はちみつ中に残留する抗生物質の検出方法の改良
保健環境センターで実施している調査研究について、概要を説明しています。
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はちみつ中に残留する抗生物質の検出方法の改良
研究のあらまし
- みつばち用の抗生物質として、新しい薬剤の販売が開始されたことに合わせ、これまで検出していた薬剤と同時に分析できる方法を検討しました。
- さらに、結果が出るまでの時間も短くすることができる方法を考案しました。
- この方法について、国のガイドラインに沿った「妥当性確認試験」を行い、精度を確認し、食品衛生法に基づく「行政検査」に採用しました。
調べている抗生物質(2系統、5種類)
調べている抗生物質 |
タイロシン |
ミロサマイシン |
|
オキシテトラサイクリン |
クロルテトラサイクリン |
テトラサイクリン |
研究の特徴
- 県内で生産・流通しているはちみつに残留する抗生物質を対象とする検査です。
- 抗生物質が、基準値を超えて残留していないかどうか、さらに精度よく定量できるようになりました。
- 新しく販売された抗生物質と、これまで調べていた抗生物質とを同時に分析できるようにしました。
- 検査に使用する薬品などが減少し、結果が判明するまでの時間も短くなりました。
抗生物質の投与とはちみつ
- みつばちの病気を予防する薬(抗生物質)が養蜂場で使用されることがあります。
- この薬は、はちの巣箱の上から振りかけて使われるので、はちみつとして食べたとき残っていたとしても安全だという量を国が決めています(基準値)。
- 当センターでは、その基準を超えたはちみつが出荷されていないかどうか、調べています。
はちみつ中の抗生物質の分析について
- 検出できる濃度としては、0.01ppm(1グラム当たり0.00000001g)ぐらいまでのレベルです。
- はちみつから抗生物質だけを取り出せるような処理(前処理)を行ってから、特別な装置で分析します。
- 前処理がうまくできていないと、抗生物質の検出も不正確になってしまいます。
- これまでは、長い時間をかけて複雑な処理をしていました。
- 新しい方法では、精度が向上すると共に、処理の時間が短くなり、電気や水道の使用量も少なくて済むようになりました。
検査の精度について
- 調べるときの、正確さ(本当の量に近いか)や、精密さ(繰り返しても変わらないか)をあらわすことばです。
- わなげに例えると、真ん中に投げるのが「正確さ」、何回投げても同じところに投げられるのが「精密さ」といえます。
- 正確さ と 精密さ は、検査結果の 信頼性 を確保するために、両方とも大切です。
※詳しい内容は、実績(年報)等にも、掲載しているものもありますので、ぜひご覧ください。