医薬品の適正流通・使用について（家畜飼養者の皆様へ）

　昨今、偽装表示や農薬等の残留問題等から、食品への安全・安心に対する関心が格段に高まっています。

　食の安全性確保には、生産者をはじめ、各関係者が自覚・責任を持って取り組んで行くことが必要です。医薬品の使用についても、食品中への残留防止及び安全な使用のために十分注意して行ってください。

動物用医薬品の使用について

　使用については下記内容をよく確認し、遵守しましょう。

　１．使用対象動物

　２．用途

　３．用法・用量

　４．休薬期間又は使用禁止期間

　５．その他、使用上の注意

注射針の残留防止

　注射針の残留が無いよう、針の取扱いには十分に注意をしましょう。

－対策例－ 

• 　使用前に準備した本数をチェック
• 　使用時に残留しないよう注意して取り扱う
• 　使用後の本数が、準備した本数と同じであるか確認する　

医薬品の残留防止

　食品中への医薬品の残留を防止するために、使用や出荷には十分注意しましょう。

－対策例－

• 　動物用医薬品の添付文書をよく読んで、適正に使用する。
• 　用法・用量、休薬期間、使用禁止期間を確認し遵守する
• 　投薬中や投薬後の家畜・畜舎には表示を明確に行い、間違えないようにする。
• 　出荷する家畜や牛乳・卵を生産している家畜の治療記録を確認する。
• 　関係書類・記録は、問題が発生した時の重要な資料となるため、確実に保管する。 

要指示医薬品について

　要指示医薬品は獣医師から指示書の交付を受けた者でなければ購入できない医薬品です。　

　要指示医薬品とは：抗生物質・ホルモン剤・ワクチン等

１　獣医師の診察
　　指示書の発行は獣医師自らの診察が義務付けられています。（獣医師法第18条）

　確認ポイント

• 　獣医師の診察を受けていますか？

 

２　指示書の交付

　確認ポイント

• 　診察に基づき獣医師から指示書を受け取っていますか？
• 　指示内容について獣医師から説明を受けていますか？

　

３　要指示医薬品の購入

　　獣医師から指示書の交付を受けた者以外への販売は禁止されています（薬事法第49条）　

　確認ポイント

• 　要指示医薬品は指示書に基づき購入していますか？　

 

４　要指示医薬品の使用

　確認ポイント

• 　指示内容どおりの使用をしていますか？
• 　休薬期間を守っていますか？

　－対策例－　　

• 　要指示医薬品使用時には、指示書を再度確認する。
• 　投薬した家畜にはマークをつけ、出荷時に間違えないようチェックする。
• 　使用記録をつけ、出荷時に休薬期間が過ぎているか確認をする。

　　

５　要指示医薬品を使用する際に必要となる注射用水や消毒薬

　　注射薬を溶解するのに必要な注射用水や接種部位を消毒する場合に必要となる消毒薬について、別途購入が必要な場合の購入先が一部法改正により変わりました。

　　人体用の医薬品（医療用医薬品）に該当する注射用水や消毒薬の場合、A：薬局B：人用の医薬品卸売販売業者から購入することができます。Bの場合、使用目的である要指示医薬品の指示書又はその写しの提出が必要です。

　　人用の医薬品卸売販売業者に確認するとともに、県薬務課、健康福祉センターの指導に従って購入して下さい。 

使用規制対象医薬品について

　使用規制対象医薬品の使用は、使用者に対し、対象動物・用法用量・使用禁止期間等の基準の遵守が義務づけられています。（薬事法第83条の4、動物用医薬品の使用の規制に関する省令）

　使用規制対象医薬品とは：抗生物質・合成抗菌剤等

　また、使用者は下記事項について帳簿に記載するよう努めることが定められています。

　（１）使用した年月日

　（２）使用した場所

　（３）使用対象動物の種類、頭尾羽数及び特徴（耳標番号など）

　（４）医薬品の名称

　（５）用法・用量

　（６）使用した動物及びその生産する乳、卵等を食用とするためにと殺、水揚げ、出荷することができる年月日

　確認ポイント 

• 　使用しようとする医薬品が「使用規制対象医薬品」であるかどうか把握していますか？
• 　定められた対象動物・用法用量・使用禁止期間等の基準どおりに使用していますか？
• 　使用について帳簿をつけていますか？
• 　出荷することができる日を間違えないよう対策ができていますか？ 

 

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