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更新日:2023年4月1日
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流産や死産の体験はからだだけでなく、心に与えるダメージも大きく、その辛さを乗り越えるには、多くの時間が必要です。「もっと安静にしていれば・・」「あのことが悪かったのでは・・」など、自分を責める声も多く聞きますが、そのことが原因ではありません。
誰よりも悲しく、辛い思いをしているのはあなた自身です。ご自分を責める必要はまったくありません。まずは、心とからだを休め、自分をゆっくりといたわりましょう。
流産や死産をしたことを早く忘れようとしたり、気持ちを抑えて我慢することは、かえってダメージを大きくします。泣きたいときには泣き、辛い気持ちを話したいときには、誰かに話しましょう。その際、相談機関や自助グループを活用してみるのも一つの方法です。きっと自分ひとりではないと感じられると思います。
一度流産や死産を経験すると、「早く次の妊娠をしたい」と思う一方で、「また繰り返してしまうのではないか」という怖さや不安が生じてくるのは当然のことです。「まだ行っていない検査や治療をした方がよいのではないか」と悩むこともあるでしょう。
検査の必要性や次の妊娠の時期などについては、医師ともよく相談し、カップルで話し合って決めていきましょう。
周囲の方の理解不足からくる言葉に傷つく方もいます。場合によっては不快に思ったことを相手に伝えることも必要です。
また、気持ちが弱くなっている時には、そういった人たちから距離を置くのもよいでしょう。
赤ちゃんを亡くされた悲しみや辛い気持ちをひとりで抱え込んでいないでしょうか。
流産や死産は、かけがえのないお子さんとの別れであり、特に悲嘆を強く感じる出来事です。
「気持ちを聞いてほしい」「話がしたい」などのご相談がありましたら、栃木県不妊・不育専門相談センターまでご連絡ください。
妊娠はしても妊娠22週未満の流産・死産・早期新生児死亡(生後1週間以内の死亡)
などを繰り返すことにより、子どもを持てないことを不育症といいます。
自然流産の頻度は、全妊娠の約10~20%に起こり、それ自体は珍しいことではありません。
そのうちの60~80%以上は胎児(受精卵)に染色体異常があるといわれ、偶発的なものです。
一般的に2回以上連続した流産や死産、早期新生児死亡などがあれば、不育症と診断され、検査を行うことがあります。
不育症のリスク因子はいくつかわかっていますが、約半数のカップルは検査をしてもリスク因子がはっきりとわかりません。
多くの場合、偶発的な流産の繰り返しであり、特別な治療を必要としないこともあります。
治療を必要としなかった方も含め、不育症外来を受診した方の、約70%以上が最終的には出産に至るという報告があります。
【参考】「不育症の原因解明、予防治療に関する研究」(AMED不育症研究班)
中隔子宮や双角子宮などの、先天的な子宮形態異常がある場合には、流・早産を繰り返すことがあります。
子宮形態異常では、子宮内に血流の乏しい場所があり、そこに受精卵が着床すると流産するのではないかと考えられています。
経膣超音波検査・子宮卵管造影検査など
子宮形態異常の種類や程度によって子宮形成術が行われます。
抗リン脂質抗体症候群では、血液が固まりやすくなることから、胎盤に血栓を作り、血流を悪くします。その結果、胎児に酸素や栄養がいかなくなり、流産や死産が起こると言われています。
また、抗リン脂質抗体が胎盤のまわりに炎症を引きおこし、その結果流産となっているのではないかとも言われています。
抗リン脂質抗体検査(血液検査)
低用量アスピリン療法・低用量アスピリン+ヘパリン療法
プロテインS欠乏症、第10.II因子欠乏症などが流産の発症に関係していることがあります。
これらの異常では血液が固まりやすくなることから、胎盤に血栓を作り、血流を悪くします。その結果、胎児に酸素や栄養が行かなくなり、流産や死産を起こしたり、胎児の発育に影響を与えたりします。
血液凝固系検査(血液検査)
低用量アスピリン療法やヘパリン療法などの抗凝固療法
甲状腺の機能異常や糖尿病による血糖の高値などが流産に関連していると報告されています。
内科医と連携し、治療により良好な状態を維持することが必要です。
血液検査
それぞれの疾患に対する内科的治療
カップルのいずれかの染色体に異常があった場合、流産することがあります。その主なものには、染色体の一部が入れ替わるなどの相互転座・ロバートソン転座があります。
有効な治療法はありませんが、毎回必ず流産すると決まっているわけではありません。
カップルでの染色体検査〈血液検査)
遺伝カウンセリング
リスク因子不明の習慣流産に対し、夫リンパ球を用いた免疫療法や大量ガンマグロブリン療法などが行われる場合もありますが、効果については明らかではなく、治療の適応については慎重に検討されます。
流産時にこの検査を行うことで、今回の流産が胎児の染色体異常であったのか、そうではなかったのかを知ることができます。
胎児の染色体異常があった場合、治療中の方は現在行っている不育症の治療継続し、再度妊娠に臨むことができます。一方、胎児の染色体に異常がなかった場合には、不育症の原因や治療について検討していく必要があります。2回目以降の検査の実施が検討されます。
不育症の検査や治療の一部には保険が適用されないものがあります。
検査や治療を始める際には、費用についてもご確認ください。
また、県内には独自に不育症治療費の助成事業を行っている市町もありますので、詳しくはお住まいの市町にお問い合わせください。
「不育症に関する情報が少ない」「周囲に同じ悩みを持つ人がいない」など、情報を得る機会が少なく、自分だけが・・・と感じられることもあるでしょう。
栃木県不妊・不育専門相談センターでは、不育症に関するさまざまなご相談をお受けしています。検査や治療が受けられる医療機関についての情報提供も行っていますので、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ
こども政策課 母子保健担当
〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館5階
電話番号:028-623-3064
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