重要なお知らせ
更新日:2023年6月13日
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保健環境センターで実施している調査研究について、一部、紹介しています。
毒キノコによる食中毒の調査をする際には、通常残されていたキノコの形や色等から原因のキノコを特定しますが、キノコを調理してしまい、形や色が判別できなくなってしまっていることも少なくありません。
そのため、調理品の残品などから毒キノコに含まれる有毒成分を分析して、食中毒の原因となったキノコを特定することが求められています。
平成10年~令和4年の統計において、栃木県ではキノコを原因とした食中毒のうち、クサウラベニタケによるものが22%と最も発生件数が多くなっています1)。
クサウラベニタケの有毒成分(コリン、ムスカリン等)の分析方法を確立することに加え、複数の有毒成分を一斉に分析することができれば原因食品の特定が早まることから、当センターで有毒成分の分析方法を確立しているツキヨタケ、シロタマゴテングタケ及びドクツルタケと合わせて、これらのキノコの有毒成分を一斉に分析する方法を検討しました。検討の結果、前処理を行った後、液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計という機器を使った方法が目的に沿うことがわかりました。
1)栃木県ホームページ:栃木県内の食中毒発生状況
写真左 当センターで採取したクサウラベニタケ
写真右 自生しているクサウラベニタケ(提供:栃木県立博物館)
令和2年10月、県内で発生した毒キノコが原因と疑われる食中毒に対して、先の機器を使用したコリン等キノコ有毒成分6成分の同時分析を実施しました。
その結果、図で示すとおり、患者が喫食した炊き込みご飯のキノコからコリンを検出することができ、患者の症状やウラベニホテイシメジと誤ったとの証言と総合して、クサウラベニタケが原因食品であると推定することができました。
今後は検体の処理方法や分析器具を再度見直して、より確実で効率良く複数の有毒成分を分析する方法を確立していきたいと考えています。
図 炊き込みご飯のキノコ等のクロマトグラム
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保健環境センター 食品薬品部
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