重要なお知らせ
更新日:2021年12月23日
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【Q.3】どの程度の量のアスベストを吸い込んだら発病するのですか?
【Q.4】悪性中皮腫と診断されたら、すべてアスベストが原因だと考えてよいのですか?
【Q.5】過去にアスベストを吸い込んでいた可能性がある場合、どこに検査にいけばよいですか?
【Q.6】アスベストを吸い込んだかどうかは、どのような検査でわかるのですか?
【Q.9】中皮腫や肺がんの発症を予防するにはどうすればよいのですか?
【Q.10】中皮腫の進行を予防するにはどうすればよいのですか?
【Q.12】中皮腫が原因で死亡した家族がいますが、アスベストを取り扱っていたとは思えません。アスベストとの関係はあるのでしょうか?
【Q.13】主人が石綿工場で働いていたのですが、家族の健診はどうすればよいのでしょうか?
【Q.16】水道管に使われているアスベストは、健康に害を与えないのですか?
【Q.17】現在、工場の周りに住んでいますが大丈夫でしょうか?
【Q.18】栃木県内にアスベスト製品を製造している事業所はありますか?
【Q.19】アスベストの製造・使用等の規制はどうなっていますか?
【Q.20】自分の家に石綿を含む建材が使われているかどうか調べられますか?
【Q.21】昔、石綿工場の近くに住んでいたことがあるが大丈夫でしょうか?
【Q.22】近所で解体工事をしており、アスベストが飛散するのではないかと心配ですが大丈夫ですか?
【Q.24】30年前(昭和50年頃)に建てた家について、建材にアスベストが使用されているのではないかと不安です。どうしたらよいでしょうか?
【Q.25】建材にアスベストらしきものが使われています。アスベストかどうか確認したいのですが、どうしたらよいでしょうか?
【Q.26】一般的に、アスベストは住宅のどのような部分に使われているのか教えて欲しい。
【Q.27】以前、建築(又は設備)関係の仕事についていたが、アスベストを含むものを扱っていたかどうか心配です。どうしたらよいでしょうか?
【Q.28】自宅や事務所を解体する場合には届出が必要なのですか。必要な場合には、どこに届け出ればよいのですか?
石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。
その後も、安価な工業材料でしたのでスレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、 保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。
石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで飛散予防等が図られています。
石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、中皮腫は平均35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。仕事を通して石綿を扱っている方、あるいは扱っていた方は、その作業方法にもよりますが、石綿を扱う機会が多いことになりますので、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。現に仕事で扱っている方(労働者)の健康診断は、事業主にその実施義務があります(労働安全衛生法)。
石綿を吸うことにより発生する病気としては次のものがあります。労働基準監督署の認定を受け、業務上疾病とされると、労災保険で治療できます。
(1) 石綿(アスベスト)肺
肺が繊維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。肺の線維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、石綿の曝露によっておきた肺 線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15年から20年といわれております。アスベスト曝露をやめたあとでも進行することもあります。治療法は知られていません。
(2) 肺がん
石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあることも知られています。アスベスト曝露から肺がん発症までに15年から40年の潜伏期間があり、曝露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
(3) 悪性中皮腫
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。(進行が早く、予後が悪い疾患です。)若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20年から50年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
(4) 良性石綿胸膜炎
肺の表面は胸膜と呼ばれる2枚の薄い膜におおわれています。通常は2枚の膜の間にスペースはほとんどありませんが、この2枚の膜の間に刺激(炎症)で水がたまります。これが胸膜炎です。半数近くは自覚症状が無く、症状がある場合は咳、呼吸困難の頻度が高いといわれています。
(5) びまん性胸膜肥厚
良性石綿胸膜炎が発症するとそれに引き続き胸膜が癒着して広範囲に硬くなり、肺のふくらみを傷害し呼吸困難をきたします。胸部X線写真上胸膜の肥厚を認めるようになりますが、この状態をびまん性胸膜肥厚といいます。
アスベストを吸い込んだ量と中皮腫や肺がんなどの発病との間には相関関係が認められていますが、短期間の低濃度曝露における発がんの危険性については不明な点が多いとされています。現時点では、どれくらい以上のアスベストを吸えば、中皮腫 や肺がんになるかということは明らかではありません。
正確な割合は不明ですが、国際的な診断基準では、「悪性中皮腫の80%に職業性石綿暴露がみられた」とされています。
アスベストを吸い込んだ可能性のある方で呼吸困難、咳、胸痛などの症状がある方、その他特にご心配な方は呼吸器系の専門医がいる医療機関に相談されることをお勧めします。
胸部X線写真でアスベストを吸い込んでいた可能性を示唆する所見が見られる場合もありますが、アスベストを吸い込んだ方全てに胸部X線写真の所見があるとは限りません。ご心配な方は呼吸器系の専門医がいる医療機関に相談されることをお勧めします。
一旦吸い込んだアスベストの一部は異物として痰のなかに混ざり、体外に排出されますが、大量のアスベストを吸い込んだ場合や大きなアスベストは除去されずに肺内に蓄積されます。
胸痛、息切れ及び咳等の症状で発症しますが、無症状のことも多く、胸部単純X線写真などで偶然発見されることもあります。
過去、石綿に曝露したことによる中皮腫や肺がんの発症を予防することについては現在有効な手段は明らかではありませんが、石綿を吸い込んだ方がすべて中皮腫を発症するわけではありません。吸い込んだ石綿の量、期間、種類によって異なります。
肺がんについては、石綿曝露と喫煙との組み合わせで肺がんの発症は相乗的に上昇するとの報告があり、禁煙は重要です。
進行の予防については、現在かかりつけの医師とご相談下さい。
(1) 業務上、石綿(アスベスト)を吸入した方
業務上の吸入が原因で石綿疾患に罹ったり、亡くなられた場合に、労災保険から給付を受けられる場合があります。勤務先並びに都道府県労働局又は労働基準監督署までご相談ください。
厚生労働省 全国労働基準監督署の所在案内(外部サイトへリンク)
(2) 業務以外で石綿(アスベスト)による健康被害を受けられた方
石綿(アスベスト)による健康被害を受けられた方及びそのご遺族で、労災補償等の対象とならない方でも、石綿健康被害救済制度により給付を受けることができる場合もあります。環境省地方環境事務所、独立行政法人環境再生保全機構又は各広域健康福祉センターまでごご相談ください。
職業歴に石綿又は石綿関連製品を取り扱う事業所等に従事していた可能性がありましたら、都道府県労働局又は労働基準監督署で労災の相談を受け付けています。また、石綿は昭和30年代より輸入が急増し、屋根に使われるスレートのような建材を始めブレーキライニングなど、多くの製品に使用されていたことから、職場で知らずにアスベストを吸っていた可能性もありますので、少しでも思い当たる場合には都道府県労働局又は労働基準監督署にもご相談下さい。
厚生労働省 全国労働基準監督署の所在案内(外部サイトへリンク)
ご心配な方は呼吸器系の専門医がいる医療機関に相談されることをお勧めします。また、自治体が実施するがん健診の機会も積極的に利用して、定期的に検査を受診していただくことをお勧めします。
中皮腫の診断は難しく、どのような健康調査があり得るかも検討が必要です。石綿による健康被害については、国が情報収集に努めているところです。
アスベストで起こる肺の病気の診断には、胸部CTやMRIが有用ですので、これらの機器がある病院でまず相談されるのが良いでしょう。できれば、呼吸器系の専門医がいる病院が良いと思います。
水道水に溶け込んだアスベストを摂取した場合の毒性は、粉じんを吸い込んだ場合に比べて極めて小さく、水道水中のアスベストの存在量は問題となるレベルにないことから、水質基準の設定も行われておりませんので、健康への影響は心配しなくてもよいと思います。
昭和30年代から40年代頃の間、工場の周りに住んでいたことによって、石綿に曝露されていたかどうかはわかりませんが、現在は、作業環境はもとより、工場の敷地境界の濃度の基準の遵守が義務づけられているため、工場周辺の一般大気環境は健康に影響を及ぼしうるものとは考えられません。
平成元年以降、大気汚染防止法により、アスベスト製品を製造している事業所であって一定規模以上の製造施設(特定粉じん発生施設)を設置している場合は、届出を出すこと、敷地境界基準(アスベスト繊維10本/リットル)の遵守などが義務づけられています。現在、宇都宮市を含む栃木県内に、特定粉じん発生施設を設置している事業所はありません。
また、平成13年度以降、PRTR法により、アスベストを年間500kg以上取り扱った事業者は、アスベストの環境中への排出量及び移動量を把握するとともに、届出をすることが義務づけられています。
これまでに届出がされた事業所は次のとおりです。
事業所名 |
所在地 |
備考 | |
1 |
大和木材工業株式会社 |
鹿沼市 |
公表時点で製造・加工はしていない。 |
2 |
住友電気工業株式会社 関東製作所 (現 住友電工ブレーキシステムズ株式会社 鹿沼製作所) |
鹿沼市 |
公表時点で製造・加工はしていない。 |
3 |
松下電工外装株式会社 |
足利市 |
公表時点で製造・加工はしていない。 |
4 |
石川ガスケット株式会社 |
宇都宮市 |
公表時点で製造・加工はしていない。 |
5 |
富士興業株式会社 栃木工場 |
塩谷町 |
公表時点で製造・加工はしていない。 |
労働安全衛生法で昭和50年に吹付けアスベストが原則禁止され、その後平成元年に大気汚染防止法で、アスベストを使用する施設に対して届出や敷地境界基準の遵守義務などが規定されました。
平成7年には、労働安全衛生法で、青石綿、茶石綿及びそれらの含有製品の製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止され、平成9年には、大気汚染防止法で、吹付けアスベスト使用建築物(一定規模以上のもの)の解体等作業に対する届出、作業基準の遵守などが義務づけられました。
平成16年には、労働安全衛生法により白石綿についても製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止され、平成17年には石綿障害予防規則により、解体等作業の届出、作業基準の遵守などが義務づけられました。
令和2年には、大気汚染防止法等が改正され、規制対象の拡大、事前調査結果の報告の義務づけ、作業記録の作成・保存の義務付け等の見直しが行われました。
目で見て判断することは難しいので、商品名、製造年がわかるようであれば、メーカーにお問い合わせください。商品名は、家を建てた時の設計図書が残っていればそれを参考に、また、設計図書が残っていない場合は家を建てたときのハウスメーカー、工務店等にアスベスト含有建材かどうかお問い合わせください。
中皮腫は吸い込んだ石綿の量が多いほど発症のリスクが高いと考えられており、労働者など直接石綿又は石綿含有の製品を取り扱う方は大量にかつ長期にわたって吸い込むので、最もリスクが高いと考えられています。
昭和30年代から40年代頃の間に石綿工場の周辺に居住していた住民の中皮腫の発症については、その実態が明らかではありませんが、我が国で職業曝露以外の石綿曝露により、中皮腫が発症した事例の報告は極めてまれです。
今後、情報の収集等を行って、国においても一般住民のリスクについては検討する段階であると聞いております。
大気汚染防止法では、アスベストが吹付けられている建築物を解体する場合には届出を出すこと、また、アスベストが周辺に飛散しないように、作業場所の隔離、湿潤化、排気装置の設置等の措置を講ずるよう義務づけています。
なお、「労働安全衛生法」に基づく「石綿障害予防規則」において、建築物の解体等を行う場合には、あらかじめアスベストの使用等について調査し、アスベストが使用されている場合には、アスベストの飛散を防止する措置をとることが義務づけられています。
県では、建築解体関係団体を通して、解体作業の際にアスベスト含有の有無を調査し、アスベストが含まれている場合には、アスベストが飛散しないよう措置することを指導しております。
厚生労働省委託事業により、社団法人 日本作業環境測定協会が石綿含有建材中の石綿含有率等分析機関一覧を公表しております。
また、同協会では、石綿分析に係るクロスチェック事業による認定分析技術者も公表しております。
石綿含有建材中の石綿含有率等分析機関一覧(外部サイトへリンク)
石綿分析に係るクロスチェック事業認定分析技術者一覧(外部リンク)(外部サイトへリンク)
なお、詳細については、各事業所にお問い合わせください。
家を建てた時の工務店又は購入した住宅販売店に確認するのが一番よいと思います。
ただ、一般的には、アスベストが含まれていても飛び散る心配がない建材(吹きつけアスベスト等でないもの)であれば、日常生活上は心配ない(あること自体が問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため)ということですので、あまり不安がらなくてもよいと思います。
家を建てた時の工務店又は購入した住宅販売店に確認することが、使用されているかどうかを確認するための一番確実な方法ですが、建材のリスト等資料が残っていなければアスベストが含まれているかどうか判断できないと聞いています。その場合は、アスベスト測定を受け付けている計量証明事業所に検査を依頼することになると思います。
一般の住宅では、規制前に屋根材や断熱材などに使われていた例があるようですが、具体的には、県の住宅課にお問い合わせください。
県土整備部住宅課(電話番号 028-623-2484)
勤めていた会社に確認するのが一番だと思いますが、すでに会社がないような場合には、仕事に就いていた期間や具体的な仕事の内容等を明らかにして、お近くの労働基準監督署にご相談ください。
厚生労働省 全国労働基準監督署の所在案内(外部サイトへリンク)
アスベストを使用している建物を解体する際には、解体施工業者は大気汚染防止法に基づく県への届出と労働安全衛生法に基づく労働基準監督署への届出が必要になります。
具体的には、大気汚染防止法については各環境森林事務所環境対策課にお問い合わせください。労働安全衛生法に基づく届出については労働基準監督署にご相談ください。
お問い合わせ
環境保全課 大気環境担当
〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館11階
電話番号:028-623-3188
ファックス番号:028-623-3138