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更新日:2020年6月15日

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BCP策定企業の事例紹介 02

株式会社共伸(那須塩原市)

この事例紹介は、産業情報とちぎ((公財)栃木県産業振興センター発行)2018年11月号に掲載されたものです。

御社の事業概要についてお聞かせください。

弊社は、プレス加工部品の量産、金型設計から製作まで一貫して行っている精密金属製品製造の企業です。短納期での金型・製品の立上げから、合理化を目的とした要素技術の開発や新工法の開発について、絞り加工、板鍛造、抜き、曲げといった様々なプレス加工分野でご要望にお応えいたします。
また、医療用部品(クリップ、薄板バネ、留置針や特殊針)の精密加工に試作から対応しております。自動車部品や電子部品、また医療用部品の精密加工に試作から対応しております。

BCP策定のきっかけは何でしたか?

2011年3月11日の東日本大震災が大きな転機だと感じています。

弊社も被災し天井が落ちる等建物の損壊はありましたが、幸いにも社員にけがはなく、また設備機器には大きな被害はありませんでした。しかし、社員の安否確認後の動きや、計画停電時の生産計画等、被災時の動きについて悩む部分が多くありました。
また、震災後、自動車部品関連のお取引先から災害への対策に関する調査が急増しました。その調査の中で、災害対策だけでなくBCP策定について尋ねられることが多くなり、自社のBCP策定を強く意識するようになりました。調査を受ける度に、サプライチェーンとしての供給責任を強く感じるとともに、BCPが自社の評価にも繋がっているのだと感じました。
そんな中、とちぎ産業振興協議会でBCP策定支援プロジェクトを知り、2015年にはBCPセミナーを受けました。そして専門家のアドバイスの必要性を感じ、BCP策定支援を受けることを決めました。

BCP策定にあたり、どんな支援を受けましたか?

実際に取り組みを始めたのは、2018年6月からになります。まずは勉強会と言う形で、東京海上日動火災保険様に来社いただき、BCPの概要を分かりやすく説明頂きました。そこから中小企業庁のBCP策定運用指針にある基本コース様式に沿ったBCP策定に取り組み、社内体制や初動対応、準備すべきもの等についてアドバイスを頂きました。

ここには社内の安全衛生委員会のメンバー2名を中心に取り組んでもらい、社長である私(前田社長)自身も都合がつく限り参加するようにしております。

苦労した点、気づき等はありましたか?

東日本大震災では、弊社も震度6弱を経験いたしましたが、BCP策定にあたっては震度6強を想定したものに取り組んでおります。しかし、自分たちだけでは、どのような被害が起こりうるのか、どのくらいの備品を準備しておけばよいのか具体的に想像ができないので、被害想定には苦労いたしました。また、停電や設備の被災を考えた場合に、その設備でしか作れない製品がいくつもあるということを改めて気づかされました。

今後の展開についてお聞かせください。

まずは、社員への意識付けを進めていきたいと考えております。既に作成を進めておりますが、社員が持ち歩きできる災害対策携行カードを作成する予定です。カードサイズですので、常に持ち歩くことができ、そのカードを見る事で、緊急時にはまず会社へ安否連絡をするという基盤を作りたいと考えています。

また、今回支援いただいたことで、自社のBCPの大枠が見えてきましたので、さらなる作りこみをしていきたいと考えております。基本コース様式だけでも、考えなければならないことがたくさんあり、BCPの全体量は計り知れず、まずはできることからやっていこうと考えております。
中小企業にとって、BCP策定は強制されるものではありません。しかし、取引企業からの要請や近年の災害発生で、策定しなければならないのではと悩まれている企業も多いと思います。弊社のような事例を発信することで、同業他社へ情報を共有し、将来的には緊急時の連携に繋がっていけばと考えております。

 

携行カード (災害対策携行カード)

お問い合わせ

経営支援課 中小・小規模企業支援室

〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館6階

電話番号:028-623-3173

ファックス番号:028-623-3340

Email:shienshitsu@pref.tochigi.lg.jp

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