企業名 | キヤノン株式会社 宇都宮事業所 |
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住所 | 〒321-3293 栃木県宇都宮市清原工業団地19-1 |
TEL | 028-667-5111 |
ホームページ | http://canon.jp/ ※クリックすると別ウィンドウで開きます |
「人間尊重」「技術優先」「進取の気性」を企業DNAとして継承しながらも、「三自の精神」を行動指標に据えて真のグローバルエクセレントカンパニーをめざすキヤノン株式会社 宇都宮事業所様をお訪ねし、お話を伺いました。
キヤノンの会社規模は全世界にグループ全体で294社、全従業員数はおよそ20万人です。
その中で、国内の従業員は子会社を含め約72,000人で、そのうちキヤノン株式会社の従業員は約26,000人です。
清原工業団地内には宇都宮光学機器事業所、光学技術研究所、宇都宮工場の3つの拠点があり、合わせて宇都宮事業所と称しています。宇都宮事業所はキヤノン本社直轄の事業所となりますので、キヤノン株式会社のおよそ17%の従業員、約4,500人が清原工業団地で就業しています。
当社の製品は、大きく分けて3つの分野に属します。
一つ目はコンシューマ製品で、ご家庭でお使いになるカメラ・ビデオやプリンターが該当します。
二つ目はオフィス向けの製品です。複写機やFAX複合機など事務所などで使われる製品です。
三つ目は産業機器分野です。これは大きな工場や病院などで使われる機器になります。
宇都宮事業所ではコンシューマ向けの製品と産業機器製品を研究・開発・生産しています。
当社と栃木県のご縁は昭和40年(1965年)に太平光学工業株式会社を吸収合併した時に始まります。その後昭和44年(1969年)に栃木キヤノン株式会社と社名変更しました。
当時は鹿沼市で操業していましたが、昭和52年(1977年)に清原工業団地に進出し栃木キヤノン株式会社宇都宮工場としてスタートし、昭和57年(1982年)にキヤノン株式会社と合併しキヤノン株式会社宇都宮工場と名称変更しました。その後昭和58年(1983年)に光学機器事業所、次いで平成12年(2000年)に光学技術研究所を設立し現在に至っています。
栃木県は高速道路や新幹線を含めた東京へのアクセスが非常に良く、東京から1時間ほどでこれだけの広大な敷地で事業ができるというのは企業にとって大きな魅力だと思います。
また、北関東自動車道ができたことで、千葉・茨城へのアクセスも大変良いと感じています。当社としても茨城の港や成田空港を利用しますので、物流の面から見ても良い立地です。
また、当事業所は光学レンズを扱っているので水が大きなポイントとなります。清原工業団地は鬼怒川が近く、綺麗な水が大量に確保できるのが良いところです。
自然環境面では、雪の影響が少なく、冬場でも事業運営に困るというようなことはありません。
住環境についても、比較的物価も安く、住み易い環境だという声を事業所内でも多く聞きます。そのため、人事異動で初めてこちらに移ってきた人たちについて定年後も栃木で過ごすということが多いようです。
宇都宮事業所は、当社の高度光学技術の粋を結集させた、研究・開発から生産までを一貫して行う重要な拠点となっています。
当社の光学技術は当社にとって発展の大元であり、コンシューマ製品だけに限らず、産業製品やオフィス向け製品にも活かされています。
その光学技術の基礎研究・基礎開発を行っているのが、光学技術研究所です。研究結果が、そのまま製品に直結していくのが光学機器事業所と宇都宮工場ということになります。
また、皆様の生活に関連した製品としましては放送用途のものがあり、TV局のスタジオ、或いは野球場などの中継、ニュース取材等で使われる放送用レンズを生産しています。この放送用レンズのシェアは全世界で50%以上です。当社の中でもこれらの製品を生産しているのは当事業所だけですので、皆様がTVでご覧になる映像の半分以上は当事業所で造られたレンズを通しているということになります。
さらに、皆さんが学校や公共施設などでご覧頂いている液晶プロジェクターも生産しています。会議用のものから大型のスクリーン向けのものまで扱っています。一番大きな物では、9メートルの距離で300インチサイズの投影が可能です。
以上のものは宇都宮工場での生産製品となり、皆様の馴染みがあるものと言えると思います
宇都宮光学機器事業所では半導体露光装置、液晶露光装置を生産しています。
半導体露光装置とは携帯電話、PCなどの電子機器に搭載される半導体の回路パターンを焼付ける装置です最精細露光技術を集結し、世界の半導体メーカーで使用されています。
液晶露光装置とはガラスパネルに回路パターンを焼付けて大型液晶テレビなどの液晶パネルにする装置で、そのレンズユニット部分を当事業所で生産しています。こちらも世界の液晶パネルメーカーで使用されています。
また、ハワイ島マウナケア山頂にある国立天文台「すばる望遠鏡」には、キヤノンの光学技術を集結したレンズを搭載しています。外径0.97メートル、高さ1.6メートル、で何十枚ものレンズが使用されていますが、これらを光学機器事業所で製作しています。
清原地区で開催される各種イベント(花火大会、栃木SC・高校野球などのスポーツ、県民・市民参加のイベント)の時などに従業員駐車場の提供をしたり、定期的に社員による清原工業団地・事業所周辺の清掃活動をしています。
その他にも宇都宮大学、栃木県と産学官の提携を行っています。
将来の光学技術産業を担う技術者の育成と、光学応用分野の技術開発を目的に開設された宇都宮大学の「オプティクス教育研究センター」への資金や教育の支援を行っています。近くにある大学との参画共同事業ということは、地域貢献とも、栃木の立地環境の利点とも言えるところです。
また、地域の方への配慮・交通渋滞の緩和を目的として、立地当時から朝夕、宇都宮駅との往復の通勤バスを運行しています。
環境面での配慮としては、水の完全リサイクルを行っています。
レンズ加工の際は研磨・洗浄のため大量の水を使いますが、その工程後の水は処理して放流するのではなく、再生して再利用しています。これをクローズド・システムと呼んでいます。
特に洗浄水については、ろ過されて再度工程に使用される段階でほぼ純水といえる状態まで再生しています。
当事業所は、今後もこの地で皆様と共に生きていきたいと考えています。地元の方と一緒になり世界一の製品を栃木県、宇都宮市、清原発で全世界に提供していきたいと思っています。
当事業所の発展が、栃木県の発展につながっていけば非常に嬉しく思います。