重要なお知らせ
更新日:2011年1月28日
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「日本の森林の面積は、100年前と比べると、減っているのか?増えているのか?」
と、問いかけられたら、多くの人は「減っている」とお答えになるかもしれません。
しかし、答えは「ほとんど変わっていない」です。
日本国土面積のうち、森林の面積が占める割合は、100年前も、現代も、およそ70%です。
確かに、都市の開発などにより、広大な面積の森林が失われました。
ところが、100年前の日本の比較的低い山(里山)の多くが、木が生えていない「ハゲ山」だったという話を聞きます。
それは、当時の人々が生活を送るために、里山の木々を薪(まき)や木炭を得るために切り倒し続けた結果だそうです。
【写真:土砂崩れを起こし、土砂が流れ出ている山腹の様子】
里山に森林がなくなった結果、非常に深刻な問題がおこったようです。
当時の日本の人々は、頻繁に発生した山の土砂崩れや、崩れ落ちた土砂が雨水といっしょに集落へ流れ出る「土砂流」などの災害に、いつもたいへん苦しめられていたという話です。
おそらく、多くの人々の命が奪われていったことでしょう。
現代では、多くの山地が森林におおわれている上、治山事業による山林の整備が進んできたために、大きな地震や強い台風による災害時以外には、
そう滅多に山の土砂崩れによる被害は発生しなくなりました。
歴史を見るまでもなく、森林におおわれた山地の斜面には木々などの根がしっかりと網の目のように張りめぐらされ、
その力で山地の斜面の表面は保護され安定しています。
そして、森林は、土砂崩れや、崩落した土砂の流出による災害を防止して、わたしたちの生活を守ってくれています。
また、山林の土壌は、岩石類の風化や、様々な生物の作用による植物の分解などによって、長い年月をかけてできあがった貴重なものです。
いったんこの土壌が失われると、その土壌が再生するためには、ものすごい年月がかかります。
森林が存在することで、この土壌が流れださないように守られているということは、様々な面でわたしたちに与えられている自然の恩恵も守られていると言えるでしょう。
このように、森林が山林の土砂の流出を防ぎ、防災機能や生態系などを守る機能は、「土砂流出防止機能」と呼ばれています。
【写真:山の斜面に根を張り巡らせる木々たち】
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