障害の特性に応じた災害時の備えはできていますか? 障害のあるかたへ ご家族・支援者のかたもお読みください p1 はじめに 栃木県においても大きな被害に見舞われた、令和元年台風第19号等を踏まえた、障害者等の避難のあり方に係る検証報告によると、「避難情報や生活情報などの必要な情報が伝わらない」、「周囲の避難者との意思疎通ができず孤立する」ということが明らかになりました。 さらに、「こうしたことがストレスとなって、体調の悪化が引き起こされる」ことも報告されるなど、障害のある方にとって災害は一層の脅威になります。 災害が発生した際、私たちにできることは、被害を最小限にとどめるよう、日ごろから地震や風水害等についての知識や心構えを身につけ、できる限りの準備をしておくことです。 そのため、栃木県では、障害のある方やその支援者向けに、日ごろの備えや地震・風水害等が起きたときの対応などについて、本冊子のとおりまとめました。 障害のあるかたがたには、このマニュアルによりご自身に必要な災害への備えを整えていただきますとともに、しまちや関係団体におかれましては、障害のある方々一人ひとりに必要な支援のネットワークづくりに役立てていただくことを願っております。 なお、本マニュアルの作成にあたり、貴重なご意見やご助言をいただきました関係者並びに関係機関の皆様に対し、心から感謝申し上げます。 p2 目次 1災害を知るp3 2日ごろの備えp5 3ひなんじょとはp15 4障害特性に応じた対応p17 ・視覚障害のあるかたp18 ・聴覚障害のあるかたp19 ・盲ろうのかたpにじゅう ・音声機能や言語機能に障害のあるかたp21 ・肢体不自由のあるかたp22 ・内部障害のある方・難病のかた【共通事項】p23  <腎臓に障害のあるかた>p24  <心臓に障害のあるかた>p24  <呼吸器に障害のあるかた>p25  <ぼうこう・直腸に障害のあるかた>p26 ・知的障害・発達障害のあるかたp27 ・精神障害のあるかたp28 ・高次脳機能障害のあるかたp29 ・医療的ケアの必要なかたpさんじゅう 5関連情報p31 p3 1 災害を知る 地震 家の安全対策や、発生時に慌てない行動を! いつ起こるか分からない地震。火災や崖崩れなどの二次災害も予想されます。 風水害 早めの避難! 台風・大雨等による強風や浸水等が予想される場合、気象情報や避難情報に注意し、早めに避難することが有効だといわれています。 ・雪害 協力者の確保! 大雪の時などは、生活に大きな影響を及ぼす場合があります。雪かきや買い物等への協力者を、前もって確保しておきましょう。 火災 予防第一!火元確認! ストーブや酸素医療機器等の取扱いに注意しましょう。消火器等を備えたり、消火不能の場合、近くの人に助けを求め、早めに避難することを心がけましょう。 p4 確認しよう! ご自分の住む地域では、どのような災害が起こりうるのか想定できますか? お住まいの地域によっては、右の地図のように、地域で水害が起こりやすい場所や、危険な地域を「防災マップ」や「ハザードマップ」などとして、住民にお知らせしているところもあります。 ・想定外を想定しましょう! ・近くの災害、遠くの災害 近年発生している豪雨や地震災害等は、それまでの想定をはるかに上回るものが多くなっています。 近くで起こる災害だけではなく、海外など遠くで起こる災害でも、色々な被害が及ぶことがあります。 p5 2 日ごろの備え 家族みんなで防災について話し合いましょう。 近所の人や、日ごろの支援者、しまち、相談支援事業所などに積極的に相談しましょう。 1 起こりうる災害の想定  住んでいる地域で起こりうる災害を理解しておきましょう。  「ハザードマップ」など、災害を想定した地図が作成されておりますので、お住まいのしまちに確認してみましょう。 2 建物・家の中の安全対策  建物や家具などは安全ですか?  ・耐震耐火  ・家具の固定  ・通路(玄関、非常口がふさがれないように)  ・ガラスに飛散防止フィルム など 3 非常用もちだしひんと備蓄品  持ち出すものは?蓄えは?  ・もちだしひんは必要最小限  ・蓄えは少なくとも3日分 6、7ページを確認! p6 ・確認しよう!【非常用もちだしひん】  いつも持っているもの  □中断できない薬の予備 □携帯電話 □ヘルプマーク □ヘルプカード □笛・ブザー □貴重品 □補装具(補聴器、杖、車いす、スートマ用装具等) など  食料品  □飲料水 □保存食 □マグカップ □特別食(疾患等に応じた制限のある食事) □ラップ(食器等に敷いて洗わずに再利用するため)  衣類  □下着 □防寒着 □雨具 □軍手 □スリッパ  衛生用品  □タオル □マスク □ティッシュ □ウェットタオル □携帯用トイレ □おむつ・生理用品  医薬品  □普段飲んでいる薬 □常備薬(風邪薬・胃腸薬など) □救急セット  貴重品など  □現金(小銭を多めに) □預金通帳 □印鑑 □免許証 □お薬手帳 □保険証 □障害者手帳 □マイナンバーカード  生活用品  □懐中電灯 □携帯ラジオ □予備の電池 □カイロ □携帯電話などの充電器 □タオル □非常用給水袋 □マスク □新聞紙  ※ そのほかにも、自分に必要なものがないかを確認しましょう!  ※ 使用期限のあるものは定期的に確認しましょう!  ※ 補助けんなどのパートナーに必要な物も忘れずに! p7 ・確認しよう!【備蓄品】  個人でできる備えがあります!!~少なくとも3日分の備えを~  電気  □懐中電灯  □LEDランタン □予備の電池 □医療器具、車椅子などの予備バッテリー  □車から充電できる機器 □反射式ストーブ(電池式)などの暖房器具 □凍結時期に備え、給湯器などの水抜き方法の確認  □家庭用電源が使える自動車 □太陽光などの家庭用発電 など  水  □いつもお風呂に水をためておく □保存ができるペットボトルの水など(いちにち分ひとり3リットル以上)  □携帯用トイレ □自分で給水場所に行けない場合の支援者の確保 など  ガス・灯油  □こまめな補充 □予備の灯油タンク □ガス・灯油業者の連絡先の確認 □カセットコンロ・ボンベ など  ガソリン  □こまめな給油 □ガソリン専用の予備携行缶 など p8 4 避難場所・ひなんじょ・福祉ひなんじょの確認  あなたのひなんじょはどこですか?  ・地域のひなんじょを、実際に見に行きましょう。  ・トイレや段差などの設備も確認しておきましょう。  ・分からないことはお住まいのしまちに問い合わせましょう。 5 避難経路の確認  避難経路は安全ですか?  ・避難場所やひなんじょまでの道を実際に歩いてみましょう。  ・避難にかかる時間や、倒れてきそうな物がないかなどを確認しましょう。  ・別の避難経路も見つけておきましょう。 6 正確な災害情報の取得  停電を想定する!  ・複数の手段を確保する必要があります。  ・しまちによっては、次のような取組をしているところもあります。自分が使える手段なのか確認しましょう。   □防災メール □災害FM □FAX緊急通報  □有線放送 □防災無線受信機 など p9 7 避難行動要支援者とその支援制度  問合せや登録窓口は、お住まいのしまちにあります。積極的に相談するようにしましょう。  ・避難行動要支援者とは、災害発生時や発生の恐れがある場合、自分だけでは避難することが難しく、誰かの支援を必要とする人のことです。  ・具体的な対象者の基準は、しまちごとに定められます。  ・しまちごとに手順は異なりますが、事前に名簿に登録していただくことによって、災害などの時に支援を受けることができる制度です。   主な支援内容(例)   □個別避難計画の作成 □災害時の情報伝達 □避難誘導や移送支援 □安否確認 □避難時の生活支援 pじゅう 8 避難時の協力者の確保  災害の時は近所の方がたよりです。  ・自分や家族だけでの避難が難しいことを想定して、避難時に駆けつけてくれる協力者を複数お願いしておきましょう。  ・東日本大震災では、救助された方の7~8割が、近所の方に助けられたという報告もあります。近所の方に必要な支援の内容を理解してもらえるよう、相談してみましょう。  ・昼間や夜間など時間帯に応じて、協力者を決めることも重要です。  日ごろの社会参加が、災害時に命をつなぎます  ・何らかの団体にも所属していない方や、近所づきあいをあまりしていない方などは、安否確認が遅れてしまう場合があります。  ・日ごろから、社会参加に努め、できる限り近所の方々や身近な支援者と関係を保つことで、いざという時も協力してもらえるようにしましょう。 p11 9 自分の安否を伝えるための方法  家族との連絡方法を事前に話し合っておきましょう。  ・日ごろ通っている施設や職場、学校などと、災害時の避難場所や緊急連絡方法を話し合っておきましょう。  ・避難する時は、避難先などのメモを玄関先に貼るなどして自分の安否を伝えるようにしましょう。  ・災害用伝言ダイヤル、災害用伝言板の使い方を確認しましょう。 ○ NTT災害用伝言ダイヤル「171」の使い方  (プッシュ式電話機の例)  災害用伝言ダイヤルは、自分が無事であることなどを録音したり、家族のメッセージを聞いたりする電話のサービスです(災害がないときには使えません。)。 ・録音する場合(話す)  ①「171」に電話をする  ②「1」と家の番号(10桁)を押す  ③「1」を押す  ④ 話す  ⑤「9」で終了 ・聞く場合  ①「171」に電話をする  ②「2」と家の番号(10桁)を押す  ③「1」を押す  ④ 再生  ⑤「9」で終了 ○ 携帯電話などで、文字で伝言を登録・確認できます ・災害用伝言板  携帯電話のインターネット接続機能で、被災地の方が伝言を文字によって登録し、携帯電話・PHS番号をもとにして全国から伝言を確認できます。 ・災害用伝言板(web171)  パソコンやスマートフォン等から固定電話や携帯電話番号を入力して安否情報(伝言)の登録・確認を行うことができます。 ※ 利用方法については、携帯電話各社のホームページなどで確認してください。 p12 10 自分の情報を伝えるための方法  「ヘルプカード」や「お薬手帳」など!  ・災害時には、日ごろの支援者が支援をしてくれるとは限りません。初めて支援をしてくれる方や医療関係者などに、必要な支援を伝えるためにも、事前に「ヘルプカード」を作成しておきましょう。  ・日ごろから携帯したり、非常用持出袋などに入れておきましょう。  ・災害時に協力をしてくれるかたにも、「ヘルプカード」を持っていることを事前に知らせておきましょう。  ・「ヘルプカード」は、お住まいのしまちに相談して作成しましょう。   ヘルプカードとは いざという時に、自分の情報や、手助けしてもらいたいことを伝えるためのカードです。   次のような時に、手助けしてくれる人にカードを見せて、自分の情報を伝えましょう。   ・災害の時(避難時や避難先など)   ・緊急の時(急な病気や発作で困った時など)   ・普段の生活でも(外出中などに手助けがほしい時など)   ヘルプカードを作りましょう   ①しまちの障害福祉窓口やホームページ等からダウンロードする   ②カードに必要なことを書く(緊急連絡先、障害や健康状態等)   ③カード入れや財布に入れて、いつも持ち歩く   ④非常用持出袋に入れておく   ⑤家族や緊急時に連絡先となる人、信頼できる身近な協力者などに、「ヘルプカード」を持っていることを知らせておく   ※病院から指示されている薬や食事などについては、かかりつけの医師に相談してから書きましょう。   ※書いている内容が変わった場合は、すぐに書きかえるようにしましょう。 p13 以下で読み上げる内容はヘルプカードの様式及び記載する内容です。 あなたの支援が必要です。 ヘルプカード ○○し ①私のこと 名前 住所 生年月日 ②緊急連絡先 名前 電話(Fax) 私との関係 ③お願いしたいこと 例 手助けしてもらいたいことなど ・手話か筆談でお願いします。 ・移動の時に誘導してください。 ・簡単な言葉で説明してください。 ④障害や健康状態等に関すること 例 障害や病気など ・私は目が不自由です。 ・私は耳が不自由です。 ・私は知的障害があります。 ⑤医療に関すること かかりつけの病院 電話 血液型 Rh+・- 型 飲んでいる薬 アレルギー等 ⑥事由記載欄 ひなんじょでの配慮事項等も含めて、ほかに伝えたいことがあれば、記入しておきましょう。 あなたの手助けが必要です。 カードを開いてください。 発行 ○○し・町○○部○○○○課 電話 FAX p14 11 地域の防災訓練への参加  ・地域の防災訓練に積極的に参加し、情報の伝達方法や具体的な避難方法を自分で確認しましょう。  ・支援者には、「ヘルプカード」を使って必要な支援方法などを伝えておくようにしましょう。 p15 3 ひなんじょとは ひなんじょについて 「ひなんじょ」は、危険がなくなった後、家が壊れたり、二次災害の危険があるなどの理由から、家で生活ができなくなった場合、生活の場となる場所です。「ひなんじょ」には、一般ひなんじょと福祉ひなんじょがあります。 一般ひなんじょについて  ・近くの学校や公民館などが一般ひなんじょに指定されていることが多いです。あなたが住んでいる地区は、どのひなんじょになるか確認しておきましょう。  ・限られたスペースにたくさんの人が生活するので、自宅と同じ生活ができなくなります。  ・物資や食料の配布、トイレの使用、起床・消灯時間など、生活上の決まりがあります。  ・一般ひなんじょの中にも、一般のひなんじょ生活では支障をきたす方に対しての配慮がなされた場所(福祉避難スペース)が設けられることもあります。 ひなんじょで困らないために  ○自分のことを伝える!  ・あなたに必要な支援を、「ヘルプカード」などを使い、ひなんじょの係員に積極的に伝え、支援してもらいましょう。  ・わがままやクレームを言うことと、必要な支援を伝えることは違います。遠慮しないで、必要な支援を伝えましょう。 p16  ○ひなんじょの情報を伝えてもらう!  ・ひなんじょの係員の指示に従い、状況が落ち着くまで、単独の行動はとらないようにしましょう。  ・ひなんじょのきまりや支援情報は、毎日、追加・更新されます。聴覚障害や視覚障害など、情報を取得しにくい障害のある方は取り残されやすくなります。情報をしっかり届けてもらえるよう、ひなんじょの係員に伝えましょう。  ・もしひなんじょで過ごすことができず、自宅や車の中で過ごす場合でも、災害や支援情報の収集、家族や友人の安否確認、食べ物や日用品、人的支援を受けるため、一度はひなんじょに行きましょう。  ○環境を整える、整えてもらう!  ・障害の状態によって必要となる特別な装具や物については、加入団体やかかりつけの病院などと連絡をとり、情報収集しましょう。  ・必要な支援が受けられないときは、ほかのひなんじょや施設に移ることができないか相談してみましょう。  福祉ひなんじょについて  ・障害者や高齢者など、一般のひなんじょ生活では支障をきたす方に対し、特別な配慮がなされたひなんじょです。  ・生活の相談にのってくれる職員がいたり、ポータブルトイレや手すり、仮設スロープなどが設置されたりしています。  ・家族も一緒に過ごすことが可能ですが、一緒に避難できる人数はひなんじょ毎に異なります。 【参考】避難場所とは ・居住者等が災害から命を守るために緊急的に避難する施設又は場所でしちょうちょうが指定したものです。災害の危険が去った後、当該災害により自宅が損壊している場合等においては、居住者等が指定緊急避難場所から指定ひなんじょへ移動する必要が生じることに留意が必要です。 p17 4 障害特性に応じた対応  障害に応じて準備をしておくものや、災害が起きた時に必要となる行動は様々です。主な障害ごとに対応例を紹介します。  ほかの障害も参考にして、自分に合った対応を考えてみましょう。 p18 視覚障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品(障害特性により特に必要と思われるもの)  □めがねやルーペ  □はくじょう  □笛・ブザー  □音声読み上げ対応携帯電話(充電器)  □時計(音声、触知式など)  □緊急時の連絡先の点字メモ  □点字板  □メモ用録音機(替え電池)  □携帯式ラジオ(カード式)  □家族写真(家族を探してもらうため)  □常備薬  など ○普段から気をつけておくこと  ・家の物や非常用持出袋などは、いつも同じ場所に置きましょう。  ・ラジオや点字板などは近くに置いておきましょう。  ・はくじょうには、暗闇でも分かるように発光シールなどを貼り、地震で壊れないような場所に置きましょう。  ・飛び散ったガラスなどに備え、厚底靴や軍手などを用意しておきましょう。  ・盲導犬がいる方は、ドッグフードを多めに買い置きするなど、パートナーに必要な物も準備しておきましょう(介助犬や聴導犬も同じです。)。 ○災害が起きたら  ・地震後の部屋は、倒れた物やガラスの破片が飛び散っていることがあるので、慌てて移動しないようにしましょう。  ・ラジオ、テレビや防災無線などの内容に注意し、情報を集めましょう。  ・大声や笛、ブザーなどで助けを呼び、視覚障害があることを伝えましょう。  ・地震の場合、家族や近所の人に火気や水回りの点検をお願いしましょう。 p19 聴覚障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品(障害特性により特に必要と思われるもの) □筆談用具、メモ帳 □補聴器、人工内耳機器 □替え電池 □災害用(意思表示)バンダナ □文字情報が得られる携帯端末(携帯電話等) □バッテリー(文字情報が得られる携帯端末用) など ○普段から気をつけておくこと ・補聴器、携帯電話、文字情報が得られる携帯端末など、いつも手元に置いておきましょう。 ・インターネットや文字放送、手話放送設備を検討してみましょう。 ・笛やブザーをいつも身につけましょう。 ・緊急時の情報収集について、しまちに問い合わせてみましょう。 ・介助者が不在の場合、特に夜間の情報伝達をどうするかについて、家族や支援者とあらかじめ決めておきましょう。 ・Net119 緊急通報システム等の使い方について、あらかじめ確認しておきましょう。 ○災害が起きたら ・テレビ、文字放送、携帯電話、近所の人などから、情報を集めるようにしましょう。 ・動けなくなった場合、笛や携帯用ブザーなどで居場所を知らせ、助けを求めましょう。 ・周りの人に、聴覚障害があることが分かるよう、災害用バンダナなどを着用することも有効です。 pにじゅう 盲ろうの方 ○非常用もちだしひんや備蓄品(障害特性により特に必要と思われるもの) 「視覚障害のある方」及び「聴覚障害のある方」の両方を参考にしてください。 ○普段から気をつけておくこと ・家の物や非常用持出袋などの配置は、いつも同じ場所にしましょう。 ・ラジオや点字板などは近くに置いておきましょう。 ・はくじょうには、暗闇でも分かるように発光シールなどを貼り、地震で壊れないような場所に置きましょう。 ・笛やブザーをいつも身につけましょう。 ・緊急時の情報収集について、しまちに問い合わせてみましょう。 ・介助者が不在の場合、特に夜間の情報伝達をどうするかについて、家族や支援者とあらかじめ決めておきましょう。 ○災害が起きたら ・避難が必要な場合、落下物や転倒物などで道路に影響が出ているおそれがあります。慎重に移動し、周囲の人の支援を積極的に求めましょう。 ・動けなくなった場合、笛や携帯用ブザーなどで居場所を知らせ、助けを求めましょう。 ・避難場所ではトイレの位置などを確認し、なるべく移動が少ない場所で落ち着けるよう、配慮してもらいましょう。 ・情報は文書で提示されることも多いため、情報不足に陥りがちです。周囲の人に障害があることを伝え、わからないことは積極的に尋ねましょう。 p21 音声機能や言語機能に障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品(障害特性により特に必要と思われるもの) 音声・言語障害 □携帯会話用補助装置 □電子喉頭器 □音声拡張器 □筆談用具、メモ帳 □替え電池 など そしゃく障害 □ガーゼエプロン(気管孔保護) □紙マスク □経腸栄養剤 □筆記用具、メモ帳 など ○普段から気をつけておくこと ・笛やブザーをいつも身につけましょう。 ○災害が起きたら ・テレビ、文字放送、携帯電話、近所の人などから、情報を集めるようにしましょう。 ・動けなくなった場合、笛や携帯用ブザーなどで居場所を知らせ、助けを求めましょう。 p22 肢体不自由のある方 ○非常用持もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □予備のバッテリーや充電器 □おんぶひも、毛布や担架など(避難支援が受けやすいよう) □床ずれ対策ができるもの □紙おむつや携帯トイレなど自分に合った排泄処理用具 など ○普段から気をつけておくこと ・家族や支援者と、具体的な避難方法について、話し合っておきましょう。 ・寝る場所や居住空間は、倒れてくる物がないようにし、避難しやすい1階を選ぶようにしましょう。 ・笛やブザーをいつも身につけましょう。 ・車いすが通れる幅を十分に確保しておきましょう。 ・歩行補助具や車いすは、安全な場所に置き、暗闇でも分かるように発光シールなどを貼っておきましょう。 ・車いすの空気圧や電動バッテリー(充電や液量)は、いつもチェックしておきましょう。 ・バッテリーの作動持続時間の確認をしておきましょう。 ・専用外部バッテリー・外部電源を準備し、実際に動作確認をしておきましょう。 ○災害が起きたら ・動ける場合は、這うなど安全な姿勢をとり、補助具や非常用持出袋を準備し、支援を頼みましょう。 ・動けない場合は、大声や笛、ブザーなどで大きな音を立てて助けを呼びましょう。 ・火事が起きた時は、家の外に出ることを優先させましょう。 p23 内部障害のある方、難病の方【共通事項】 ○非常用もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □中断できない薬や点滴などとその用具 □治療食や特別食 など ○普段から気をつけておくこと ・災害時の対応や、日ごろから飲んでいる薬や特殊な治療食の備えなどについて、主治医に相談しておきましょう。 ・当面の間、医療行為が受けられなくなる可能性があるので、主治医と相談して、必要な医薬品や医療機材を備えておきましょう。 ・かかりつけの医療機関と相談し、支援を受けられる医療機関のリストを作っておきましょう。 ・家族にも、医療機関からの指示や緊急時の対処法をよく説明し、理解してもらっておきましょう。 ・治療方法や介助の方法について、できるだけ詳しく「ヘルプカード」などに記入しておきましょう。 ○災害が起きたら ・慌てて無理な行動をとると病状の悪化の恐れがあるため、テレビやラジオなどで状況を確認し、安全を確保しつつ、周囲に支援を求めるようにしましょう。 ・障害があるかどうか、外見から分かりにくいため、ひなんじょでは、周囲の人に早めに、しんたいの状況や生活上の注意事項を伝えておきましょう。 ・体調が悪い時は我慢せず、周囲の人に伝えて医療機関に連絡してもらいましょう。 p24 腎臓に障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □透析用の薬(リン、カリウム吸着剤など)や用具 □機材の予備電源 □腹膜透析用セット □血液検査に対応してくれる医療機関の連絡先 など   ○普段から気をつけておくこと ・透析ができない場合の対策を、主治医や家族などと話し合っておきましょう。 ・あなたの透析条件を「ヘルプカード」等に記入しておきましょう。 ○災害が起きたら ・ひなんじょでは、薬や透析が継続できるよう、係員などに移動手段や医療機関を確保してもらいましょう。 心臓に障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □ペースメーカーに対応してくれる医療機関や業者の連絡先メモ □発作時に必要な薬 など ○普段から気をつけておくこと ・かかりつけの医療機関や機器メーカーに、機器が故障した時の対応、緊急時の連絡方法などを、相談しておきましょう。 ・日ごろから主治医に薬の作用や作用時間の長さ、薬が飲めなかった時の影響について確かめておきましょう。 ○災害が起きたら ・一定以上のしんたい活動やストレスにより、心臓に負荷がかかると、呼吸困難や狭心症の発作などの症状が発症するため、できるだけ落ち着いて、無理な行動はせず、早めに支援を求めましょう。 p25 呼吸器に障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □アンビューバッグ(手動式蘇生バッグ) □ネブライザー □手動式吸引機 □酸素濃縮機 □液体酸素ボンベ □携帯用酸素ボトル □予備バッテリー など ○普段から気をつけておくこと ・救急対応について、家族や主治医、酸素供給業者などと話し合っておきましょう。 ・酸素チューブの配管は、からまないよう工夫してもらいましょう。 ・酸素濃縮器や液体酸素ボンベは、火気から離れた場所に保管して、倒れないようしっかり固定しておきましょう。 ○災害が起きたら ・極度の不安や恐怖からパニック状態になると、酸素消費量が増えてしまうので、できるだけ落ち着いて行動しましょう。 ・ひなんじょの係員などに、早めに医療機関と連絡を取ってもらいましょう。 p26 ぼうこう・直腸に障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □ストーマ装具一式(1か月分程度) □ウェットティッシュ □ティッシュペーパー □剥離剤 □消臭スプレー □ストーマ用はさみ(装具穴あけ用) □廃棄用ビニール袋 □導尿に必要な器具(カテーテル) □洗い流さない洗浄剤 など ○普段から気をつけておくこと ・洗腸の方は、自然排便に慣れておきましょう。 ・ストーマ装具のメーカーやサイズ、販売店の連絡先などを「ヘルプカード」や「オストメイトカード(ストーマカード)」に記入しておきましょう。 ○災害が起きたら ・ひなんじょについたら「オストメイト(人工肛門・人工ぼうこう保有者)」であることを係員などに伝え、支援を求めましょう。 ・ひなんじょでは、トイレの回数を気にして食事や飲料水を制限し、体調を崩さないよう気を付けましょう。 p27 知的障害・発達障害のある方 ○避難する時に持っていくもの  (障害特性により特に必要と思われるもの) □常備薬やお薬手帳 □耳あてや耳栓、アイマスク(周囲の人や音が気になる場合) □絵カード □えんぴつやペン、メモ帳 □いつも使っているもの、あると安心できるもの  (おもちゃ、本、音楽、時計など) □あなたが食べられる非常食やこだわりのある食品 など ○普段から気をつけておくこと ・家族やいつも支援してくれる人などと、災害が起きた時のことを話し合っておきましょう。 ・あなたのコミュニケーションの取り方、気をつけてほしいこと、飲んでいる薬や飲み方、手伝ってほしいことなどを、「ヘルプカード」に書き、いつも身につけたり、非常用持出袋に入れておくようにしましょう。 ・名前や電話番号、住所が分かる名札を身に着けたり、服にぬいつけたりしておきましょう。 ・学校や職場、通っている施設などの行き帰りに災害があったらどうするか、決まりを教えてもらい、家族や支援者と一緒に避難などの練習をしておきましょう。 ○災害が起きたら ・あわてて、急に外に飛び出さないようにしましょう。 ・周りの人に助けてもらいましょう。 ・家族などと前もって決めたことを守るようにし、分からなくなったら、周りの人に教えてもらいましょう。 p28 精神障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □いつも飲んでいる薬 □お薬手帳や処方箋 □医療機関の連絡先 など ○普段から気をつけておくこと ・災害が発生した時には、動揺やストレスで症状が悪化する場合や通院できない場合などがあるので、かかりつけ医や家族などと、対処方法などを相談しておきましょう。 ・支援を受ける時に対人関係で配慮が必要なことや、支援をしてほしいことを「ヘルプカード」に記入しておきましょう。 ・日ごろ通っている施設や職場、学校などと、災害時の避難場所や緊急連絡方法を話し合っておきましょう。 ○災害が起きたら ・正しい情報を得るようにし、できるだけ落ち着いて行動するようにしましょう。 ・混乱して自分で決められない時は、近くの人に支援を頼みましょう。 ・落ち込みやイライラ、不安、幻覚、妄想などが出た時は、近くの人に自分の心身の状況や生活上の注意事項を伝えて、医療機関などに連絡してもらうようにしましょう。 ・薬は忘れずに服用しましょう。 p29 高次脳機能障害のある方 ○非常用もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □常備薬やお薬手帳 □耳あてや耳栓、アイマスク(周囲の人や音が気になる場合) □記録のためのツール(筆記用具、メモ帳、ICレコーダー等) など ○普段から気をつけておくこと ・家族やいつも支援してくれる人などと、災害が起きた時のことを話し合っておきましょう。 ・あなたのコミュニケーションの取り方、気を付けてほしいこと、などを書いたカードを用意しておきましょう。 ・学校や職場、通っている施設などの行き帰りに災害があったらどうするか、決まりを教えてもらい、家族や支援者と一緒に避難などの練習をしておきましょう。 ○災害が起きたら ・移動するときには、あわてて動かず、周囲の人に支援を求めましょう。 ・ひなんじょでは、「ヘルプカード」を見せ、配慮してほしいことを伝えましょう。 ・いつもと違う環境に対応するために、神経が疲れやすくなっています。 居場所が確保できたら、まずは十分な休息を取りましょう。 ・分からないことがある時、体調が悪い時は、我慢せず、周囲の人に相談しましょう。 pさんじゅう 医療的ケアの必要な方 ○非常用もちだしひんや備蓄品  (障害特性により特に必要と思われるもの) □中断できない薬や点滴などとその用具 □治療食や特別食 など ○普段から気をつけておくこと ・災害時の対応や、日ごろから飲んでいる薬や特殊な治療食の備えなどについて、主治医に相談しておきましょう。 ・当面の間、医療行為が受けられなくなる可能性があるので、主治医と相談して、必要な医薬品や医療機材を備えておきましょう。 ・かかりつけの医療機関と相談し、支援を受けられる医療機関のリストを作っておきましょう。 ・家族にも、医療機関からの指示や緊急時の対処法をよく説明し、理解してもらっておきましょう。 ・治療方法や介助の方法について、できるだけ詳しく「ヘルプカード」などに記入しておきましょう。 ・電動バッテリー(充電や液量)は、いつもチェックしておきましょう。 ・バッテリーの作動持続時間の確認をしておきましょう。 ・専用外部バッテリー・外部電源を準備し、実際に動作確認をしておきましょう。 ○災害が起きたら ・慌てて無理な行動をとると病状の悪化の恐れがあるため、テレビやラジオなどで状況を確認し、安全を確保しつつ、周囲に支援を求めるようにしましょう。 ・ひなんじょでは、周囲の人に早めに、しんたいの状況や生活上の注意事項を伝えておきましょう。 ・医療的な措置が必要な場合は、速やかに医療機関へ移動しましょう。 p31 5 関連情報 1 危機管理・防災ポータルサイト 「 https://www.pref.tochigi.lg.jp/kurashi/bousai/index.html 」 ・リアルタイム情報   防災・災害関連の各種リアルタイム情報を紹介しています。 ・防災メール登録   防災・災害情報をメールを用いてお知らせします。   ほかにも、土砂災害情報やライフライン情報等を掲載しています。 2 栃木県公式LINE 「 https://www.pref.tochigi.lg.jp/c05/kouhou/line.html 」  観光・イベント情報、議会活動などの最新情報や、防災情報を集めたリッチメニューを配信しています。原則、水・金曜日に配信していますが、災害情報等は必要に応じて随時配信します。 3 NHK「災害時障害者のためのサイト」 「 http://www6.nhk.or.jp/heart-net/special/saigai/index.html 」  大災害が発生した時、支援を要する障害者や高齢者への情報を掲載することが目的であり、日頃からどのように災害に備えればいいか、防災や減災のためのヒントを障害等別にまとめています。 4 栃木県障害者ICTサポートセンター 「 https://tochigi-ict.net/ 」  ICT機器のトラブルや使い方をサポートするとともに、スマートフォンアプリ等のICTに関するお役立ち情報も紹介しています。 令和5(2023)年3月発行 【発行】栃木県保健福祉部障害福祉課     〒320-8501 栃木県宇都宮市塙田1-1-20 【電話】028-623-3490 【ファックス】028-623-3052 【メールアドレス】syougai-fukushi@pref.tochigi.lg.jp