企業名 | SABICジャパン合同会社 |
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住所 | 〒321-4392 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘2-2 |
TEL | 0285-80-2111(代表) |
ホームページ |
http://www.sabic-ip.com/gep/jp/Home/Home/home.html ※クリックすると別ウィンドウで開きます |
サウジアラビアに本社を置くグローバルな企業グループの一翼として、真岡の地で消費者向け製品や工業向け製品のデザイン・使い方に革新をもたらす新しい素材と技術を提供する、SABICジャパン合同会社様をお訪ねし、社長 秦孝之様にお話を伺いました。
SABICジャパン合同会社は、本社をサウジアラビアの首都・リヤドに置く石油化学業界の世界的リーダーであるサウジ基礎産業公社(SABIC=Saudi Basic Industries Corporation 以下、SABIC)の一事業部門です。
SABICは35年ほど前、サウジアラビアの油田のガスを製品化するため、日本の三菱グループ様から技術提供を受けた国家プロジェクトからスタートしました。以来日本の企業様とは非常に長いお付き合いを続けています。
当工場は、元はGE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)傘下のGEプラスチックスの工場だったのですが、平成19年(2007年)にGEプラスチックスがSABICに買収され、その後変遷し、現在のSABICジャパン合同会社となりました。
事業内容としては、各種プラスチックや特殊フィルム・シートの製造・販売を行っています。
当社で製造しているプラスチックは、日本国内にとどまらず世界中で使用されています。デジタルカメラのハウジングや高速道路などの防音壁など、小さいサイズのものから非常に大きなものまであらゆる製品に用いられ生活の中に溶け込んでいます。ワールドカップでも使用されたサッカースタジアムの屋根にも、ここ真岡で製造されたプラスチックが使われています。
GEプラスチックス時代に真岡の地に立地した頃から考えますと、物流の面が飛躍的に良くなりました。高速自動車道なども整いましたし、新幹線も開通し本数も増えています。
今までは東京港・横浜港にアメリカ・ヨーロッパなどから物資が届いていたのですが、最近では北関東自動車道が開通し茨城県の港も使用しやすくなりました。また関西圏・名古屋圏への物資の輸送も、茨城県の港が使用出来ることにより更に便利になりました。物流に関して多様な選択肢が増えたという点は大きいですね。
また、栃木県では雇用の確保がしやすいと思います。GEプラスチックス時代から栃木県内での雇用を続けておりまして、宇都宮大学様を初めとする多くの研究機関ともお付き合い致しております。・w術関係の施設も近くにあり技術的な話がしやすい環境です。
創業からの長い歴史と安定した雇用関係のため、従業員の入れ替わりが少ないという点もメリットです。技術が伝承され製品・品質が安定しているという信頼感がお客様の中にもあるため、当社の安定性と信頼性につながっていると思います。
当社ではSABICのプラスチック事業のほとんど全ての分野を手がけていますが、中でも日本のお客様向けの製品が中心となっています。
日本のお客様は、やはり他の国のお客様と比べましても、世界で一番品質に対する欲求が高いです。技術的にも当社は世界の製造拠点より高いものを持っていますので、そういった高品質の製品を求める日本のお客様からご用命頂いております。
プラスチックをプラスチックのままではなく、一度化学品の状態まで戻してリサイクルする技術も開発しています。
プラスチックというのは熱を何度も加えると弱くなるため、プラスチックのままリサイクルをするとなると限度があります。そこで一度化学品の状態まで戻して、もう一度確かな強度を持ったプラスチックを製造する技術を開発しリサイクルに貢献するということを、世界中の拠点の中でいち早く行っています。
また種類の違う廃プラスチック同士を合わせて違う機能を持たせた高機能プラスチックの製造や、リサイクルしやすいプラスチック製品のご提案といった事業も行っています。
日本は世界でも非常にゴミの分別回収の進んだ国です。プラスチックをリサイクルしやすい環境がありますし、また資源の少ない国ですので、プラスチックのリサイクル・循環システムを世界に先駆けて開発していこうという計画に力を入れています。
当社の研究所にはプラスチックのサンプルを検討する部屋があり、建物内には成形のデモ機や押し出し機が揃っています。また調色施設も完備し、各種金型も常備してあります。
お客様に実際にサンプルを見てもらい、機械をお使いいただくことで、製品にするとこうなりますよ、というのを直接確認していただくことが可能です。
また当工場には短期間で納品可能な小口の案件用のラインがあります。例えば携帯電話ですと、一つの機種で何色も展開するため、一色ずつのプラスチックの量は少ないのに納期が早いということも起こり得ます。そういった際に、当社ですと小さなラインで即座に対応することが可能です。
こういった小回りのきくサービスは世界の拠点でも類を見ない、非常に日本的でユニークなサービスであるかと思います。
地域の方への貢献ということで、真岡市・井頭公園のトンボの池の清掃活動を行っています。
また、栃木県内の企業様の設計・技術に携わる方向けに、プラスチックについての講習会を開き、当社の技術者が講義を行うこともあります。
更に、回収された使用済みペットボトルを化学品まで分解しそれを原料としたエコ箸という製品があるのですが、環境への優しさが好評で学校や官公庁の食堂などでご使用いただいています。
同様の製造法で作られたランチボックスやトレイもあり、こちらも学校や病院の給食に使用していただいています。
プラスチックというと環境に悪いのではないか、ゴミが出るのではないか、というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、そういったイメージを払拭し環境に優しいプラスチックを定着させるため、石油化学業界の世界的リーダー企業として責任を持って解決策を提案していきたいと考えています。
栃木県の方はあまり声高に「栃木は凄いぞ!」という主張をされていないように見えますが、私たちは立地以来40年間の中で栃木県の素晴らしさを良く分かっているつもりです。
栃木県民は人間関係が非常に穏やかで、派手なことはあまりしませんが、地に足の着いた考え方で非常に真面目であると感じています。
SABICジャパンが世界に対して築き上げてきた信頼感のベースは、栃木県民の県民性にあると思います。今後とも私たちは世界の企業として栃木県に居続けるつもりでおりますので、よろしくお願・「申し上げます。