重要なお知らせ
更新日:2022年4月29日
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北那須浄水場において、令和3年度に排泥池の水面の凍結を防止する装置を新たに導入しましたので、その仕組みを紹介します。
排泥池は、薬品沈澱池や急速ろ過池から移送されてきた不純物(「汚泥」といいます。主に細かな土です。)を貯留する水道施設です。
写真1の左側に写る長方形の施設が排泥池です。
写真1 排泥池
池底には、沈澱した汚泥をかき寄せる機器が設置されています。汚泥は、時間をかけながら、池の端部の一段低くなったところにかき寄せられ、濃くなり、写真1の右側に写る円形の汚泥濃縮槽に送られます。
さて、北那須浄水場は、積雪寒冷地にあることから、冬期に排泥池の水面が写真2のように凍結し、氷の厚さが10cmになることもあります。氷で機器等が損傷しないように、従来は、水面に送風機の風を当てたり、ホースで放水したり、凍結を防止するための対応に大変苦慮していました。
写真2 排泥池の凍結の状況(従来)
そこで、なるべくコストをかけず、維持管理も容易にできる方法を思案してきました。
最終的に、ブロワから塩ビ管に空気を送り水中の水を上昇させ(※1)、その水勢により、水面に比較的温かい水(※2)を放水することで、凍結防止を図る方法を採用しました。
画像1に凍結防止の仕組みの概略を示します。
画像1 凍結防止の仕組みの概略図
※1 エアリフトポンプといいます。管内に空気を混入させることで、管外よりも単位体積重量が小さくなり、上向きの力が生まれ、上昇流が生じる物理現象のことです。
※2 水は、約4℃で単位体積重量が最大となるので、水中には、水面より温かい水(0~4℃)がたまっています。また、ブロワの熱風も水を温める効果があると思われ、凍結防止に有効です。
写真3は、工事中の状況を示しています。
汚泥かき寄せ機の更新工事に合わせて、凍結防止装置の工事も実施しました。
写真の右側には、放水に用いる塩ビ管が写っています。
写真3 エアリフトポンプ用の放水管
写真4は、新たに設置したブロワです。
ブロワから出た空気は、いったんヘッダ(塩ビ管50A)で受けた後、バルブ操作により、2系統(塩ビ管20A)ある凍結防止装置に送気されます。
写真4 ブロワの設置の状況
写真5は、令和4年2月に水面が全面凍結し始めた状況、写真6は、凍結防止装置の電源を入れて約1時間ほど稼働させた状況を示しています。この日(2月21日)は、雪が舞う気温マイナス4.4℃のとても寒い一日でしたが、エアリフト効果は有効に機能し、放水により排泥池の水面の凍結を防止できていることがわかります。
本装置の導入前は、凍結を防止するための対応に大変苦慮していましたが、導入後は、バルブ操作などで簡単に対応できるようになり、現場の作業効率を大幅に改善させることができました。
写真5 排泥池の凍結の状況(工事完成後)
写真6 凍結防止装置を稼働させた状況
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