栃木県障害者差別対応指針【概要版】障害者差別解消のための道しるべ  障害があってもなくても、学ぶことや働くこと、遊びに出かけることが自由にできる。  障害者差別の解消は、そんな誰もが暮らしやすい共生社会とちぎの実現です。  障害者もそうではない人も、ともに協力して、身近なことから取り組みましょう! 栃木県保健福祉部障害福祉課平成29年3月 なぜこの指針をつくったの?  この指針は、「栃木県障害者差別解消推進条例」に基づき、ぼくたちが障害者差別解消のための"道しるべ"としてつくったんだ!  この冊子は、指針の内容をわかりやすくまとめたものだよ! 障害者差別解消のポイント  「障害者差別解消を推進するための基本的な考え方」や「障害に関する基礎的な知識」を前提として、障害者と「対話する」「相互に理解する」「協力して工夫する」ことがポイントです。 障害者差別解消の心がけ  全ての県民が取り組むことが大切です   学校で学ぶ、仕事をする、買い物をする、遊びに出かけるといった社会参加すること全てに関わります。   関係のない県民はいません。私たち全員で取り組みましょう!  全ての県民が場面・状況に応じて考え工夫していくことが大切です   障害者は一人ひとり異なり、場面や状況によっても、必要な配慮は変わります。   この指針はマニュアルではありません。状況に応じて考え、工夫しましょう!  障害者の意思を尊重することが大切です   "困った"を自分で解決しようとする人がいます。また、うまく伝えられない人もいます。   その人の意思を確認し、尊重しましょう! 大切な考え方をおしえて!  条例では、次の3つのことを基本理念として大切にしているよ!  色々なことにつながる、とても重要な考え方なんだ! 1 等しく基本的人権を享有する個人として全ての県民の尊厳が重んぜられること及びその尊厳にふさわしい地域生活を営む権利が尊重されること    私たちは、一人ひとり、様々な個性や特徴を持っており、誰一人として同じ人はいません。    障害があってもなくても、個人として個性を認め合い、互いに尊重しあうことが大切です。そうすることで、地域で自分らしく暮らしていくことができます。 2 障害及び障害者に関する理解を深めること    障害のことや配慮の仕方がわからなくて、利用を断ってしまうなど、多くの障害者差別の原因は、障害や障害者のことをよく知らないことです。    障害及び障害者に関する理解を深めることが大切です。 3 地域社会を構成する多様な主体が、相互に協力すること    障害者もそうではない人も、地域社会に暮らす私たち一人ひとりやお店・会社、行政などが、ともに協力して障害者差別を解消していくことが大切です。 障害者って障害者手帳を持っている人のこと?  障害者とは、障害があることで、学校で学ぶ、仕事をする、遊びに出かけるといったことに、色々な難しいことがある人のことなんだ。  障害者手帳を持っていない人もたくさんいるんだよ! 1 障害者とは    「障害者」とは、身体障害や知的障害、精神障害、発達障害や高次脳機能障害、さらには難病などにより障害のある人で、社会的障壁によって、学校で学ぶ、仕事をする、遊びに出かけることに相当な制限を受けている人のことをいいます。    障害者手帳を持っていない人もいます。 2 社会的障壁とは    障害のある人が、学校で学ぶ、仕事をする、遊びに出かけるときに妨げとなる、物やルール、習慣、思い込みなどを社会的障壁といいます。   たとえば   ・手に障害がある人や車いす利用者にとって、開けづらいドア   ・視覚障害の人にとって、書類にサインをするルール   ・聴覚障害の人にとって、言葉を声に出して説明する習慣   ・「障害者は誰かに面倒を見てもらわなくてはならない」という思い込み など  障害や社会的障壁は一人ひとり異なるよ!  外見では障害がある人かどうか、わかりにくい人もたくさんいるんだ! 障害者差別の解消ってな〜に?  障害者差別を解消するためには、「不当な差別的取扱いをしないこと」や「合理的配慮をすること」が重要なんだ。県民みんなで取り組もうね! 1 不当な差別的取扱いとは   正当な理由なしに、障害があることだけを理由として、障害者をそうではない人よりも不利に対応することです。   たとえば   ・障害があることを理由に、物を売らない、施設を利用させない、アパートを貸さないこと   ・身体障害者補助犬を連れていることを理由に、入店を拒否すること   ・障害のない人の付添いを条件にする、利用する時間や場所を制限すること など   「正当な理由」とは、ほかの人への対応と違うことについて、多くの県民がやむを得ないと納得できる、具体的で客観的な理由のことだよ!  何人も不当な差別的取扱いをしてはいけない(条例第12条)  つまり不公平なことはしないようにしようってことだね!  条例では、県やお店、会社だけではなく、  全ての人に不当な差別的取扱いをすることを禁止しているよ! 2 合理的配慮とは   そのときの状況に応じて、障害者が、そうではない人と同じように社会参加する上で困っていることを伝えられたとき、過重な負担のない範囲で、困っていることをなくすための取組をすることです。   たとえば   ・聴覚障害のある人から、メールやファックスで予約や注文を受けること   ・知的障害のある人に、わかりやすい絵や実物を見せて説明すること   ・障害者に席を譲る、おもいやり駐車スペースを適切に利用すること など   「過重な負担」とは、配慮ができないことについて、多くの県民がやむを得ないと納得できる、具体的で客観的な理由のことだよ!  県民は合理的配慮をするように努める(条例第13条第2項)  つまりたのまれたら手伝おうってことだね!  条例では、お店や会社だけではなく、県民みんなで合理的配慮をするよう頑張ろう って決めているんだ! どうしたら 障害者差別を解消できるの?  次のようなことを手がかりとして、障害者と「対話する」「相互に理解する」「協力して工夫する」ことで解消されるよ! 1 その人のことを知りましょう   不当な差別的取扱いをしないためにも、合理的配慮をするためにも、その人にどんな障害があって、学校で学ぶ、仕事をする、遊びに出かけるときに、どんなことに困っているかを知りましょう。   このとき、プライバシーへの配慮や、不必要なことを聞かないことなどに注意しましょう。  障害によっては、コミュニケーションにも配慮が必要な人がいるよ!  ・聴覚障害のために、聞くことが難しい  ・音声機能や言語機能の障害のために、聞くこと、話すことなどが難しい  ・知的障害や発達障害などにより、理解することや話をすることが難しい 2 対話をして歩みよりましょう   その人の障害や困っていることがわかったら、どうしたら困っていることが解決できるか、対話をして歩みよりましょう。   そのとき、望まれている方法が難しくても、他に工夫ができないか考えるなど、前向きな対話をしましょう。 3 お互いの理解が大切です   コミュニケーションがうまくとれておらず、お互いに理解不足のときは、困っていることを解決しようとしても、障害者がいやな思いをすることがあるかもしれません。   対話をして歩みよりながら、思い違いがないよう、必要な声かけや確認などをして、お互いの理解を深めましょう。 4 説明と納得が重要です   対話によりお互いの理解を深めていっても、どうしてもサービスなどの利用が難しい場合や配慮してほしいことができない場合があります。   こんなときは、多くの県民が納得できる、具体的・客観的な理由を説明しましょう。   そして、障害者に納得してもらえるようにしましょう。   "難しい・できない場合"って、こんな理由じゃダメだよ!    ・よくわからないけど、障害者には危険な気がする。    ・なんとなく、ほかの人の迷惑になりそう。    ・とにかく忙しくて大変で、手間がかかってしまう。    "どんな危険があるか"など、具体的に説明できなくてはいけません! 5 環境の整備をしましょう   環境の整備とは、合理的配慮をしやすくするための準備です。簡単に合理的配慮ができるようになったり、障害者も社会参加しやすくなったりします。   たとえば   ・スロープやエレベーターを設置する   ・ルビをふる、わかりやすい表現を使う   ・文字の拡大や色の変更、音声読み上げができる機能があるホームページを作る   ・おもいやり駐車スペースを設置する、適正に利用されるようガードマンを配置する   ・スムーズに配慮ができるよう、研修を行う など   環境の整備が進むと、障害者だけではなく、高齢者や妊産婦をはじめとした全ての人にとって暮らしやすい、やさしい社会になります。   また、お客さんや施設を利用する人が増えたり、満足度が上がったりするかもしれません。  どんな 障害や 合理的配慮があるの?  障害者差別を解消するためには、障害や合理的配慮の具体例を知っておくことが大切だよ!  でも、障害者といっても同じ人はいないし、場面によって必要な配慮も異なるんだ。  ここで記載していることのほかにも、色々な障害の特性や合理的配慮があるから、その人や場面で工夫しながら実践しようね! 肢体不自由  肢体不自由とは、事故や病気などにより、手足や体の機能に障害がある状態です。歩く、座る、手や指を使って作業をする、話すなど、日常の様々な動作が難しい人がいます。また、表情が思うようにならない、体温や血圧の調節が難しい人もいます。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・移動の邪魔になる物を動かす、本人の希望を確認して車イスを押す、ドアの開け閉めを手伝う、手の届かない場所の物を代わりに取る、段差にスロープを置くこと  ・筆談のためのメモやボードを使って、要件やどんな配慮が必要か確認する、代筆すること  ・本人に確認して部屋の温度を調節する、ひざかけを渡す、暖かい(または涼しい)服装をしてもらうこと  ・移動が難しい場合、移動しやすい別室やテーブルで用件を聞くこと 【学校で】  ・体育の授業で、その人の状態に応じて、ボールの大きさや投げる距離を変える、走る距離を短くする、スポーツ用車いすの使用を認めること 【公共交通機関で】  ・バスに乗るとき、車イス利用者にスロープを出す、他の乗客にアナウンスして必要な配慮をお願いすること  ・タクシーに乗るとき、車イスや荷物をトランクにしまう、乗り降りを手伝うこと 【職場で】  ・机やテーブルの場所を工夫して動きやすくする、よく使う書類などを手の届きやすい場所に置くこと 内部障害  内部障害とは、内臓機能に障害がある状態です。心臓や呼吸器、膀胱・直腸、腎臓などの内臓機能が低下しているため、疲れやすかったり体力が低下していたりします。  外見ではわかりにくく、周囲の人に理解されにくいため、障害による疲れや体調の悪さを感じていても、周囲の人に言えずにいることがあります。  外見ではわからない障害があることを理解し、手を貸す、席を譲るなどの配慮をしましょう。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・本人の体力や体調に配慮して、休憩をはさむこと  ・建物内のオストメイト対応トイレの場所を確認し、案内すること  ・酸素吸入器のための電源の使用を認めること  ・呼吸器機能障害者に配慮し、禁煙や分煙を行うこと 【仕事で】  ・人工透析が必要な人に、通院や安静にするために必要な休憩などを認めること 困っている様子の人がいたら声をかけよう!  困っている様子の人がいたら、勇気を出して「こんにちは 何かお困りですか?」と声をかけてみましょう。  このとき、困っている様子の人が、障害者かそうでないか、外見では判断できないこともたくさんあります。また、実際には困っていない人や、困っていることを自分で解決しようとしている人もいます。  そのようなときは、その人の意思を確認し、尊重しましょう。  困っている様子の人に声をかけることは、勇気がいりますが、配慮しようというやさしい気持ちが伝われば、その気持ちが社会に広がっていくのではないでしょうか。  困っている様子の人にやさしく声をかけることは、障害の有無にかかわらず共に支え合う「共生社会とちぎ」実現に向けた第一歩です。 ヘルプマーク  ヘルプマークは、外見からわかりにくい障害があることなどにより、援助や配慮を必要としている人が、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるマークです。 視覚障害  視覚障害とは、見えづらい、まったく見えないなど、視覚に何らかの障害がある状態です。“見えづらい”とは、「細部がよくわからない」「見える範囲が狭い」など様々です。  困っている様子のときには、まず声をかけてください。また、駅のホームや道路などで危険なときは、急いで声をかけ、安全なところに誘導し、そのことをきちんと説明しましょう。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・「それ」「あれ」「このくらい」などの言葉を使わず、「あなたの正面」「○メートル」などと具体的に説明する、聞き取りやすいよう明瞭に話すこと  ・点字や拡大文字、音声データや音声コード、テキストデータで情報を提供すること  ・本人に適切な明るさを確認し、照明器具を使う、座席の位置を変更すること  ・「こちらは○○です」と伝えて、物やおつりを手渡したり、食器等を手に触れさせたりすること、券売機の店で、口頭で注文を受けること  ・通路や点字ブロックの近くにある邪魔な物を動かす、置かれないよう注意すること 【公共交通機関で】  ・タクシーから降りたとき、目的地に向かっているか見届け、必要に応じて声をかけ、適切な場所まで案内すること 【学校や仕事で】  ・教科書や資料などを点字や拡大文字にする、テキストデータで事前に渡すこと  ・入学試験や採用試験において、点字や拡大文字を使う、音声読み上げを行う、試験時間を延長すること  ・日ごろから使用している物の位置を変えないようにすること  ・机や打合せテーブルの場所を工夫して、移動の負担を少なくすること  視覚障害者とのコミュニケーション手段には、次のような方法があるよ!  どのような方法がよいのか、本人に確認しようね。  ・点字、拡大文字(22〜28ポイント程度、太ゴシック)の文書  ・音声による読み上げ、デイジーや音声を録音したCDなどの音声データ  ・パソコン音声読み上げソフトで使えるテキストデータ  ・音声コード(ページの左下の二次元コードだよ!) 聴覚障害  聴覚障害とは、聞こえづらい、まったく聞こえないなど、聴覚に何らかの障害がある状態です。聞こえ方は様々で、補聴器などを付けている人や、日常の言語として「手話」を使用している人もいます。  聴覚障害は外見ではわかりにくく、周囲の人に気づかれにくい障害です。このため、あいさつなどを無視していると誤解されることがあります。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・本人の希望を確認し、筆談や手話などを使ってコミュニケーションをとること  ・手話通訳や要約筆記が適切にできるようにはっきりと大きな声で話す、通訳がされているか確認しながら話す、手話通訳者や要約筆記のスクリーン近くに席を用意すること  ・受付窓口などで、口元が見えるようマスクをかけずに対応すること  ・ファックスやメールで、予約の受付、説明や相談などをすること  ・振動式の呼出器を使って呼び出すこと 【学校で】  ・授業などで、読話ができるように口元が見えるよう生徒の方を向いて話すこと  ・外国語のリスニングなどで、音質・音量を調整したり、文字で代わりの問題を用意したりすること  聴覚障害者とのコミュニケーション手段には、次のような方法があるよ!  どのような方法がよいのか、本人に確認しようね。  ・筆談(紙に書く、手のひらや空間に指で文字を書く)  ・要約筆記(話の要点をまとめ、紙やスクリーンに表示する)  ・手話(手や指、表情、体で表現する視覚言語)  ・読話(相手の口の動きで言葉を読み取る)  ・スマートフォンやタブレットの活用 盲ろう(視覚と聴覚の重複障害)  視覚と聴覚の両方に障害のある人を「盲ろう者」といいます。盲ろう者は、触覚や残された視力、聴力を活用してコミュニケーションをとりますが、会話やテレビ、ラジオを楽しむことも難しいため、情報が極端に限られてしまいます。  また、外出するときは、通常、家族や通訳・介助員が一緒にいます。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・本人の希望や状況を確認し、音声、手のひら書き、手話や接近手話、触手話、拡大文字による要約筆記、点字や指点字などを用いてコミュニケーションをとること  ・本人の希望や状況を確認し、話をするときのスピードをゆっくりにする、伝わっているかを確認しながらコミュニケーションをとること  ・一人で困っている様子のとき、まず声をかけ、反応がないときは、驚かせないよう軽く肩を叩くなどしてから、手のひら書きなどにより状況を確認し、必要に応じて安全なところへ誘導したり、家族などを探したりすること   盲ろう者には色々な人がいるよ!どんな配慮が必要か、本人に確認しようね!  ・最初に視覚障害者となり、その後、盲ろう者となった人   → 音量や聞きやすい方向などを確認した上で音声による会話ができる人や、点字が読める人、指点字ができる人もいます。一方、手話によるコミュニケーションが難しいです。  ・最初に聴覚障害者となり、その後、盲ろう者となった人   → 手話ができる人や、接近手話、触手話ができる人もいます。一方、点字によるコミュニケーションが難しいです。 音声機能や言語機能の障害  音声機能や言語機能の障害として、口唇や舌、歯などの構造や機能に異常があるため、正確な発音や発声が難しくなる構音障害、脳梗塞や脳出血などにより脳の言語機能が損傷されることで、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことがうまくできなくなる失語症があります。 <合理的配慮の具体例> 【構音障害:色々な場面で】  ・筆談をする、"はい""いいえ"で答えられる質問をするなど、本人の状態に応じた方法でコミュニケーションをとること  ・相手と対面して話を聞いたり、集中して話を聞くことができるよう、テレビや音楽の音を小さくしたり、静かな個室で話を聞いたりすること 【失語症:色々な場面で】  ・ゆっくりと短い言葉やわかりやすい表現で話す、図・イラストを使って説明する、"はい""いいえ"で答えられる質問をするなど、本人の状態に応じた方法でコミュニケーションをとること  ・本人の希望に応じて代筆すること 【失語症:仕事で】  ・失語症のために難しくなった能力をあまり使わない仕事を割り振ること 知的障害  知的障害とは、おおむね18歳までに知的な機能の発達に障害が生じている状態で、何らかの支援が必要です。  障害の状態は一人ひとり異なります。それぞれの人の発達を理解した支援によって、学校で学ぶ、仕事をする、遊びに出かけることができます。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・本人の理解度に応じて、ゆっくり、丁寧に、繰り返し説明すること  ・本人の希望に応じて、落ち着いて待ったり食事をとったりできるよう、個室を用意して貸し出すこと  ・暗黙の了解であっても主語などを省略しない、あいまいな言葉を使わずに具体的な言葉を使って説明する、二重否定や比喩を使わない、簡潔な文章にする、分かち書きにするなどして、わかりやすい表現を使うこと  こんなふうにすると、わかりやすくなるよ!    食堂で火災が発生したため、エレベーターを使わず、直ちに指定の場所へ避難してください。  → 食堂で火事がおきました。急いで外の広場へ逃げてください。階段で逃げてください。エレベーターは使えません。 【病院で】  ・本人の希望に応じて、落ち着いて治療を受けられるよう家族や支援者の付添いを認めること 【学校や仕事で】  ・理解に応じて、絵や図を使うなど、見てわかりやすい教材や手順書を使うこと  ・手順を細かく分ける、実際に物や作業の様子を見せて具体的な説明や指示をすること 精神障害  精神障害とは、精神疾患などにより、学校で学ぶ、仕事をする、遊びに出かけるといったことに難しさがある状態です。脳の機能障害と考えられており、誰もがなりうる身近な障害です。また、発達障害や高次脳機能障害も精神障害に分類されています。 ○気分障害   気分の波が主な症状としてあらわれる病気です。   気分の落ち込みや不安などを特徴とする「うつ病」と、気分の落ち込みや気分の高揚などの特徴を繰り返す「双極性障害(躁うつ病)」などがあります。 ○てんかん   何らかの原因で、一時的に脳が過剰に興奮することにより発作が起こる病気です。   意識障害を伴わずに体の一部がけいれんする発作、嗅覚や聴覚に異常があらわれる発作、意識障害を伴う発作など、人によって様々なタイプの発作があり、その頻度も様々です。 ○統合失調症   脳の様々な働きをまとめることが難しくなるために、幻覚や妄想などの症状があらわれます。また、適切な会話や行動、作業ができにくいという生活の障害もあらわれることがあります。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・大勢の人がいることや、音が気になることなどにより、その場所で待つことができないとき、呼出器の活用や携帯電話への連絡、呼出時間を決めることなどにより、落ち着いたところで待つことができるようにすること 【学校や仕事で】  ・手順を細かく分けたり、見てわかる工夫を取り入れたりするなど、具体的な説明や指示をすること  ・服薬や通院のための休暇を認めること  ・本人の希望に応じ、落ち着ける別室での休憩を認めること 発達障害  発達障害とは、以下のような障害の総称です。  認知や言語、運動、社会的な能力や技術の習得などに得意・不得意があります。 ○自閉症やアスペルガー症候群を含む広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)   言葉の発達の遅れ、コミュニケーションの障害、対人関係・社会性の障害、パターン化した行動、こだわりなどがあります。 ○注意欠陥多動性障害(ADHD)   集中できない、ケアレスミスが多い、じっとしていられない、しゃべりすぎる、考えるよりも先に動く、質問が終わる前に話し出すなどの特徴があります。 ○学習障害(LD)   知的な発達に遅れはありませんが、「読む」「書く」「計算する」などの特定のことを学ぶ、行うことが苦手です。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・慣れない場所や本人のこだわりから、診察室に入れないとき、医師が外に出て診察すること、また、店などに入れないとき、外でメニュー表やサンプルを見せて必要な商品の購入を手助けすること  ・大勢の人がいる、音などが気になるためその場所で待つことができないとき、呼出器の活用や携帯電話への連絡、呼出時間を決めることなどにより、落ち着いたところで待つことができるようにすること 【学校や仕事で】  ・入学式などのとき、見通しが持てるよう、下見を許可したり事前にスケジュールを説明したりすること  ・学習障害のため漢字の読み書きが苦手な人に、漢字にルビを振って読みやすくすること、パソコンなどの機器を使って、苦手な部分を補助すること  ・生活や学習のために必要なものの持ち込みを許可すること  ・あいまいな言葉の理解が難しい人に対し、具体的な言葉、写真や絵カード、模型などを用いて、具体的なイメージが持てるように説明すること  ・作業の手順を細分化する、「○時までに△△する」と事前に伝える、スケジュール表を使うなどにより見通しが持てるようにすること  発達障害の人と接するときは、こんなことを心がけよう!  ・人混みや音などの刺激が苦手な場合    刺激をできるだけ少なくするなどの環境を整えましょう。  ・あいまいな言葉が理解しにくい場合    具体的でわかりやすい言葉を使ったり、写真や絵などを見せたりしながら伝えましょう。  ・見通しが持てず、不安になる場合    カレンダー、スケジュール表を活用するなど見てわかる工夫をして、次の予定を伝えましょう。  ・パニックを起こしてしまった場合    強引な対応や不必要な言葉がけは、かえって不安を増大させます。命の危険や怪我などがないよう、周囲の危険な物を動かすなどして、落ち着くまでしばらく見守りましょう。  ・暗黙の了解がわからないなど、コミュニケーションが難しい場合    優しく、はっきり、短い言葉で伝えましょう。また、「きちんと」「ちょっと」などあいまいな表現ではなく、「○回」「○分」など具体的な表現を使いましょう。    また、「××しない」など否定形ではなく、「○○しましょう」と肯定形で、具体的に何をすればよいかを伝えましょう。 │ 高次脳機能障害   高次脳機能障害とは、事故や病気などで脳に損傷を受けたことにより、注意・思考・記憶・言語・行為や感情のコントロールなどが難しい状態です。   複数の症状があらわれるのが一般的で、そのあらわれ方は大きく個人差があります。   また、外見ではわかりにくい症状もあるため、周囲の理解がないと、誤解やトラブルなどの原因になります。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・通常、口頭で行う案内や説明に加え、紙にメモをして渡すこと  ・本人の希望や疲労等の状態に応じて、ゆっくり会話をする、落ち着いたところで休憩できるようにすること 【学校や仕事で】  ・仕事の手順をわかりやすく具体的に説明する、その手順のメモやチェックリストを作成し、目につくところに貼っておくなど、いつでも確認できるようにすること  ・グラフや表の線を太くして見やすくする、滑りにくい定規や目盛りが見やすい道具を使うなど、取り組みやすくする工夫をすること  高次脳機能障害の人と接するときは、こんなことを心がけよう!  ・気が散りやすく、うっかりミスが多い場合    集中しやすい環境づくりを心がけ、内容確認の声かけを行いましょう。  ・覚えられない、思い出せない場合    メモやカレンダー、スケジュール表を活用するなど見てわかる工夫をしたり、一度に伝える情報量を少なくしたりして伝えましょう。  ・計画が立てられない、要領良くできない場合    作業の手順を細かく分けるなど、わかりやすく、具体的に示すようにしましょう。  ・ささいなことで怒り出す、我慢ができない、やる気が出ないなど感情や行動のコントロールができない場合    話題や場所を変える、行動のきっかけとなる原因を探し避けるようにしましょう。  ・脳が疲れ易いため、集中が続かない場合    こまめに休憩をとるようにしましょう。 難病   難病とは、発病の原因が明らかでなく、根本的な治療方法が十分には確立していない希少な疾病です。   難病には様々なものがあり、また、同じ疾病であっても人によって症状は異なります。そしてその多くは、外見から病状がわかりにくくなっています。   定期的な服薬や通院、休憩などが必要な場合もありますが、その人の病状に合わせた配慮があれば、多くの人が仕事や学校生活などを送ることができます。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】 ・本人の体力や体調に応じて休憩をはさむこと 【学校で】  ・治療等のため学習できない期間が生じる児童生徒等に対し、補習を行うなど、学習機会を確保する方法を工夫すること。 【仕事で】  ・服薬や通院のための休憩や休暇を認めること。 重症心身障害   重症心身障害とは、自分で体を動かすことができない重度の肢体不自由と、年齢に相応した知的発達が見られない重度の知的障害を併せ持った状態をいいます。   重症心身障害者に出会ったら、家族や支援者だけではなく、本人にもあいさつや声かけをしましょう。   重症心身障害者は、移動するとき、体を倒した状態で使用できる大きな車いすを使用しています。人の手を多く必要とすることがあるため、困っている様子を見かけたら、本人や支援者に声をかけて手助けしましょう。 <合理的配慮の具体例> 【色々な場面で】  ・移動の妨げになる物を動かしたり、席を譲ったりすること  ・食事を提供するとき、本人や支援者に確認し、きざみ食やミキサー食などを提供すること 【学校で】  ・医療機関や支援者等と連携を図り、本人の状態や必要な支援を丁寧に確認し、必要以上に活動の制限等をしないようにすること 多くの障害者に対応する合理的配慮   特定の障害にかかわらず、多くの障害に対応した合理的配慮の例です。 【色々な場面で】  ・バスや電車で、席を譲ること  ・おもいやり駐車スペースやユニバーサルトイレを適正に利用すること、また適正な利用を呼びかけること  ・多くの障害者の駐車場利用が見込まれるとき、入り口に近い場所を、臨時の障害者用駐車場とすること ・火事や地震などの災害が発生したとき、家族や支援者と協力し、安全な避難を補助したり、周囲の状況などの情報をわかるように伝えたりすること 【学校で】  ・学校生活において、必要な支援や配慮につなげるため、連絡帳などにより、学校と家庭との間で日々の情報交換を密にする工夫をすること 【仕事で】 ・本人の通院や体調などの状況、公共交通機関の状況に応じて、自家用車出勤を認めたり、出退勤時刻の変更を認めたりすること  ひとにやさしいまちづくりを進めているよ!   県は、障害者、高齢者、妊産婦など全ての県民が、積極的に社会参加できるよう生活環境を整備していくため、「栃木県ひとにやさしいまちづくり条例」を制定し、バリアフリー化を推進しています。   おもいやり駐車スペースは、この条例に基づき、外出の際に配慮が必要な人のためのスペースです。   通常の車幅のスペースも設置されていますが、特に車いすマークのある幅広のスペースは、車いすの出し入れができるように確保されたものであり、配慮が必要です。   必要な人が利用できるよう、適正な利用やその呼びかけにご理解・ご協力をお願いします。   なお、おもいやり駐車スペースには限りがありますので、互いに譲り合うなどして、ご利用ください。 【おもいやり駐車スペースに関する問い合わせ】  栃木県保健福祉部保健福祉課   でんわ 028-623-3103  ファックス 028-623-3131  栃木県障害者差別解消推進条例について教えて! 「栃木県障害者差別解消推進条例」はこれまで説明した基本理念などのほか、相談窓口や栃木県障害者差別解消推進委員会などについて定めているよ! 1 基本理念   ・等しく基本的人権を享有する個人として全ての県民の尊厳が重んぜられること及びその尊厳にふさわしい地域生活を営む権利が尊重されること   ・障害及び障害者に関する理解を深めること   ・地域社会を構成する多様な主体が、相互に協力すること 2 不当な差別的取扱いと合理的配慮   ・何人も不当な差別的取扱いをすることは禁止   ・県は、困っていることを伝えられたか否かにかかわらず、合理的配慮をする   ・県民は合理的配慮をするように努める 3 相談窓口とあっせん   相談窓口 栃木県障害者権利擁護センター     でんわ 028-623-3139 ファックス 028-623-3052     メール tochigi-shougaishakenri@dream.jp   あっせん    相談をしてもお店や会社による不当な差別的取扱いが解決できない場合は、解決につながる提案(あっせん)を求めることができます。    お店や会社が正当な理由なくあっせんを受け入れないときは、県が勧告をしたり、公表したりすることもあります。 4 栃木県障害者差別解消推進委員会   障害者差別解消を推進するため、障害者やその家族、お店や会社の団体の代表者、関係する団体や機関をメンバーとした委員会を設置しています。   〜委員会の主な役割〜   ・障害者差別対応指針に意見を言うこと   ・障害者差別解消に関する情報の交換や取組の連携を図ること   ・あっせんを行うこと 条例や指針の詳しい内容は、県ホームページでご覧ください。 栃木県内における障害者差別に関する相談窓口  栃木県 でんわ028-623-3139 ファックス028-623-3052 メールtochigi-shougaishakenri@dream.jp  宇都宮市 でんわ028-632-2353 ファックス028-636-0398 メールu1904@city.utsunomiya.tochigi.jp │  足利市 でんわ0284-20-2169 ファックス0284-21-5404 メールshogai-f@city.ashikaga.lg.jp  栃木市 でんわ0282-21-2219 ファックス0282-21-2682 メールf-service05@city.tochigi.lg.jp  佐野市 でんわ0283-20-3025 ファックス0283-24-2708 メールsyougaifukushi@city.sano.lg.jp  鹿沼市 でんわ0289-63-2176 ファックス0289-63-2169 メールsyogaifukushi@city.kanuma.lg.jp  日光市 でんわ0288-21-5174 ファックス0288-21-5105 メールshakai-fukushi@city.nikko.lg.jp  小山市 でんわ0285-22-9629 ファックス0285-24-2370 メールd-fukusi@city.oyama.tochigi.jp  真岡市 でんわ0285-83-8129 ファックス0285-83-8554 メールsyakaifukushi@city.moka.lg.jp  大田原市 でんわ0287-23-8921 ファックス0287-23-7632 メールfukushi@city.ohtawara.tochigi.jp  矢板市 でんわ0287-43-1116 ファックス0287-43-5404 メールshakaifukushi@city.yaita.tochigi.jp  那須塩原市 でんわ0287-62-7026 ファックス0287-63-8911 メールk-shakaifukushi@city.nasushiobara.lg.jp  さくら市 でんわ028-681-1161 ファックス028-682-1305 メールshiminfuku@city.tochigi-sakura.lg.jp  那須烏山市 でんわ0287-88-7115 ファックス0287-88-6069 メールkenkohfukushi@city.nasukarasuyama.lg.jp  下野市 でんわ@0285-32-8900 ファックス@0285-32-8601 メールsyakaifukushi@city.shimotsuke.lg.jp でんわA0285-51-2771 ファックスA0285-53-4621  上三川町 でんわ0285-56-9128 ファックス0285-56-7493 メールfukushi01@town.kaminokawa.tochigi.jp  益子町 でんわ0285-72-8866 ファックス0285-70-1141 メールkenkou@town.mashiko.lg.jp  茂木町 でんわ0285-63-5631 ファックス0285-63-5600 メールhokenn.fukushi@town.motegi.tochigi.jp  市貝町 でんわ0285-68-1113 ファックス0285-68-4671 メールfukusi@town.ichikai.lg.jp  芳賀町 でんわ028-677-1112 ファックス028-677-2716 メールfukushi@town.haga.tochigi.jp  壬生町 でんわ0282-81-1883 ファックス0282-81-1121 メールkenko@town.mibu.tochigi.jp  野木町 でんわ0280-57-4196 ファックス0280-57-4193 メールkenkoufukushi@town.nogi.lg.jp  塩谷町 でんわ0287-45-1119 ファックス0287-41-1014 メールhoken@town.shioya.tochigi.jp  高根沢町 でんわ028-675-8105 ファックス 028-675-8988 メールfukusi@town.takanezawa.tochigi.jp  那須町 でんわ0287-72-6917 ファックス0287-72-0904 メールhoken@town.nasu.lg.jp    那珂川町 でんわ0287-92-1119 ファックス0287-92-1164 メールshakaif@town.tochigi-nakagawa.lg.jp 相談は、県及び県内全ての市町にすることができます。 問い合わせ先 栃木県保健福祉部障害福祉課 〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 でんわ028-623-3491 ファックス028-623-3052 メール syougai-fukushi@pref.tochigi.lg.jp