企業名 | 池上通信機株式会社 生産統括本部 宇都宮事業所 |
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住所 | 〒321-0905 栃木県宇都宮市平出工業団地41-2 |
TEL | 028-660-3313(代) |
ホームページ | http://www.ikegami.co.jp/ ※クリックすると別ウィンドウで開きます |
昭和21年(1946年)に東京都大田区で設立され、昭和44年(1969年)より宇都宮工業団地(平出工業団地)で「情報通信と画像のプロフェッショナル」として活躍を続ける池上通信機株式会社 生産統括本部 宇都宮事業所様をお訪ねし、管理部 総務課 課長 橋本 和重様ならびに管理部 総務課 主査 峯 唯之様にお話を伺いました。
宇都宮事業所では主に映像に関する製品を製造しています。
放送用カメラシステム、放送用モニタ、セキュリティカメラシステム、医用カメラシステム、各種外観検査装置等を製造しています。(当社ではその他に映像制作・送出システム、映像伝送システム、中継車システムなども製造しています。)その中でも、放送用カメラは各テレビ局にあるスタジオカメラ、ハンディカメラ、屋外カメラや災害時のヘリコプターなどに搭載されるカメラなど様々なシーンで活躍しています。
また、放送用モニタはご家庭に届けられる前に放送局で映像チェックを行う超高性能なテレビとお考えください。技術要素は違いますが、放送以外にも、鉄道などで車掌や駅員が見るホームの安全監視などにも専用のモニタが使われています。
セキュリティカメラは安心カメラ、スーパー防犯などとも呼ばれ宇都宮駅の東口・西口や今泉小学校前、今市駅などに設置していますので皆様もご覧になったことがあるかもしれません。
医用カメラシステムはメディカルカメラとそれを映すモニタのシステムです。様々な医療現場で使用されています。
各種外観検査装置は画像処理を駆使して製品・生産物の検査を行うもので、医療用(末・顆粒剤、錠剤など)や果実用等があります。
その他としましては航空局で使用されるデジタルレコーディング機器(HDDを使用した音声レコーディング装置)などもあります。
私たちが宇都宮工場を開設したのは昭和44年(1969年)です。宇都宮工業団地(平出工業団地)に来たばかりのころは周囲は林の何もない場所でしたが、今ではずいぶんにぎやかになりました。
近年は工場の統合を進めて宇都宮と湘南にそれぞれ事業所があります。工場の統合をする際に、宇都宮を統合先とした理由として、一番目の理由は天災が少ない地域ということです。そのため、企業活動を安心して安全に行えるという点が優れていると考えています。
二番目の理由は交通インフラがとても良いということです。仕事をする上で東京を意識する必要があるのですが、宇都宮は新幹線が通っています。しかも現在では東京駅まで直通ですので、非常に便利です。駅までタクシーを使ってもあまり費用が掛からないという点も魅力の一つです。また少し離れてはいますが高速道路があることも見逃せません。
この場所は立地条件が良いですね。手前味噌になりますが、昭和42年(1967年)から43年(1968年)ごろに当社の人間が目を付けたのは素晴らしかったと思います。
宇都宮事業所として製造している主な製品はご説明したとおり、放送用カメラ、監視カメラ、モニタ、検査装置など大きくわけて4種類ほどあります。
・放送用カメラ
もともと池上工場(羽田)で作っていました。平成21年(2009年12月)に生産拠点を宇都宮に移してから製造しています。NHKホール(紅白歌合戦の会場)で使用されている放送用カメラは固定タイプ、ハンディタイプを含めてすべて弊社のカメラが配備されています。紅白歌合戦を当社のカメラで撮影して放送しているのは私たちの誇りです。NHK様で採用いただいている理由として、「信頼性(不具合が少ない)」と「画像がとてもきれい」なため採用いただいていると自負しています。
その他にも東京ドームや国会議事堂などでも採用いただいております。
ヘリコプターの外部に搭載されているカメラ(防災カメラ:ハイビジョンカメラ)などは官公庁にも納めています。
・監視カメラ
防犯や事故防止に活躍しています。防犯として宇都宮駅東西の防犯カメラなどがあります。
・モニタ
駅の監視カメラや車掌や駅員がホームの安全を確認する用途で使用しているもの、皆さんの目につきにくいところでは手術室などに配備されているメディカル用モニタなどがあります。
・各種検査装置
検査装置は特殊な製品で、実は売れ筋商品なんです。今までは国内企業様からの採用が多かったのですが、最近は韓国やインドなどアジア諸国からの引き合いが多くなってきています。
また平成22年(2010年)4月に、池上工場と統合になりまして、その際2棟の新棟を増築致しました。新しい施設・設備で社員一同心機一転し、更に一層良い製品を生産して参りたいと思います。
平成22年(2010年)の地域貢献活動について3つほどご紹介します。
1つ目ですが、平成22年(2010年)10月30日に宇都宮市御幸小学校様において公開授業を行いました。「宇宙に浮かぶ月から見た青い地球」と題して児童さんたちにお話をさせて頂きました。現在は役目を終えていますが、当社が製作したハイビジョンカメラが月周回衛星「かぐや」に搭載されていました。宇宙空間で使用されるカメラの開発秘話や、当社で製造しているスタジオカメラのカメラデモ(児童さんたちに操作してもらいました)などを行いました。特に、お話をさせて頂いたのが当時「かぐや」用カメラの開発に携わった課の課長でしたので、ご興味のある方には大変面白いお話だったのではないかと思います。一般的にはあまり知られていない放送用のテレビカメラに触れてもらい、児童さんたちにも保護者様方にとっても当社を少し身近に感じてもらえたのではないでしょうか?このような機会を増やすことで、児童さんたちのものづくりや科学技術への興味が増して将来に繋がってくれればよいと思います。当社にも大変貴重な経験になりました。
次に、インターシップとして宇都宮工業高校様から3名の学生さんを受け入れ、就業体験をしていただきました。
最後に、講師として検査部長が鬼怒中学校様へ赴き講義をさせていただきました。
また、将来的に小中学生の工場見学を計画しています。事前にご連絡いただければご案内させていただきたいと考えています。詳しいことは宇都宮工業団地総合管理協会様までご連絡願いたいと思います。
当社は昭和21年池上通信機材製作所として創立し、戦後間もない物のない時代にトランス、チョークコイル、電源機器の製造を始めました。
そのうちNHK様からTV放送関係で技術指導をいただき、現在の放送用カメラ、モニタやその周辺機器の製造を行うようになりました。
現在当社で扱っている製品は産業機器のため一般の方々には馴染みは少ないものばかりです。「一度使ってみてください」と申し上げたいところですが放送用カメラは非常に高価で普通乗用車並みの価格となっておりますので、なかなか普段使いに選んで頂く機会もないのが実状です。(ちなみに価格にレンズは含みません。レンズは別の会社様が作るのですが、このレンズもまた高価です。)
皆様の身近なところに、最先端技術を駆使した産業機器を製造する池上通信機株式会社 生産統括本部 宇都宮事業所があるのだと知っていただけたらうれしいです。