痛、下痢(血便)を引き起こします。腸管出血性大腸菌は感染力、病原性が強く、特に乳幼児や高齢者等が発症した場合、溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な症状を呈し、死亡することがあります。

予防のポイント

  • 加熱調理のときには食品の中心部まで十分に加熱しましょう。(75℃以上1分間以上加熱)
  • 生肉を調理する時は生肉専用の器具を使い 、生野菜を調理する器具と使い分けましょう。
  • 生肉を保管する場合は、他の食材と容器等を区別しましょう。

病原大腸菌(O157など)による食中毒に注意

サルコシスティス(住肉胞子虫)

主な原因

サルコシスティスは住肉胞子虫と呼ばれる筋肉内に寄生する寄生虫の一種です。

ウマ、ブタ、シカなどの生または加熱不十分な肉を食べると感染する可能性があります。

主な症状

食後数時間で下痢、嘔吐、腹痛等の消化器症状を引き起こします。症状は一過性で比較的軽症で終わると言われています。

予防のポイント

  • -20℃(中心温度)で48時間以上冷凍しましょう。
  • ー30℃(中心温度)で36時間以上冷凍しましょう。 
  • -40℃(中心温度)で18時間以上冷凍しましょう。
  • 急速冷凍装置を用いた場合、-30℃(中心温度)で18時間以上冷凍しましょう。
  • 液体窒素に浸す場合は、浸して1時間以上冷凍しましょう

トリヒナ(旋毛虫)

主な原因

豚肉や、クマ肉などのジビエの生食によるのもです。過去には、クマ肉のルイベや刺身で発生しています。

2016年に茨城県内の飲食店で、加熱不十分なクマ肉のローストを原因としたトリヒナ食中毒が発生しました。

主な症状

筋肉痛、発熱、悪寒、浮腫等の特徴的な症状を示します。

無症状の場合もありますが、最悪の場合は感染から4~6週間後、呼吸麻痺を起こして死に至ることもあります。

予防のポイント

  • クマ肉を生食しないようにしましょう。
  • 充分加熱してから食べましょう。低温にかなり強く、マイナス30℃で4ヶ月保存したクマ肉により発症した例もあります。

県民の皆様へ

  • 生食または加熱不十分なジビエ料理を食べると、食中毒等の原因となるE型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌、サルコシスティスなどの寄生虫に感染する可能性もあります。
  • ジビエを調理するときは、中心部まで火が通るよう、十分に加熱しましょう。
  • 調理に使用する器具は生肉用、加熱済み用と使い分けを行って、取り扱いには十分に注意しましょう。
  • 食中毒の疑いがあるときは、すぐに医療機関を受診してください。

食品営業者の皆様へ

  • 食中毒の原因となるE型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌、寄生虫は、十分な加熱により感染性を失うことがわかっています。ジビエ料理を調理する際には、十分な加熱(75℃1分以上またはこれと同等)を行いましょう。
  • 鮮度に関わらず、「刺身」、「ルイベ」等、生食での提供はしないようご注意ください。刺身だけでなく、ロースト肉などでも食中毒が発生していますので、調理する際は中心温度計で温度を測定するなど、中心部までしっかり加熱されていることを確認しましょう。
  • 調理器具類は、生肉用と加熱済み用を用意し、使い分けましょう。生肉が触れた調理器具類については、洗浄消毒を行い適切に取り扱いましょう。
  • 野生鳥獣の肉は、食品衛生法の許可を受けた食肉処理場で解体したものを仕入れるようにしてください。

 

 

お問い合わせ

医薬・生活衛生課

〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館5階

電話番号:028-623-3110

ファックス番号:028-623-3116

Email:iyakueisei@pref.tochigi.lg.jp

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