無人自動運転移動サービス導入検証事業(栃木県ABCプロジェクト)について
事業の背景
- 運転免許証を自主返納する高齢者や訪日外国人の増加等により、地域住民の日常生活や観光地等における移動を支える公共交通の確保・充実の重要性が増大しています。
- 一方で、バス運転手の不足等により、地域住民や観光客の移動需要に応じたバス路線の確保・充実が困難な状況にあります。
- こうした中、国の「官民ITS構想・ロードマップ」(外部サイトへリンク)では、R7(2025)年を目途に限定地域(過疎地等)での無人自動運転移動サービス<レベル4>の全国普及等を目指し、社会全体での連携体制を求めており、産業界は技術開発、国は法制度整備、地方公共団体は住民や交通事業者を巻き込んだ機運醸成等の役割が期待されているところです。
- 県内では、H29(2017)年度に道の駅にしかた、R元(2019)年度に宇都宮市大谷地区において自動運転に関する実証実験が実施されましたが、限定的なものにとどまっており、県内の公共交通における自動運転システムの導入に当たっては、更なる取組が必要な状況です。
※ 無人自動運転移動サービスとは?
「官民ITS構想・ロードマップ」では、「車内に運転手がいない自動運転システムを活用した移動サービス」を「無人自動運転移動サービス」と呼んでいます。
この事業では、車内に運転手がおらず、自動運転システムを活用して運行する路線バス等をイメージしています。
※ 自動運転のレベルについて
自動運転のレベルは、全ての運転動作を運転手が行う「レベル0」から全ての運転動作をシステムが行う「レベル5」までの6段階が設定されており、数字が大きくなるほど自動運転のレベルが高度に(システムの関与の度合いが大きく)なります。
「レベル4」は、自動運転車両の走行環境が整っている一定の場所であれば、全ての運転動作をシステムが行うことができるレベルです。
事業の目的
この事業では、以下のことを目的として実証実験等の取組を進めます。
- 県内の各地域が抱える様々な社会的課題の解決に向けて、無人自動運転移動サービスによる今後の可能性を探る。
- 県内の公共交通において自動運転システムが導入された際に、利用者に安心して利用してもらえるよう、県内における社会的受容性の醸成を図る。
- 無人自動運転移動サービスの全国普及を見据え、県内の公共交通への自動運転システムの導入に向けた課題の整理、必要なノウハウの蓄積等を図る。
事業の概要
事業期間
事業内容
(1) 実証実験の実施
- 自動運転システムのレベル、地域の特徴、道路の形状、実施の時期等の様々な条件を考慮し、段階的にレベルアップを図りながら、実証実験を行います。
- 事業期間中における実証実験の計画(全体計画)(PDF:1,797KB)を策定し、計画的に実証実験を進めます。
- この事業では、R7(2025)年度の県内バス路線における無人自動運転移動サービスの本格運行を見据え、R5(2023)年度に県内バス路線で実証運行を行うことを目指しています。
(2) 県民の理解促進
その他
この事業は、県内の公共交通事業者、公共交通関係団体、自動車関連企業、学識経験者等で構成する「栃木県無人自動運転移動サービス推進協議会」において、自動運転システムや実証実験の進め方に関する助言、他都道府県における取組事例に関する情報提供等を頂きながら、市町と連携して実証実験等の取組を進めていきます。