重要なお知らせ
更新日:2020年11月16日
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竹は古くから活用され、竹製品は人々の暮らしに欠かせないものであり、川沿いには竹林を育てて水害を防ぎました。しかし、1970年代以降、プラスチック製品やタケノコ輸入の増加などにより、国内の竹林が使われなくなりました。管理されない竹林は密生し、隣接する里山に侵入してしまうため、タケノコの採取や間伐を積極的に行うことが必要です。
近年、日本の各地で地域の竹林を活用した「国産メンマ」づくりが行われています。1メートル以上に伸びたタケノコを収穫し、ゆでて乾燥させた「乾タケノコ(ほしたけのこ)」を作り、この乾タケノコを使ってメンマを作る活動が広がっています。各地のラーメン文化と竹林が繋がることによる山村地域の活性化が期待されています。乾たけのこは保存食として活用することもできます。
竹は、毎年現在の本数の2割に当たるタケノコが生えてくるので、間伐の量も毎年2割程度が目安となります。時期はいつでも問題ありませんが、竹材を利用する場合は、材の水分が減る9~1月頃が適しています。新しい竹は残して、黄色くなった古い竹から間伐していきます。
タケノコ生産に適した密度は、1ヘクタール当たり3,000本(1坪に1本)程度といわれており、間伐後の密度の目安とします。間伐する竹は、5年生以上の古い竹、枯れている竹、細くて元気のない竹などです。(若いモウソウチクは節が白く、古いものは節が黒くなります。)
新たに育てる竹は、最盛期より一週間程度前に発生したものが適しています。竹は発生から偶数年の春に落葉して新たな葉で栄養をたくさん作るので、奇数年と偶数年の竹がバランスよく配置されていることが望ましいです。タケノコから育てる竹の幹に、発生した年が分かるように印を付けておきます。印は同じ方向に付けると管理しやすくなります。
例:ヘクタール当たり3,000本の密度で管理するために毎年6年目の竹を伐採する場合
伐採本数は、3000本÷6年=1ヘクタール当たり500本(10m×10mの区域で30本のうち5本伐採し5本を育てる。)
道具は、竹専用の「のこぎり」や「チェーンソー」を使用します。太い竹は、受け口と追い口を作って切り倒します。切り口は危ないので地際で切り直すようにします。
曲がった竹は、圧縮されている側に切り込みを入れた後、引っ張られている側から伐り、はじけて裂けることを防ぎます。曲がった竹を伐採する時は、竹にかかっている力をよく観察し、倒れた後の跳ね上がりや枝のしなり等に気をつけます。
労働者が業務としてチェーンソーを使用する時は、労働安全衛生法に基づき、特別教育の受講や保護衣の着用等が義務付けられています。また、労働者が業務として刈払機(草刈機)を使用する場合は安全衛生教育を受ける必要があります。ボランティア等でチェーンソーや刈払機を使用する場合でも、事故を防止するために特別教育や安全衛生教育を受講することをお勧めします。
モウソウチクは栄養分のある土地を好むため、施肥を行うことが望まれます。タケノコを採取したあと、初夏に有機肥料を、さらに12~2月に施肥を行うといいでしょう。
竹林内に集積する場合は、短く切って積み重ねます。傾斜がある場合は、立っている竹2本を使い、竹の根元の斜面上部に並べて滑落を防止します。竹林外に搬出する場合は、根元側を引き出す方向に向けて伐採します。枝払いには柄の長い選定ハサミが便利です。竹チッパー(粉砕機)でチップやパウダーを作り、有効活用する取組もあります。
竹林の密度管理は毎年行うことが大切です。手入れをした竹林は、その後も成長の様子を観察しながら、残す竹の選定・管理技術を向上させることで、少しずつ使いやすい竹林に変えていくことができます。
森林や竹林は私有地であることが多いため、自己所有地以外でタケノコや山菜を採取する場合は、土地所有者や管理者等の許可が必要です。
また、放射性物質の影響により、日光市、大田原市、矢板市、那須塩原市、那須町で収穫したタケノコは出荷が制限されていますので御注意ください。
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林業木材産業課 きのこ振興担当
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